峰
やっとの思いで初めて行った廃村が峰でした。
廃村について知ったのは数年前。
棄てられた村。地図に載ってない村。
まさかこんなところに一緒に行ってくれる人はいないだろうと思って数年、
同行してくれるという親切なお友達に付き合ってもらい ようやく憧れの廃村を目指します。
遠足気分の私たち。
地図に乗ってないので行った方のレポートを印刷して持っていきました。
駅に着いたらこっちに歩く、とかこの看板ではあっち、とかこういう道に出たらまっすぐ、とか。
1度道に迷いましたが 途中までは普通の登山道を行くので明るく、足場の安定した道が続きます。
木が生い茂ってる中を歩くのでマイナスイオンたっぷりでとても気持ちがいいです。
登り始めて5分、汗が出てきます。息がきれてきます。
基本的に運動はできないので体力的にはきつかったのですが、
やっと見たいものが見れるということでハイテンションのまま進んでいきました。
その後ろで死にそうになっているお友達。
休憩をたくさんとりながら進みました。
峰までは1時間ほどで着くらしいのですが…もう1時間半は歩いてるのにどこまでも山道が続くだけです。
途中で「大根山ノ神」という祠と、開けたところに出るはずなんですが、
いっこうにそんな気配はありません。
体力的に限界になりつつあったので、そのまま道でお昼にしました。
本当にたどり着けるのか…道が違ってるのかも…と不安になりつつも進みます。
しかしお昼を食べた場所から少し行くと、次の目印である看板に到着。
すぐに「大根山ノ神」発見、開けたところに到着。
上り始めて1時間半以上、ようやく先が見えてきました。
ここで一般の登山道をそれます。
すぐに次の目標である看板に到着し順調…と思いきや、分かれ道です。
行った方の情報では足元に腐って倒れた看板があり、そこに峰への方向が示されているようなのですが、
足元を見ても倒れた看板は発見できず。
勘で上に上がる道を選択しました。
ゆるやかな上り坂ですが、ここからは暗く足場が悪いうえに人1人がやっと通れるような獣道です。
周りの景色にきょろきょろしながら歩いていると 足をふみはずして大変なことになります。
ここからは15分ぐらいで着くそうなんですが、またしても着きません。
もうずいぶん歩いている気がします。
しばらくすると湧き水を発見。
とりあえず湧き水を飲んで、先を見てみます。
こんなに歩いても着かないのはおかしい、ということで引き返して下の道を行くことにしました。
引き返す途中、黄色いふわふわした花がありました。
分かれ道に戻り、下の道に数歩進んでみると…なんとありました。看板。
上の道と同様、足場の悪い獣道はだんだん細くなり、道とも呼べないようなところを歩いていきます。
途中倒れた木や土砂でわずかな道さえ塞がれていたりと、前半よりもずっと大変でした。
それでもこの鬱蒼として木しか見えないこの景色に感動ながら進んでいきました。
森の中にぽつりと出てきたコケだらけの1つの墓石。続いて枯れ井戸らしきものを発見。
村が近い印です。
それから少し歩くと石垣がいくつも残っているところに到着しました。
辺りにはすごい量のビンや陶器のお茶碗や入れ物が散乱していました。
上のほうにはいくつかのお墓が固まってありました。
さらに歩くと建物をくずした跡のようなものがあり、廃材がきれいにまとめてありました。
しかし辺りを見回しても家は見当たりませんでした。
もう全部なくなってしまったのかな?
さらに夢中になって歩き回りました。
いつのまにかさっきの廃材にたどり着きました。
ただ、さっきは廃材がきれいにまとめてあったのに、今いるところはぐちゃぐちゃに散乱していたんです。
ふと辺りを見回してみると、下のほうに崩れた家のようなものと、まったく崩れていない家のようなもの、
2つの建物が見えました。
よく見たはずなのに、どうしてさっき気づかなかったんだろう?
この時点でもう方角がわからなくなっていたのかもしれません。
行ってみると 1つは「日天神社」と書いてあり、管理されているらしく比較的きれいな状態でした。
もう1つは倒壊した家。
2階建てだったようで、2階部分はかろうじて形をとどめている状態でした。
周りには自転車や枯れ井戸のようなもの、ヘルメット、古いでデザインの空き缶などが落ちていました。
中は暗く あまり確認できませんでしたが、いろいろなものが散乱していました。
その家の中で見つけたものは、新聞、それからラジオがどうのこうのと書かれた本の数ページです。
新聞に記された日付は昭和43年9月1日。
さらに家の周りには長い針がとれてしまった時計、ミシンか農業の道具か…わかりませんがいろいろ落ちてました。
そしてこんなものまで。
そろそろ戻ろう、ということになったのですが、最初歩いてきた道や石垣、お墓が全くわかりません。
歩いてきたように、そのまま引き返せば戻れたはずなんですが、
方角的にはこっちかな?というてきとうな勘で歩き初めてしまったんです。
少し歩くと、今度は別の家が。
こちらは全壊していました。
最初に家を見つけたとき下におりてきたから どこかで上に上がらなくちゃいけない。
しかし上に上がるにも道がありません。
とりあえず方角的にはもと来たところに向かって歩いているつもりでした。
いくら歩いても上に上がる道がないどころか、来る途中にぽつりとあった墓石や枯れ井戸も見えません。
とにかく上に上がらなくてはと思い、全く道でないところを登ってみました。
必ず歩いてきた道に出るはずだろうと思って。
急だし、足場は悪すぎるし、とにかく木にしがみつきながら必死になって登りました。
いくら登っても道らしきものは見えません。
このままじゃ遭難しそうだったので、とりあえず下の道に戻ります。
実はそうたいした距離は登っていませんでした。
歩いてきた通りに全て引き返しました。もう必死でした。
なんとか最初歩いてきた道に戻っくることができ、少しすると1つの墓石と枯れ井戸の横を通りました。
へとへとになりながらも「大根山ノ神」と開けたところに出ました。
ここまでくれば大丈夫です。
無事に山を下り、町に出たときは妙に安心。
が、こんなところで遭難しかけるなんて…今思うとめちゃくちゃでした。
峰は大好きな廃村なので、いつか再訪したいです。
探索日 2010年4月1日










