突然161回から始まります。

2016年9月 

兼題:どんぐり(橡の実・樫の実・楢の実) 出題者:鈴蘭



【橡の実一つの先にまた一つ】泰山
「きっとリスのいたずらでしょう」
「帰り道の目印に」

【団欒に入れそびれて白露かな】泰山
「どんぐりと読んでしまいましたが、「はいりそびれ」たのでしょうね」
団栗に入りそびれた団欒。団欒に入りそびれた団栗。

【団栗の裁縫箱に数個あり】素頓
「ボタンにでもしようか」
「宝石箱より裁縫箱が似合います。」
奥さまは手芸がお好きだったそうです。

【空真青(まさお)二十万本コスモスや】素頓
「上5下5の入れ替えで」
「被災地で見たコスモスが忘れられません」

(写真は札幌の豊平川緑地です。)

【銃弾に似て団栗のころころと】鳥閑
「ちょっと怖いが、銃弾の連想は買い」
「もしかして本当の銃弾あり得る」

【激論も台風一過長話】鳥閑
「台風のような激論を交わし、つい長話となってしまった」
「台風よりうるさかったです」
激論後は晴れ晴れ、台風一過との取り合わせに拍手。


【団栗の雨降りやまぬ石畳】摩天
「滑ってつまづいて転ばないように」
「当たると痛い」
団栗の雨に反応したコメントが揃いました。作者も「逃げよう。」と言ってます。

【どんぐりの弾け落つるも山の声】摩天
「音が聞こえてきそう、山の声が〇」
「良い声です」

【古利根の土手の団栗川もなく】一兎
作者ご本人の解説「古利根とは昔(江戸時代よりずっと前)の利根川の跡です。
土手や砂山が残っています。その土手の団栗はコロコロと転がってお池にはまる筈なのですが、
そこに池はなく、川さえありません。今では周囲より小高い畑地になっています。」

【筑波嶺は淡き銀ねず籾を焼く】一兎
「色彩感覚よし、籾焼くのは誰?」
「そこからみえるんですね。」

【くぬぎの実ぽとりと池に雲揺れる】碧水
「ドジョウがでてきます」
「ドジョウもびっくり」
最高得点句!

【団栗の並べ置かれし水飲み場】碧水
「イベリコ豚の養豚場かしら」
「リスをおびき寄せるためです」

【ポケットにどんぐりいっぱい子が帰る】ゆめ
「おカネを拾ってきたら孝行なのにね」
「この子も狐に騙されたようだ」

【生き急げとせかされておりし法師蝉】ゆめ
「断末魔の叫び」
「短い命を一所懸命生きています。「今尽きる秋をつくつくぼうしかな」一茶」
当地札幌では蝉の声ももう聞こえなくなりました。

【土産にとどんぐり拾ふ小さき手】鈴蘭
「お土産に、の方が可愛らしかった」
「もう忘れていたいじらしさ」

【さっぽろはそらがひろいね夏休み】鈴蘭
「東京は空が無いのね夏休み」
「孫に成り代わりの一句。土地も広いが空も広い。ひっかけかもしれない」
ひっかけではなくて作者見え見えの句。


句会は新宿の「花ぜん」に於いて。