前回のブログで、同年代の専業の非常勤講師の方から話しかけられた件を書いた。
今回は、ここの深堀をやっていきたいと思う。ここでは仮の名前として“Aさん“としたい。
 
ちなみに、自分は結構早めに非常勤講師控室にいたので、コーヒーでも飲みながらじっくり話をしてみたので詳しく記載してみる。
 
Aさんは30代半ばであり、4年生大学の私大を卒業したのち、国立大学の大学院に進んだとのこと。
文系で、専門は文学系(特定はされないだろうが、一応濁す)の研究をされたとのことである。
大学院卒業後は、就職も考えたそうであるが、リーマンショック後で不況もあったことと、当時はまだ文系で大学院卒は、就活で不利になることもあったといい、
少し受けたが、研究者としての道を進むことに決めたそうだ。
そこで、アルバイトをしながら、博士課程に進んだそうだが、博士課程を取得するのに、4年かかり頑張って取得したとのこと。
 
しかしながら、ここからが大変で、大学というのは、ポストが空かなければ、ずっと待機する必要があり、
助手→講師→準教授→教授という流れでステップアップしていくものであるということである。
大学+大学院=10年かかることを考えると、ストレートでいったとしても、30近くになっている。
そこで、大学では助手をしながら、30半ばになった今でも、専任の大学のポジションは得られないということだった・・・。
特にAさんの研究領域は、ニッチな分野でもあり、良いポストがあったとしても熾烈な争いになるとのことだ。
これまでに3ケタを越える専任講師への応募をし続けているというから驚きである。(講師経験等も考慮されるとのことで、非常勤講師を継続することは経歴上重要とのこと)
 
しかし助手をやるだけでは生活できないということで、非常勤講師のかけもちを4校、週6コマでおこなっているとのことだ。
単純計算で、6コマ×月4週×12カ月×11,000円=年収300万円ちょっとである。
 
4年制大学での私大も、大学院も超有名大学であったため、企業に就職するという選択をしても充分能力を発揮できた方ではないだろうか。。
さらに、Aさんには奨学金返済もあるそうで、自分と同じく独身であるが、生活は苦しいそうだ。
中々アカデミックな世界も大変な状況であることを思い知った控え室での会話であった・・・。
 
Aさんから、最後に、「ハイジさんのように今は社会人の実務家も、応募してくるからさらに倍率が大変」ということも聞いたので耳が痛かったが(笑)