県庁所在地に引っ越して良かったこと、一番最初に挙げられるのは、「文化が近い」ということでしょうか。
カフェやイベントにも行きやすいし、なにより映画館がたくさんあるので気になる映画を気軽に観に行けるのがありがたいです。


映画『1917』と、『T-34』を同日に、連続して観てきました。

1917は第一次世界大戦、西部戦線でのとあるイギリス兵のミッションを描いた作品。
T-34は戦車の名前。第二次世界大戦、ドイツ兵の捕虜になったソ連の戦車兵たちが、戦車で収容所から脱出を図る物語。

それぞれの感想を述べていきます。
ネタバレガンガンしていくので、未視聴の方はお気をつけください!!


【1917】
攻撃中止の命令を最前線の部隊に届ける2人のイギリス兵の物語。
長回しで構成されているので、息が抜けない。すごい緊張感。

●塹壕、鉄条網、戦車、複葉機
これが観たかったんですよ………

塹壕の深さは2〜3メートルくらい、土嚢を積んで、土留めをして、通路は2人がやっとすれ違えるくらいの狭さ、クランクがたくさん掛かって見通しを悪くしている。
毒ガスが出てきたら嫌だな、と思っていたのですが、「毒ガス注意」みたいな看板があるだけで、その被害は描かれていませんでした。
塹壕の中にわんちゃんがいましたが、匂いに警戒するためなのかなぁ…?

鉄条網は軽量かつコンパクトに収納できるので持ち運びが楽、解いていくだけで設置ができるので専門技術も要らない、スカスカな構造なので爆風を受けても破壊しづらい…
そして、一度引っ掛かると外すのが大変。動けなくなったところを狙われる。
いやあ本当に怖い。

鉄条網の間に、馬が斃れていました
荷運びのお馬さんだったのかな…
『戦火の馬』視聴済みなので「ああ…これは逃げ切れなかった世界線の馬…」と悲しくなりました…

砲撃でできた大穴に擱座した?菱形戦車が打ち捨てられていました。マーク1戦車ってやつかな?

複葉機も出てきました。
航空機あんまり詳しくないので機体の判別まではできなかった…

●衛生面
有刺鉄線に手を引っ掛けて負傷する、ぬかるんだ地面を延々と歩き続ける…
戦場でこんなこと言っててもしょうがないのかもしれませんが、破傷風とか塹壕足とかになったらどうしよう…とめちゃめちゃ怖かった…
でも戦場ってこうなんだよなぁ…戦争だもんなぁ…

●主人公
家族思いで熱血で、勲章のほうがワインよりも上等だと思っているブレイク。
ブレイクより年上で、ソンムの戦いを生き残り、勲章よりワインを選ぶスコフィールド。巻き込まれ体質。

ブレイクが勲章を上等だと思っているのは、授与されれば家族が喜んでくれるだろう、という思考で、彼はとても性善説の人間。優しい。
そこ!そこなんだよ!!!
「あっ!?こっちなんだ!?」って思った

●家
帰りたい場所、安らげる場所であるはずの家。
そこで悲劇が起こるのは、とんでもない皮肉…
置き去りにされた人形。荒れた家屋、切られたチェリーの木。
この場所での一連のシーン観てからずっと、「もう…みんな帰ろう…家に帰ろう…」と心の中で呟いてました…

●見ず知らずの赤ちゃんを世話する女性
これも「家」の寓意のひとつ…
ここに留まって安らぎを得る選択肢もあったはず。

●花びら
命からがら逃げるスコフィールドと、川面に降り注ぐ白い花びら
あれはチェリーだったのかな…
この花びらで、「伝令を届けなければ=まだ死ねない」と決意を新たにしたようでしたね…
綺麗な花びら…でも戦場なんですよね…死がすぐ隣にある…

●アンスコさんとベネさん
来ましたッ
ブレイクとスコフィールドの出立を祝福してくれたレスリー中尉(アンドリュー・スコット氏)
レスリー中尉、なんか気だるげでやる気なさそうなんだけど、部下を名指しで叱ったりしてて、たぶん良い人…
大勢いる部下の名前と顔、全員覚えてそう

ブレイクとスコフィールドは、最前線にいる部隊へ出撃中止の伝令を届けるために走る。
その最前線の指揮官がマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ氏)
最前線にいるけどめちゃめちゃ綺麗…美声…
その都度内容が180度変わる上層部からの命令にウンザリしているご様子のツンツンベネさん…美…
ベネさんの口から「F●ckoff!」って聞けてちょっと嬉しかった
あれ?幻聴かな?言ったよね?

アンスコさんとベネさんといえば!!!!!!
英国 BBCのドラマ!!!!!!!
SHERLOCK!!!!!!!!
シャーロック・ホームズ役をベネさん
宿敵モリアーティ役をアンスコさんが演じていました!!!!!!!
SHERLOCKについての詳細はこのブログに過去記事があるのでそちらをご参照ください
例の何かに取り憑かれたように書いたやつです

●家に帰ろう
物語は主人公が任務を達成する所までしか描いていないので、彼らがその後どうなったかは分かりません。
みんなが無事に家に帰れたと思いたい。

スプラッタ映画は大好きだけど戦争映画は苦手、と仰るお友達がおりまして
苦手な理由が
「画面の端、映っていない所で人がたくさん死んでそうでそれを想像するとつらい」とのこと
すごく心優しい方なのです
この映画はたぶん大の苦手だと思います


【T-34】
第二次大戦の独ソ戦。
優れたリーダーシップと、とんでもない射撃の腕をもつ機甲学校出身のイヴシュキンは、ドイツ軍のイェーガー大佐と一騎打ちの末に捕縛され、収容所へ送られる。
そこでソ連軍の戦車兵を集め、ドイツ軍の戦車部隊と演習をするよう命じられる。
イヴシュキンは最新型のソ連戦車を充てがわれたことで、収容所からの脱出を図る。

こちらはもう、ザ・エンターテイメント!!!!!って感じです。時代背景とかよく知らなくてもめちゃめちゃ楽しめます。

●おっさんずundパンツァー劇場版
ガルパンを履修していて良かった…
説明がなくても何となくわかる。
戦車を動かすには戦車長、操縦手、砲手、(他の人が兼任することもあるが)装填手が必要。
榴弾と徹甲弾…徹甲弾すごいな!?
傾斜装甲で砲弾を弾く…正面は装甲が堅いので抜けない…

分かりやすく言うなら、ノンナさんの砲撃の腕前とダージリン様の抜け目のなさとケイさんの大らかさと西住殿の指揮能力を併せ持った戦車長(兼 砲手)が、ミッコちゃんの操縦する戦車に乗ってる感じ…?

●爆音の「白鳥の湖」、ダンスする戦車
バレエっつったらチャイコフスキーですよ!!ロシアだもの!!!
この映画に出てくる戦車、T-34は実物だそうで…
こんなに小回りが利くとは…
あと、走るの案外速い…

●森に鳴り響くパンツァーリート
めっちゃ聞いたことある〜〜〜(ガルパンで)

●ニコライとクラウス
ニコライ・イヴシュキンと、クラウス・イェーガー大佐
「ニコライ」と「クラウス」は、どちらも「ニコラウス」という名前が語源

凄腕の戦車乗りに出会えたことにワクワクしてるイェーガー大佐…
ツンツンしてたイヴシュキンが、ファーストネームを教えてくれたことに嬉しくなっちゃうイェーガー大佐…
お互いの名前が同源であることにキャッキャしちゃうイェーガー大佐…

あれぇ…?イェーガー大佐…かわいいぞ…?

でもイヴシュキンは言葉通じないのをいいことに、「内臓がちぎれろ」とか にこやかに言っちゃうんですよね…
通訳の美人さんをガン見してイェーガー大佐の話を全く聞いてないイヴシュキン…
も〜〜!大佐、あなたと話せてウキウキしてるんだから、ちゃんと聞いてあげなよイヴシュキン…
イェーガー大佐…かわいそう…かわいい…

イヴシュキンたちの脱走を許してしまった失態で罰せられるより、自分が認めた相手と再度一騎打ちできたのだから、イェーガー大佐にとっては満足だったかな…

●命知らずのヴォルチョク
絶対死んだと思った…
彼個人の戦闘力の高さ、もともと狩猟を生業としていたのかな?元気そうでよかった…

●イオノフ
信仰に厚い人なんだな…と思ったら、ラスト…
そんなお仕事をしてたのか…!!髪伸びたらイケメンだね!?!!?
「略奪はダメだよ」という彼の優しさ…

●ステパン
みんな大好きステパン。ミッコちゃん(ミッコちゃんではない)
操縦がすごい。
お前…家に帰れて良かったなあ!!!良かったなあ!!!!!幸せに暮らせよ!!!!!!!!!!

●個人的にアツかったシーン
冒頭、装甲なんてない炊事用車両でドイツ戦車の砲撃を躱すやつ
スカスカだからできる技。

射撃の際にその都度停車
やっぱり行進間射撃は当たりにくいんだ…

砲塔どっちが回るの速いかな対決

「アーネンエルベ」という単語

ガソスタに給油しにくる戦車

彼らが乗ってたT-34、車体にいっぱい文字が書いてあるんですが、ロシア語なので読めないんですよね…
円盤出たら一時停止して確認したい


イヴシュキンと通訳の女性が、フェンス越しにロシア語で秘密の会話をするシーン
後ろにいるドイツ兵はロシア語がわからないから、ドイツ軍の秘密について話してても分からないんですよね

言葉(音の波)はフェンスや鉄条網を越えて相手に届くけど
言葉は「言語の壁」は越えられないんだな、とふと思ったりしました

もっと友達になれたかもしれなかったね…
イェーガー大佐、ふつうにいい奴だと思うもん…


こんな感じで第一次世界大戦から第二次世界大戦を浴びてきました。
どちらもとても良い作品でした!!!!!観てよかった!!!!!!