電車男
監督:村上正典 脚本:金子ありさ
出演:山田孝之 中谷美紀 国仲涼子 瑛太 佐々木蔵之介 木村多江 岡田義典
流行に乗った度 120点 コネタ度 85点
★★★★★★☆☆☆☆
ストーリー
アキバ系オタク、彼女がいない歴22年。
電車で酔っ払いに絡まれている美女を助けたことから全てが始まった。
彼女との顛末をネットの掲示板に相談した彼、通称電車男と助けられた美女エルメスの恋は実るのか。
2ちゃんねる発のベストセラー「電車男」の映画化。
DVD発売記念ということで、「電車男」です。
さて、本作品。クランクインから公開日まで2ヶ月ほどだったそうで、「流行ってるときにやっちまえ!」という映画会社の鼻息が感じられるスピード作品ですね。
そんな背景がありながら、映画自体、思ったほど「やっつけ仕事」ではありませんでした。
小作品ながら、そこそこの出来。
が!しかし!こんなにも大ヒットしてしまう作品というのは、映画会社がこういう作品ばっかつくりだしそうでちょっとだけ怖い気もしないわけでは・・・ない・・・ような。
ともすれば、目をそらしたくなるようなオタクを山田孝之がまさに好演。
自分の楽しみだけを大切に、自分と同じ人たちとしかつきあってこなかったオタク。
傷つくのを一番恐れていた彼が、悩み傷つく場所へ、自らの殻を破って出て行くさまは、ある種のサクセスストーリーのようで、爽快感はすばらしいものでした。
この作品に嫌悪感を持つかどうかは、自分の生活にネットが必要かどうかかにもよる気がします。
私は、自分自身が、ネットの住人とまではいかないけれど、ネットから情報を得てネットで発信していく生活を送っており、ネットでのコミュニケーションにそれほど違和感あらず。
犯罪で原悪のようにとりあげられたりする「ネットでのコミュニケーション」だけに、これだけさらっと明るくできるというのは正直、ちょっといいな、と思ってしまいました。
笑って、最後は恥ずかしながらもポロっときてしまい、非常に楽しめました。
気になる点、2つを除けば。
一つ目。エルメス、ちょっとできすぎじゃね~?ということ。
オタクと付き合う事に対して偏見なさすぎるし、まず、もう、全てにおいて女神のよう。人徳者すぎて、ここだけリアリティがないように感じてしまって。
人間くささを感じられるとよかったです。
そして、もう一つ。
エンドロールの後の、ドラマ版電車男に繋がるエピローグ。
あれ、いらなくない?
確かに、映画が公開されている時は、7月から始まる新ドラマへの布石として、これ以上ない話題性だったかもしれない。
けれども、映画、というものは、その後も形を変えて何十年も残るものであってほしいという私の観念からはちょっとずれてしまって。
なんだか少し残念だったのです。
とにかくこの映画中では、ネットの住人のあの3人組のツボでした。「木更津キャッツアイ」以降、岡田くんは本当にサブカル作品での評価高し。
なんとなく、カメオとして森高人形持った宅八郎が出るような気がしたんだけど、やっぱ出ませんでしたね。
あと、オレンジレンジの主題歌は今年最高の映画のテーマソングだと。