注:初めての記念日1~4話のその後のお話。ジヨンのVライブが終わった後をイメージしてます。
たまにはジヨンも自分の言動を反省すればいいと思って書きましたwww
結構エロくなっちゃったので、苦手な方はご注意下さいm(__)m
「ただいまぁ~♪」
玄関を開けたジヨンは、靴を乱暴に脱ぎ捨てて部屋の中に駆け上がった。
「ユウ~♪ユウ、どこぉ~?俺、一人で生放送頑張ったよ!ちゃんと見てくれた?」
部屋の中は真っ暗だ。しかし、優しい彼女は、自分が出ている生放送をちゃんとチェックしていてくれたはずだ。そう確信しているジヨンは、構わずに彼女を探し回った。
「ユウ~?」
「煩い!何時だと思ってるのよ!」
凛とした彼女の声が聞こえて、ジヨンは笑顔で振り返った。彼女、優羽は、寝間着姿で立っていた。シャワーを浴びたばかりなのか、まだ髪が濡れている。
「ユウ!」
ジヨンは、ステージの上でも見せないような俊敏さで優羽に近付いて、彼女の身体を抱き締めた。
「すぐに俺と1つになれるように、綺麗にして待っててくれたの?」
「なっ…、何言ってるのよ!馬鹿!」
「痛っ!」
ジヨンの言葉に照れた優羽は、ジヨンの頭をぐーで殴った。こういう時、彼女は手加減なんてしてくれないから、本気で痛い。
だけど、今のジヨンには、その痛さすら幸せだった。
優羽が韓国にいる。いつでも抱き締められる場所に。これほど贅沢な幸せは、どれだけお金を積んでも手にすることが出来ないだろう。
ジヨンが幸せを噛み締めていると、腕の中の優羽が少し怒ったように言った。
「ってゆーか、あんたはどうして、毎日当たり前のようにここに帰って来るのよ」
「え?だって、俺たちの愛の巣だろ?」
「私の家よ!」
ジヨンの自宅は、別の場所にある。優羽と初めて結ばれた思い出の隠れ家も、勿論手離してはいない。
しかし、ジヨンは、ほぼ毎日、自宅でも隠れ家でもなく、優羽がいるこの部屋に帰宅していた。愛描も優羽に預けたまま、ずっと優羽に面倒を見て貰っている。優羽には認めて貰えていないが、ジヨンは、猫を連れて引っ越して来たくらいの気持ちでいた。
「ちゃんとぎそーこーさくしてきたからだいじょーぶー。おうちには、ダミーがかえってるよ」
「もう、あんたはまた、変な日本語を覚えて…」
自慢げに日本語で言うジヨンを見て、優羽は呆れたように溜め息を吐いた。それを見て、ジヨンは唇を尖らせる。
「ユウとあうために、がんばってるじゃーん」
二人の関係がばれたら、優羽は日本に戻ってしまうかもしれない。だからジヨンは、今まで以上に自分の行動に気を配っていた。この場所と優羽の存在がバレないように、何重にも警戒している。
「おれ、えらいデショ。ユウ、ほめて」
ジヨンは、可愛いと自覚している日本語で言って、瞳を閉じ、キスをねだった。
本当に優羽がキスしてくれることなど、期待していなかった。また叩かれても良いと思った。
だが、ジヨンの予想に反し、唇にそっと柔らかいものが触れる。
ジヨンはドキッとして、思わず優羽から離れた。
「ユ、ユウ!?」
「な、何よ!あんたにそんな反応されると照れるじゃない!」
優羽の顔は、林檎のように真っ赤に染まっている。ジヨンの服を掴んでいる手は小刻みに震えているようだった。
「だって、ユウからキスしてくれるとは思わなかったから…」
「わ、私からしたら悪いの?」
「悪くないけど…」
ジヨンは優羽の頬にそっと触れて、俯いていた顔を自分に向けさせた。優羽の瞳は、不安げに揺れている。
「いつもはこんなことしないだろ?何かあった?」
「何かないと、しちゃいけないの?」
「そうじゃないけど…」
「だって…、こうしないと…ジヨンが何もしてくれないと思ったから!」
優羽の言葉に、ジヨンは驚く。
何もしていない訳ではない。キスは毎日しているし、スキンシップもしている。
だけど、確かに、最近、最後まではしていなかった。先ほども『1つになる』なんて言ったりはしたけれど、今日はもう遅いし、優羽には先に寝て貰って、自分もシャワーを浴びたら、そのまま寝ようと思っていた。
(でも、セックスレスっていうほどしてない訳じゃないし…、毎日会えるからって、毎日したらユウが大変だろうし…)
付き合い始めた頃は、優羽の心が欲しくて、必要以上に身体を求めた。遠距離恋愛になってからは、会えない時間を埋めるように、会えば必ず、激しく抱いた。
だけど、優羽が側に来てくれたことで、ジヨンはほっとしていた。顔が見られるだけでも満足だった。
しかし、これまでがこれまでだっただけに、優羽は不安だったのだろうか?
「ユウは、俺としたかったの?」
「こ、恋人なんだもの。当たり前でしょ」
優羽の素直な告白に、ジヨンは興奮した。堪らずに優羽を抱き寄せ、唇を重ねた。野獣のように激しく、優羽の唇を貪る。
「んっ…、あっ…。ジヨン…」
優羽の身体から力が抜けたので、そのまま二人で、崩れるように床に倒れた。
優羽がねだるような目でジヨンを見上げる。ジヨンの身体は、火がついたように熱くなっていた。
「煽るなよ。理性が効かなくなるだろ」
煽られ過ぎて苦しいくらいだった。久しぶりだから優しくしなければと思うのに、すぐにでも優羽の中に入りたい衝動に駆られる。
「貴方にも理性があったなんて、吃驚だわ」
「あるよ!俺にだって、少しくらいは…」
「少しだけっていう自覚はあるのね」
優羽はそう言って、クスクス笑っている。それから、ジヨンの頬にちゅっとキスして、囁いた。
「いいのよ。今日は。我慢しなくても。好きなようにして」
まるで、夢の中にいるようだった。そんな言葉をいつかは優羽の口から聞いてみたいと、何度も何度も夢に見た。
あまりにも自分に都合が良すぎて、ジヨンは不安になる。
「ユウ、怒ってるの?俺、また何かした?」
「どうして?」
「だって…、いつもは恥ずかしがって、そういうこと言ってくれないだろ?」
嬉しいが、らしくない気がした。優羽は気が強くて、ストレートに感情を表現するようなところもあるが、日本人らしい慎ましさも持ち合わせている女性だ。特に、夜の営みには不慣れなこともあってか、優羽の方から何かアクションを起こしたり、何かをねだったりしてくることは殆どない。
だけど、今日は、とても素直で、大胆だ。ジヨンは、自分がまた、気付かぬうちに、良くないことを仕出かしてしまったのではないかと考えた。
「俺が生放送で彼女はいないって言ったから?それとも、スンリの話ばっかりしてたから?あんなの全部カモフラージュだよ!」
焦って弁明するジヨンを見て、優羽はクスクス笑っている。
「馬鹿ね。わかってるわよ。私の為でしょ?」
「じゃあ、どうして…」
不安を隠せない顔で優羽を見つめると、優羽は、恥ずかしそうにしながらも、自分の考えを素直に話してくれた。
「前に…、私が素直に気持ちを言ったら、ジヨン、凄く喜んでくれたでしょ?だから、こういうことは、恥ずかしいけど、ちゃんと言葉にして伝えた方がいいんだって思ったんだけど…。私、間違ってた?こんな私は嫌い?」
「そんなことないよ!」
ジヨンは慌てて否定して、優羽をぎゅっと抱き締めた。
「だけど、困る…。嬉しすぎて、ユウより先にイッちゃいそう…」
「別にいいじゃない」
「駄目だよ!格好悪いだろ!」
ジヨンがそう主張すると、優羽はさらっとこう言った。
「ジヨンが私の前で格好良かったことなんてあったかしら?」
恋人の思わぬ言葉に、ジヨンは強い衝撃を受ける。
「ユウ~」
情けない声で優羽の名を呼ぶジヨンを見て、優羽はまたクスクス笑った。
「いいのよ。私の前では格好悪くても。他の人には見せない、私だけのクォン・ジヨンでいて」
「ユウ…」
その一言が、ジヨンの最後の理性の糸を切った。
「きゃっ!」
ジヨンは乱暴に優羽の下着を剥ぎ取り、優羽の足を抱えあげた。
「ユウ、俺…」
「大丈夫。来て…」
優羽の言葉に甘えて、ジヨンは優羽の中に自らの欲望を突き入れた。しっとり濡れた優羽の入り口は、すんなりとジヨンを受け入れてくれた。
もしかしたら本当に、浴室でジヨンを受け入れる準備をしてくれていたのかもしれない。
男を知らず、心を閉ざしていた優羽のそんな変化が嬉しい。
(ヤバイ…。結構限界かも…)
優羽の言葉で、ジヨンはいつもより興奮していた。久しぶりだというのもある。先程の言葉じゃないが、それほど長くは持ちそうにない。
(ちょっと落ち着こう…)
ジヨンがきゅっと眉間に皺を寄せ、ふぅーっと息を吐いたその時、優羽がジヨンの腰に足を絡めた。
「ユウ?」
「嬉しい。ジヨン、いつもより大きい…」
「…………っ!」
止めを刺したのは、優羽のその言葉か、それとも、急かすように中が締まったせいなのか。
ジヨンは何もしないまま、優羽の中で果ててしまった。
「ユウ!」
ジヨンが涙目で攻めるように言うと、優羽は子供のように無邪気に笑った。そんな優羽を見て、ジヨンは溜め息を吐く。
(まあ、ユウが嬉しそうだからいいか…。よくないけど…)
出会った頃、優羽が中々笑ってくれなくて、少し笑顔が見れただけでも喜んでいたことを思い出す。
自分は、優羽を笑顔に出来る存在になれているだろうか?
「ユウ…、気持ちは嬉しいけど、おねだりはたまにでいいよ…。刺激が強すぎる」
優羽がまた、クスクスと笑う。抱き寄せられて、吐息が耳にかかった。
「じゃあ、私を寂しくさせないでね。浮気も駄目よ」
「しないってば。信用ないな…。もう」
もう絶対に、優羽を不安にさせることはしない。我が儘も、極力控えよう。
ほんの少しだけ反省して、ジヨンは優羽の唇に、そっとキスを落とした。
画像拝借致しましたm(__)m