梅雨明けの陽ざし大関まったなし | 自由俳句 「風薫」(ふうくん)

自由俳句 「風薫」(ふうくん)

宇都宮で自由俳句の会「風薫」を主宰している陽子です。自由な感覚で俳句を詠み合う句会を月に1回開催しています。俳句集もすでに10集集目を刊行しております。

長い梅雨が明け、やっと本来の夏らしく今日は本当に暑い一日でした。雨や曇りがあまりに続くとどうしてもテンションが下がりがちになりますね。暑い陽ざしがあるから木陰もありがたく思えます。
 今日は句会で戦後七十年、祭りのことが話題にもなりました。
 あかりさん手作りの、うずらの卵で作ったシフォンケーキを最後にいただきました。うずらの卵のコクがあってとてもおいしいケーキでした。七月最後の土曜日の作品です。




■ 荒木 あかり

入梅や筋トレの窓に雨匂い

痩せとかげ石壁はりつき何想う

カサブランカほこらしげにそそり立つ

雲の峰むくむくと建ち夏休み

梅雨明けやセミ声高く活動期



■ 神谷 操

天空の城を隠せり雲の峰

折り鶴で平和を紡ぐ原爆忌



■ 白石 洋一

娘には自分の一部の様な感覚

大地揺れ生きた心地しない夜

布団にて眠れる夜のありがたさ

大地怒る人は無力や叱られるだけ

深夜四時 何を思うや うつ伏せで

安酒の底2センチほどの飲み残り



■ 刈谷 吉見

糞かはき海老原うずらの梅雨や明く

本返へるビニール包まれ輪ゴム止め

日夏耿之介読みけり青嵐

山は山と会えぬ 人は人と会えるなり

巨泉逝くブラウン管の白い夏

寝汗拭くてんとう虫は葉を喰らひ



■ 佐藤 宣明

昼下がりサンショウウオの縷縷るるる



■ 石井 温平

七月や長女バースデー妻忌日

羽蟻群れ三年毎の選挙果つ

夏草や焼け野原より七十年

蓮の花 栄枯盛衰語り継ぐ

わが五体 有無を言わせぬ暑さかな



■ 福冨 陽子

ハレルヤの流るラジオや梅雨の洒落

朝顔のすまし顔 我褒めもせで

命日に手向ける花も夏に負け

やるべきをすべて終えたか睡魔来る

笛太鼓 おさらいの音よ祭り前

随筆を楽しむ人かろやかなる

ピーマンの艶やうらめし手の甲寄せ

夏空を忘れり雨の日記帳