『Golden Skate』に、高橋大輔選手の新しいarticleが出ていたのですね! こちら→ http://www.goldenskate.com/articles/2007/033008.shtml
Golden Skateは、世界中のフィギュアスケートの話題を取り扱ってはくれますけど、やっぱり北米の話題がメインのサイトで、ヨーロッパの選手でも、かなりの人気選手でないと取り上げてはもらえないかんじ。その中で、単独で特集記事が設けられるというのは、北米圏でも高橋選手の人気が広がってきた証拠のようで、うれしいです。
ニコライ・モロゾフコーチの「高橋選手を世界のどこでも有名にしたい」って野望、少しずつ、実現していってるみたい?
本日は、この記事の前半部分を、日本語にしてみたいと思います。
いつもの言い訳です。灰原には英語力はありません。これからお目にかける文章は、英語の原文を機械翻訳にかけたものを、日本語らしくととのえただけのもので、読み取り間違いはありえます。わからない箇所など、飛ばしている場合もありますので、よろしければ、ぜひ、原文をお読みいただけるとうれしいです。
それでは、本文にお進みください。
【Golden Skate:高橋大輔選手article その1】
~高橋選手は変化を愛する~
彼にとっては期待はずれだったかもしれませんが、日本の高橋大輔選手は、すばらしく成功したこのシーズンを、イエテボリ世界選手権、第4位という成績で締めくくりました。
高橋選手は、2月の四大陸選手権で優勝したあと、イエテボリワールドの優勝最右翼とみなされるようになりました。今シーズン、グランプリファイナル銀メダリストは、264.11点という得点をたたき出し、エフゲニー・プルシェンコ選手がトリノ五輪で出した258.33点という、史上最高得点レコードを塗り替えたのです。彼は、SPでもFSでも、見事な演技を見せました。
「僕は、ISU主催競技会で、はじめてクワドを2本降りました」と、高橋選手は言いました。「それは、僕にとって大きな成果です。スピン、ステップ、ジャンプ、すべてが滑らかにできました。僕は氷の上で、気持ちいいと感じました」
観客もジャッジも同様に、彼の、自信に満ちた、素晴らしいクオリティの演技に感動しました。SPの「白鳥の湖ヒップホップバージョン」は、世界中の話題をさらい、大当たりとなりました。この革新的なプログラムは、ほんとうに特別ななにかでした。高橋選手は、体と心のすべてで音楽を感じて、おじけずかずに解釈し、ゆたかに表現しました。氷の上で本当に踊りました。彼は演技において「踊ること」をもっとも愛しているのです。
コーチにして振付師のニコライ・モロゾフ氏が、最初に彼にプランを提示したとき、高橋選手は、すぐにはピンとこなかったといいます。「実のところ僕は、あんまりヒップホップを強制されるから、ヒップホップもニコライも嫌になりました」と、彼は認めました。
彼は、3ヶ月のあいだニューヨークでヒップホップのクラスを受けました。それから、プログラムは彼を虜にしました。観衆も、スケートアメリカの演技で、彼のSPに恋をいました。高橋選手は、自分がコーチの意向への嫌悪を克服したことを喜びました。FS、チャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」は、革新的ではありません。しかし、四大陸のときのようにスケートをしたとき、それは、ダイナミックで強力な演技となります。
世界中の主なライバルが、今季は不調を呈しており、高橋選手の見通しを明るくしていました。フランスのブライアン・ジュベール選手は病気からの回復途上でしたし、スイスのステファン・ランビエール選手は、いつもどおり予測不能です。アメリカのジョニー・ウィアー選手は、GPSでは好調でしたが、ファイナルにいたって息切れしてきたようでした。チェコのトマシュ・ベルネル選手は、頂点でもありえますが、最下位でもありえます。そして、彼がいつも、SPで好調であろうともFSでは調子を崩すので、誰もカナダのジェフリー・バトル選手を信頼しませんでした。アメリカのエヴァン・ライサチェック選手は故障し、世界選手権に出場すらできませんでした。
誰もが知っているように、バトル選手の優勝は、むしろ想定外でした。ジュベール選手は、不完全なSPのあと強いFSを見せ、ウィアー選手は、SP、FSとコンスタントに揃えてきました。ベルネル選手はFSで自滅。そして、ランビエール選手の演技は冴えなかったのです。高橋選手は、競技以前にこのように言っていました。「僕はプレッシャーを感じていません。優勝候補と見られるのは、うれしいです」
高橋選手は、モロゾフコーチと、リンクメイトの安藤美姫選手とともに、土曜日にスウェーデン入りしました。男子の試合は、金曜日に始まりました。ワールド以前に、彼らはオランダで合宿していました。3月16日の日曜日に、高橋選手はスウェーデンで彼の22回目の誕生日を祝いました。けれど、彼は、試合のあとまですべてのパーティを延期して、通常通り練習しました。しかし結果的に、彼は表彰台に届きませんでした。
高橋選手は、3Aにつまずくミスのために、SPでは3位につけました。FSにおいて、彼のはじめの4Tはみなの目を釘付けにしましたが、まもなく第2のクワドに失敗、そして、2番目の3Aにも失敗しました。演技終盤の3Lzに2Tのコンビネーションをプラスしたのが、彼の最悪のミスでした。すでに4Tと3Aを2回ずつ跳んでいて、それらはシークエンス扱いとなり、その後、3F+3Tコンボに成功していたために、2Tのコンビネーションが第4のコンボ・シークエンスとみなされて、無効となったのです。
後知恵でいうならば、高橋選手は、コンビネーションではなく単独のルッツを飛ぶべきだったのです。それなら、銅メダルに届きました。ウィアー選手との点差は、わずか1.73ポイントだったのですから。
「結局、ナーバスになりすぎてたと思います」と、高橋選手は認めました。「もっとよくルールを勉強しなくっちゃ。いちばん残念なのは、コンビネーションの間違いですね。僕は、3Sのあとに2Tをつけていたら、グランプリファイナルで勝てたはずだったんです。それであのとき、もうひとつコンビネーションを入れなきゃ、と思いました」
この場合、それは間違った決定でした。「僕は……ええと……」高橋選手は英語につまりました。彼は手を自分の心臓の上に置いて、日本語に変えて言いました。「僕は、もっと内側から強くなる必要があります」
はい、今日はここまで! お疲れさまでした。
高橋選手について、ずいぶん褒めてあって、ファン的にもとてもうれしいこのarticle、灰原が笑ってしまったのは、記者さんが、イエテボリの有力優勝候補たちについて触れたくだりでした。
ランビエール選手はいつもどおり予測不能! ベルネル選手は、頂点でも最下位でもありえる! まさに!
ほかの選手についても「まさに!」ってかんじの見解。やっぱり、世界的にそう考えられているのね。「いつもどおり」予測不能、に、爆笑してしまいました。しかし、そこが彼の怖さでもあるんですよね。
その、ランビエール選手の予測不能な神演技に敗れたGPFの記憶が、高橋選手に「4度目」のコンビネーションを跳ばせたのか! というのは、灰原、目からウロコでした。
たしかに、わずかな点差で敗れたあの試合、3Sにコンボがついていたら……というような報道がありましたよね……。
バスケとか、テニスとかだと、「じゃあ、ビハインド何点から」みたいなかんじで、試合展開を設定して練習する、負けてる場合の攻め方をあえて練習することが珍しくないんですけど、スケートでは「じゃあ、ディダクション1から」みたいな練習は……フツーしないですよねー。
でも、今後、リスクの大きいチャレンジをするときには、失敗したあとのプログラムのアレンジ方法について、あらかじめ考えておく、多少練習しておく、というのは、アリ、なのかもしれませんね。んー、でも、かえって混乱しちゃうのかな。わかんないな。
というわけで、前半はイエテボリワールドの話題だった高橋大輔選手article。後半では、来季の展望なども語られますので。できたら明日、更新しますね!