2012年 詠み納め | 自由俳句 「風薫」(ふうくん)

自由俳句 「風薫」(ふうくん)

宇都宮で自由俳句の会「風薫」を主宰している陽子です。自由な感覚で俳句を詠み合う句会を月に1回開催しています。俳句集もすでに10集集目を刊行しております。

$自由俳句 「風薫」(ふうくん)-林檎

今年最後の詠み会です。
天気予報は雪かもしれないという寒い朝でしたが、みなさんの句の中に豊かな視点が感じられていい納め会になりました。


■大倉美和
おもちゃ屋の行列見ればクリスマス/
事故あいて人々集まる冬木立ち/
四十路すぎ名入りケーキに友の顔/
食卓にのぼりし南瓜冬至なり

■田代由美子
冬菊や主なき庭に佇みて/
山白く挨拶迷うマスク顔/
子ら来たり好物ならび笑顔あり/
水仙に重なる想い走馬灯

■佐藤千恵
マフラーを行きつ戻りつ父想う/
浦島の淋しさ滲む冬の頃

■高山昌子
布団干し子らの帰省を待ちおりて/
猫は外こたつで丸く愛犬は/
青空やヘリコプターも音軽く/
大掃除タイムリミット焦りあり

■メリヤ
(メール投稿)/
昭一やあしたのこころ残しけり/(小沢昭一さんもたくさん句を詠まれていたのですね)
急ぎ足かぼちゃと書きし落ち葉舞ふ

■こじこ次郎
(メール投稿)/
柚子南瓜 今年もわずか実感す/
師走には毎年想う来年こそは/
サンタさん心にいるとやせ我慢/
もみの木を独りで飾る心に冬/(返詠 もみの木と独りずつ居り聖夜かな)
街路樹とイルミのデート笑顔咲く

■福冨陽子
みぞれ降り鉢軒下に手袋す/
すれちがい独りの自由を鍋に煮る/
だいだいと本を置きつつ炬燵入り