妄想小説『Baby I love you 番外編~初めての記念日2』 | 背王のBIGBANG観察日記

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BIGBANG大好きなアラサー女が心の叫びを吐露しています。
かなり自己満な妄想と分析の連続なので、生温い目で見守って頂けると幸いです。

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注:Baby I love you 番外編2話目です。1話を先にお読み下さいm(__)m










「おい!お前ら!写真撮るから楽しそうに笑え!」
「…………え?」

物凄い剣幕で命じるジヨンを見て、スンリとテソンは顔を見合わせた。

「笑顔が固い!もっと自然に!」
「は、はい…」










出来上がった写真を見て、ジヨンはニヤリと不気味に笑っている。

「ふん。どうだ。俺の弟たちは可愛いだろ。楽しそうだろ。これからもっと楽しいことをしてやるんだからな。後悔しても遅いんだぞ」

ぶつぶつと呪文のように呟いて、クククと笑うジヨン。そんなジヨンを見て、テソンは怯えている。

「ねぇ。ジヨンヒョン、何かあったの?」
「あー、うーん」

テソンに尋ねられて、スンリは苦笑した。

「ユウちゃんが大阪に来てくれなかったから、拗ねてるんだよ」
「え?ユウ来てないの!?」

テソンはとても驚いているようだ。久しぶりの日本なので、ジヨンは当然、恋人のユウと会うものだと思っていたのだろう。

「え。じゃあ、ミオも?」
「ミオは、ライブには来るって言ってたよ。新曲聴きたがってたし。でも、今回は、会わずに帰るって。やっぱり今は、万が一があると困るから…」
「そうか。そうだよね…。万が一見つかって騒がれたら、ミオやユウが大変な思いをすることになるもんね」

テソンはスンリの意見に賛同し、理解を示してくれた。

今は、何年かぶりにBIGBANGが集まって、新しい曲で活動している大事な時。忙しくて、恋人の為に割ける時間も少ない。

きっと寂しい思いをしているだろうが、我が儘を言わず、BIGBANGの活動を尊重してくれる美緒や優羽のことをメンバーたちも、とても好意的に見てくれていた。

しかし、全く納得していない男が約一名。

「甘い!」

テソンとスンリの会話に、突然大声で割り込んで来たジヨンは、苛立ちを露に独特の主張を展開した。

「近くにいるなら会いたいだろ!会ったらやりたいだろ!それが男だ!ユウもミオも男心がわかってない!」
「ヒョン…」

スンリは、頭痛を感じて頭を抑えた。

気持ちはわかるが、盛りのついた動物じゃないんだから、そんな風に自分の欲望を全面に押し出すのはよくない。

優羽がジヨンのことを思い、ジヨンとBIGBANGの為に一歩退いてくれているのに、ジヨンがこんな風に我が儘を言ってどうするのだろう。

優羽だって、ジヨンに会いたくない訳がないのに。

(何か、嫌な予感がするなぁ…。変なこと仕出かさなければいいけど)

スンリは、欲求不満で苛々している様子のジヨンが、とんでもないことを仕出かさないでいてくれることを願った。

しかし、スンリの嫌な予感は、このあとすぐに、現実のものとなる。







「ストップ。お前はまだ帰さないぞ」
「へ?」

食事を終えて、ホテルに戻り、それぞれの部屋に戻ろうとした時、スンリはジヨンに後ろから掴まれ、呼び止められた。

「へ?え?何で俺だけ?」
「ん?別に三人でもいいけど…。テソンも来る?」

ジヨンは軽い調子でテソンを誘う。しかし、テソンは不吉な空気を感じ取ったのか、びくっと震えて後ずさった。

「い、いや、僕はその…早起きして、トレーニングしたいから!」
「そうか。そうだよな」
「お、おやすみなさい!」
「あ!ちょっ…テソンヒョン!」

テソンはそう言って、早足で自分の部屋に帰っていった。スンリも同じように逃げ出したかったが、既にジヨンの腕により、がっちり捕らえられているので逃げられない。

「え、えーっと。俺も早起きして、MCの打ち合わせが…」
「そんなの適当でいいだろ。お前日本語ペラペラなんだし」
「いや、適当はよくないって!」
「煩い。いいからこっち来い!」
「あ、ちょっと…ヒョン…!」

ジヨンはスンリのことをぐいぐいと引っ張り、自分の部屋に引きずり込もうとする。そんなジヨンに、精一杯抵抗しながら、スンリは言った。

「一体何する気?何企んでるの?」
「何って…浮気?」
「はぁー!?」
「お前とベッドでラブラブな写真を撮って、ユウに送り付けて嫉妬させてやるんだ!」
「なっ!」

ジヨンのとんでもない計画を聞き、スンリは唖然とした。

「本当に、何企んでるんだよ!馬鹿なの!?」
「はぁ!?馬鹿って何だよ、馬鹿って!」
「馬鹿だから馬鹿って言ってるんじゃん!」

スンリは、場所を気にする余裕もなく、大声で叫んだ。

「そんなことしたらユウちゃん怒るよ!」
「バーカ。その為にやるんだろ?ユウのやつ前にもお前に嫉妬してたし、お前とあんなこととかこんなこととかしてると思ったら、嫉妬して大阪に飛んできてくれるかも!」
「飛んできてくれるどころか、怒って二度と会ってくれなくなるよ!」
「ああん!?不吉なこと言うんじゃねぇーよ!そんなことあるわけないだろ!」

優羽に会いたい。優羽に触れたい。そんな欲求が極限に達して、ジヨンはまともな思考力をなくしているようだ。

ワールドツアーが始まってからずっと、我慢の多い日々が続いていたのは知っていたが、ここまでとは思わなかった。

欲求を満たすことに重きを置きすぎて、大切なことを見失ってしまっている。

「いいじゃーん。焼き餅妬かせる序でにさ、お互いたまってるものをすっきりさせようぜ?な?」
「なっ!それ、本格的にちょっと怒られるだけじゃすまなくなるやつじゃん!俺、やだよぉー!」

とんでもない誘いに、スンリは絶叫する。

「別にいいじゃん、ちょっとくらい。減るもんじゃないし」
「減る!絶対減る!そもそも何で俺なの?そんなに浮気したいなら、女の子とすればいいじゃん!」
「やだよ。女となんかやったらユウに嫌われる」
「俺が相手でも嫌われるよ!」

スンリはジヨンから逃れようと必死だった。ジヨンもまたスンリを捕らえようと必死だった。

だから、二人とも気付いていなかった。

BIGBANGのメンバーと、スタッフや関係者しか泊まっていないはずのこのフロアに、エレベーターが停止したことに。



「二人とも、随分と楽しそうね」

冷たく響いたハングルにドキッとして、スンリが振り返ると、たった今、このフロアに到着したばかりのエレベーターの前に、氷のような目をした優羽が立っていた。その後ろには、真っ青な顔をした美緒も立っている。

スンリは、青ざめた恋人の顔を見て、自分もきっとあんな顔をしているんだろうなと思った。今、スンリと美緒の気持ちは、きっと重なっている。

不味い。この状況は非常に不味い。



しかし、恋に浮かれ、愛に焦らされた男には、やはり、まともな判断能力が残っていないようだった。

「ユウだぁ!」

優羽の姿を見たジヨンは、ぱあっと顔を輝かせた。優羽がどんな状態かなんて関係ない。今のジヨンには、優羽に会えた喜びだけが全てのようだ。

「ユウぅ~♪」
「ちょっ!ジヨンヒョン!」

優羽に向かって、腕を広げて駆け寄ったジヨンをスンリは慌てて止めた。

しかし、時既に遅し。


スンリが声を発したその瞬間、ジヨンの顔には、優羽が力一杯降り下ろしたハンドバッグが、クリーンヒットしていたのだった。








続く




画像拝借致しましたm(__)m