朝方の快い眠りが、夜明けとともにかん高い鳥のなき声によって破られる。


周りでは牛がないている。


山の畑に向かう近所のお婆さんの姿が見える。


やがてコトコトと階段を下りてゆく妻の足音が聞こえる。


すぐに「サッちゃん起きなさい」「ジュンちゃん何してるの」というかん高い声に続いて、お定まりの朝の家庭内ラッシュが始まる。


それも7時15分までだ。


子供たちは、真新しい制服を、どうにか体にぶら下げるようにして走って出てゆく。