ヤクザと憲法


邦画が特に素晴らしかった昨年を振り返る上で

個人的なランキングに関わらず観ておきたい作品であり、予告の時点でこれは恐らく観るべきだろうという感覚が一番強かった作品の一つ。

こういった企画を打ち出した東海テレビにも興味が沸いたし、もちろん西成にも、そしてフィクションでないがゆえに滲み出る、何処か寂しく、時に少し貧しく、でも説明できないけど、めちゃくちゃカッコイイと感じさせる絵面的説得力は本物だからこそなのでしょう。

人間は笑うし、人間は食べるし、人間は泣く。
当たり前の事なだけに、淡々と過ぎていく当たり前を少し立ち止まって考える機会になるかもしれない。

映画って語りたい作品と、あまり語りたくない作品があると思うんですけど、これは後者ですね。


そしてアイアムアヒーロー




これはヤクザと憲法とは逆で、観るまで全くノーマークでした。

広告のポップなデザインから想像していたのと違って本当に衝撃的でした。

いやマジで怖い!
予想の50倍は怖い。そして早い!

で、まず早くもなんですが、今作で僕的なベストアクトは片瀬那奈さんでした。

前から結構汚れる事に躊躇のない女優さんだなあと思っていたのですが、

今作で恐らく一番最初に誰もが「うわ。こわっ」となるシーン。僕としては一番最初の恐怖かつ、今作で一番怖かったです。

2回目の鑑賞とかビビり過ぎて「はい、せーの」ってリズム取ってました。

大泉洋さんのあの役とはあんまり関係なく何故かちょっとウケる佇まいとか素晴らしいですし(多分すげー良い人なんだろうなっていう)、そこで良い具合に緊張感を緩めてくれるから、凄く気持ちよく観れます。

早いってのはそういう意味と、あとタクシーのシーンから体感速度が落ちない。

ちなみに前に書いたヒメアノ〜ルという映画では(個人的に超傑作)、ムロツヨシさんが今回の大泉洋さんとは逆の意味でちょっとウケるんだけどそれと同時に付き纏う不吉さの持続。っていう演じかたをしていたのは印象的でした。

やっぱり役者さんで作品の引力というか持久力とかも変わるんですかね。凄い職業だ。

有村架純さんは初見では「可愛いからこそもうちょい汚れて欲しいなー」と思いましたが、2回目からは、いや、このバランスだから良いっぽい。と。まあ、とにかく本当に可愛らしいですね。
可愛さ=猫ばりに正義。

これはカップルにもオススメです。
まだ書きたい作品沢山あるので時間あるときにまたー。