五月はいいなあ。ちょうどいい。 | 自由俳句 「風薫」(ふうくん)

自由俳句 「風薫」(ふうくん)

宇都宮で自由俳句の会「風薫」を主宰している陽子です。自由な感覚で俳句を詠み合う句会を月に1回開催しています。俳句集もすでに10集集目を刊行しております。

トチノキの花が天に向かって咲いています。 沖縄ではすでに梅雨入りとか。種の蒔かれた大地からは新しい芽が育っています。二毛作の麦畑はすでに黄色く色づき、鳥も健やかに飛び回り大きな声で鳴き交わしている気がします。
 新しい季節の中にいて、私たちの感性は何をどんなふうにとらえているでしょうか。


■ 荒木 あかり

若葉光り踊っているよ こいのぼり

田の水路ぼこぼこ鳴って田植えどき

さくら会 古希となり個の光る

ひきがえる闇夜に響き水入る

紅つつじ見る人もなく高速土手に


■ 半沢 美恵子

しゃぼんだま虹映してやストロ―吹く


■ 神谷 操

五月雨の意味はなんぞと辞書を引き

赤信号 脇目の先に鯉のぼり

菖蒲湯と勝負をかけてげんかつぎ

新緑や窓全開で走りたし

衣更一足早き子どもたち

端午の日リベルタンゴで踊りつつ

忘れえぬ見ても聞いてもチンアナゴ





■ 刈谷 吉見

ジャケ失くしキャプテンウルトラの父逝く

老うずら卵生み落つ音や春

土づくりPC固まる日暮れかな

ああさうか新聞の見た人と会ふ顔は


■ 石井 温平

山丸ろき益子の里や風薫る

餃子屋の日日の行列風薫る

薫風や抱く初曽孫まなこ澄む

シャツ・パンツ・ズボン純綿更衣

更衣 妻のもろもろ辿りつつ


■ 福冨 陽子

友と別れし夕べ遠野物語聞く

新潟の土産と言いて柿の種

苗並ぶ間に間に暑気のいる

蕎麦待ちの訛り耳にし田島駅

電車旅 景色遮るロ―ルカ―テン

最新のパソコン まだ友になれぬ

テッセンの喜怒哀楽を荒地に見ゆ