きのうの記事の続き。
アイスダンス、ベルビン&アゴスト組の元コーチにして、ヴァーチュー&モイア組、デイビス&ホワイト組の現コーチ、シュピルパンド&ズエワチームのインタビューの日本語書き取り。本日はズエワコーチのコメント部分を書き取ってみました。
元記事、有志翻訳へのリンクは、昨日の日記をご覧くださいね!
そんでは、今日も行ってみましょう。
【マリナ・ズエワ氏インタビュー その1:
わたしの子どもたち】
インタビュアー:
ドムニナ&シャバリン組が欠場し、ベルビン&アゴスト組は、イエテボリワールドでは事実上チャンピオンと目されていたと思います。ベルビン選手のコンパルソリでの転倒は、そのような状況と関係があったのでしょうか。
ズエワ氏:
ドムニナ&シャバリン組の欠場が、勝負を簡単にしたとは、わたしは思っていません。
大会には、フランスチーム(デロベル&ショーンフェルダー組)やカナダチーム(ヴァーチュー&モイア組)も出場していたわけですし。
これは申し上げておきたいのですが、タニスとベンは、コンパルソリーについて、100パーセントの準備をしてきていました。彼らにはまったき自信があったはずです。しかし彼らは、プログラムの終盤に、おそらく、一瞬集中力を失いました。
インタビュアー:
転倒のあと、あなたはなにをしましたか?
同情して慰めたのか、それとも、事態の原因を探ろうとしたのか……
ズエワ氏:
すべてをやりました。
もちろん、世界選手権のはじめから、文字通りつまづき、勝機を見失う、などという状況は、簡単なものではありません。
しかし、誰もヒステリックにはなりませんでした。
今回、ベルビンとアゴストは、ふたりとも大きな成長をしたと思います。自分たちが、あれほど厳しい状況下でも、諦めず、攻めて戦い続けることができるのだと、まわりにも自分自身にも証明することができたんですから。
わたしは選手たちに、よくこう言っているんです。
「どうしてもミスは起きるわ。それは悲劇ではありません」
インタビュアー:
教え子の選手たちについてあなたと話をするたび、わたしには、彼らがあなたの実の子どもであるように感じずにはいられません。
多くの「子どもたち」が同じメダルを望んでいるとき、あなたはなにを感じているのですか。
ズエワ氏:
ほんとうに、彼らはわたしには子どものようなもの。全員を愛して、大切にしています。
それでわたしは感じるのだけれども、たった1組の大切なチームを大事に抱えているときのほうが、たくさんの教え子を抱えているときよりも、多くの間違いをしでかすものではないかしら。
それに、身近にライバルがいる場合、選手たちはお互いからとても多くを学びあいます。
インタビュアー:
あなたの3つのチームのうち、どのチームがもっとも負けず嫌いですか。
ズエワ氏:
アスリートはたいがい負けず嫌いですよ。アイスダンスの場合、ふたりとも、ってことはなくても、どちらか一方は必ず。あえて誰がとは名前を挙げたくありませんけれども。
インタビュアー:
負けず嫌いどうしを組み合わせて、パートナーチェンジをしてみるのはいかがでしょう。
ズエワ氏:
パートナーチェンジは、わたしたちが決してさせないことのひとつね。
わたしたちの教え子たち、各チームは、それぞれが非常に個性的です。3組とも、10年ものあいだ組んで滑っているのよ。みんな、いま現在のパートナーのほかの誰かと組もうとはしないでしょう。
インタビュアー:
カナダとアメリカのスケート連盟は、あなたにどのようなサポートを与えているでしょうか。
ズエワ氏:
育成資金の援助をしてくれています。でも、全体でいくらいただいているか、とか、わたしにはよくわからないの。
イゴール(シュピルパンドコーチ)は、数回、アメリカの年間最優秀コーチとして表彰を受けました。カナダでは、表彰されたことはないわね。でも、両国の連盟とも、わたしたちを尊重してくれています。ありがたいことだと思います。
はい、今日はここまでです。お疲れさまでした。
ズエワさんは、中野友加里選手の振付師としても日本ではおなじみかな。昨年の小塚崇彦選手のショパンの振付もズエワさんでした。
ズエワさんといえば、たしか、去年のカッティング・エッジだったと思うけど「このプログラムはショパンの恋をイメージしているのよ」と、ズエワさんに言われた小塚選手が「恋かあ。自分にはいまちょっと縁遠いなあ」みたいに戸惑っていたら、ズエワさんが俄然盛り上がって、「タカヒコはエリックに出るのよね! わたしもエリックには行くから、リンクサイドに立っていてあげましょう。わたしを思って、わたしに捧げるつもりで滑ればいいわよ!(大意)」と言ったという(ははは)、面白エピソードを思い出してしまいます。
ショパンの恋人というと、ジョルジュ・サンドが有名ですよね。
サンドといえば、男装の麗人ですよね。
男装してくれるつもりだったのかしら…(ありえない)。
史上最強ペアとして名高い、オリンピック2冠のゴルデーワ&グリンコフ組を育て上げ、ベルビン&アゴスト組やヴァーチュー&モイア組を、目を見張るような猛スピードで世界トップレベルまで押し上げた……という、誰もがひれ伏すような経歴をそなえながら、非常に気さくなズエワさん。カナダの男子イケメンシングルスケーター、フェドール・アンドレーエフ選手の母上でもあるんですよね。
シュピルパンドさんもなのですが、ズエワさんも旧ソヴィエト出身のせいか、インタビュアーが非常な身内意識を持っているな、というのが、今回書き取った部分を一読した印象。「ドムニナ&シャバリン組が欠場したから、ベルビン&アゴスト組は優勝できたかもしれなかったのに」というのは、たしかに今季の実績ではドムシャバにベルアゴ、負けてますけど、去年までの実績ではぶっちぎりで勝ってましたんで、ちょっと失礼な質問だなあと思いました。だいたいデロションを忘れたらいかんだろ。
「大切なたった1組を抱えているほうが、間違いやすい」というのは、ゴルデーワ&グリンコフ組という「ひとりっこ」を大切に育て上げた経験のあるズエワさんの実感なのかな、と、ちょっと思いました。
当時のソ連で、国中期待の「大切なひとりっこ」を育てるのって、コーチもきっとプレッシャーがハンパなかったでしょうね。
CDでの転倒というミスで勝機を逃したベルアゴにたいして、アメリカのマスメディアが優しかったとは思いません。本人たちも、さぞ苦しかっただろうと思います。その中で、歯を食いしばって、でもアイスダンスだから、笑顔は忘れずに、滑りきった。FDが終わったあと、タニスもベンも非常に満足そうに微笑んでいたんだけど、あの表情には、ふたりのプライドが感じられました。
来季から、コーチを移ってしまうベルビン&アゴスト組ですが、インタビューを受けたときは、コーチ変更の予感はあったのかな。
アイスダンスでの活躍が目立つズエワさんですが、中野友加里選手の振付とか、灰原、好きなので、もっとシングルやペアの振付でも、今後、また活躍してくれるとうれしいなあ、と思いました。
明日はまた、シュピルパンド先生のコメントを書き取りします。
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