最後はちょっと大人なお話(  ̄▽ ̄)
苦手な方はご注意下さいm(__)m
ジヨンは、野獣のような人だ。
たまにしか会えないこともあり、会えばいつも、会えない時間を埋めるように激しく求められる。
ジヨンしか男を知らない優羽は、そういう時にどうすればジヨンが喜んでくれるのかなんてわからない。だからいつも、ジヨンにされるがままに乱されて、いつの間にか気を失ってしまう。
だけど、今日のジヨンは、少し様子が違った。
「ジヨン…ジヨンっ!」
「ん?なぁに?」
切ない声でジヨンを呼ぶ優羽を見て、ジヨンは優しく微笑んだ。
だけど、今日のジヨンは、少しも優しくない。
「それ…やだぁ…」
「嫌?やめて欲しいの?抜こうか?」
「ちがっ…、バカぁ」
優羽が何を求めているのか知っているくせに、ジヨンはわざと知らないふりをして優羽を焦らす。
優羽の身体を這う舌や指は、感じるポイントを微妙に外して動き、優羽の中にいるジヨンは、浅いところばかりを行き来して、奥に入って来ようとはしない。
ジヨンの激しい愛撫に慣らされた優羽の身体が、そんな焦れったい行為に満足出来る訳がなかった。
「ジヨンっ…」
疼く身体をどうしていいのかわからなくて、優羽は涙目でジヨンを見つめた。そんな優羽をジヨンは嬉しそうに眺めている。
「どうしたの?ちゃんと言わないとわからないよ?」
「や…、やぁだぁ…」
「大丈夫。俺しか聞いてないから」
身体の疼きと羞恥心が極限に達して、優羽の目からは涙がこぼれ落ちた。
(こんなの嫌…、恥ずかしい)
普通の女の子なら、こういう時、どうするものなのだろう?素直に恋人に欲しいものをねだるものなのだろうか?
(無理…、言えない…)
望みは明確だ。だけど、それを口にすることはとても恥ずかしいし、はしたないことのように思える。
(でも…)
ジヨンに激しく求められると、優羽はほっとする。みんなのG-DRAGONが、その瞬間だけ自分だけのクォン・ジヨンでいてくれるような気がして、嬉しくなる。
だから、どれだけ離れていても、どんなに長い間会えなくても、ジヨンを信じて待っていることが出来るのだ。
(ジヨンも…同じなの?)
優羽が「会いたかった」と言った時、ジヨンはとても喜んでくれた。思えば、自分には、そんな言葉が足りていなかったのかもしれない。
優羽にとっては、身体の傷を曝し、ジヨンに全てを捧げるだけでも、とても勇気のいる大きな出来事だったので、いつの間にか、言葉で伝える努力を忘れていたのだ。知らず知らずの間に、ジヨンを不安にさせていたのかもしれない。
(ちゃんと伝えたら、もう、あんな馬鹿なことはしない?)
自分が少し恥ずかしい思いをすることで、ジヨンが安心してくれるなら…。
優羽は、勇気を振り絞って、ジヨンを見つめた。
「ジヨン…」
「ん?」
「お願い。もっと…奥まで来て」
その瞬間、自分の中でジヨンがドクンと脈打った気がした。
「ああ、ジヨン!」
「ユウ…、ありがとう。意地悪してごめんね」
「あっ…、ああっ!」
いつも通り、いや、いつも以上に野獣のような目をしたジヨンが目の前にいた。優羽は、そんな彼の身体をしっかりと抱き締めて、待ち望んでいたものを身体の奥まで受け入れた。
「うーん、ユウ…、ふふふ、上手だね。そのままもっと…うにゃうにゃ…」
「何の夢を見てるのよ、馬鹿」
優羽を絶頂に導いて、自らも果てた後、ジヨンはそのまま眠ってしまった。今は幸せそうな顔をして、何やら不埒な夢を見ているようだ。
(いつもは私が先に寝ちゃうのに、疲れていたのかしら?)
優羽は、そっとジヨンの頭を撫でてみる。ジヨンの顔が気持ち良さそうに綻ぶが、目を覚ます気配はない。
(疲れているのに、会いたいと思ってくれていたのね)
勿体ぶらずに、会いに行くと言ってあげるべきだっただろうか?優羽は少しだけ電話でのやり取りを後悔する。
(でも、びっくりさせたかったのよ?プレゼントだって用意していたのに…、ジヨンの馬鹿)
優羽は、以前から、日本に住んでいたのでは、思うようにジヨンに会えないと思っていた。ジヨンの周りのスタッフや友人たちにも意見を聞いて、頻繁に日韓を行き来するよりも、優羽が韓国に拠点を移した方が、二人の関係を守りやすいのではないかという話になった。
幸い、優羽の仕事は在宅で、韓国に拠点を移しても支障なく続けられるし、優羽はジヨンの周りの人々にも気に入られているので、色んな人が協力してくれて、すぐに話がまとまった。
安全のため、同じ飛行機には乗れないが、日本でのライブが終わったら、一緒に韓国に帰れる。
「もう、浮気なんてさせないからね」
このことをジヨンに伝えたら、ジヨンはどんな顔をするだろう。喜んでくれるだろうか?
ジヨンの笑顔を想像して、優羽は顔を綻ばせた。
「おやすみなさい、ジヨン。明日は素敵な姿を見せてね」
優羽はジヨンの唇にそっとキスをして、ジヨンの身体に自分の身体を寄せると、目を閉じて、眠りの世界に落ちていった。
幸せな夢の中にいるジヨンは、目が覚めると、もっと幸せな現実が待っていることをまだ知らずにいる。
おしまい
画像拝借致しましたm(__)m