世界選手権が間近ということで
「灰原さんの注目選手とか、注目ポイントとか、ブログに書いてよ」
と、桃木先生からリクエストいただきました。
え? 灰原の注目ポイントでいいの? 一般的な注目ポイントとかじゃなくて?
けっこうどーしよーもないところに注目してるんですけど、それでもいいのかなあ。
というわけで、今日から何日か、灰原的注目選手について、種目別に書かせていただきますね。まずは今夜、ペアから。



《ペア競技》
日本代表選手がいないせいで、ちょっと日本では放映などの面でワリを食っている印象のペア競技。ワザの危険度が高く、練習中の負傷が多い(主に女子)のと、パートナーのマッチングが難しいことなどから、近年、チームが減少傾向にあり、若手の台頭がないことが危ぶまれてきました。しかし、先シーズンから今シーズン、新たに脚光を浴びるペアも出てきたりして。おそらく地上波ではそんなに放映はないとは思うんですけどー…、アイスダンスに比べると、観戦初心者にもスゴさがわかりやすい大技が多いですし、ぜひ放映して欲しいなと思います。
灰原自身、ペアのワザはいまいち、ごめんなさい、ちゃんとわかってないんですが、シングルとはけっこうワザが違うので、代表的なエレメンツについて、まず書いてみますね。



●リフト
ペアの代表的な見どころ。男性が頭上高くに腕を伸ばした状態で女性を支える、オーバーヘッドリフトはアイスダンスにはないペアだけのワザ。女性の手を男性の手で支え、ほかの支点で補助しないリフトのことを、ラッソーリフトといいまして、高難度技のひとつです。リフト中に女性のポーズが変わるのもアリ。


●ツイストリフト
男性が女性を投げ上げ、女性が空中で2回転、ないし3回転したところを腰をホールドしてキャッチするワザ。


●スロージャンプ
男性が女性の腰をホールドし、表面に平行に投げる。女性は空中で回転し、着氷する。通常のジャンプと同じく、女性の踏み切りのしかたによって、サルコウ、トゥループなどの種別があり、回転数により難易度が違う。現在の最高難易度は、アメリカのヴィセ&トレント組、ロシアの川口&スミルノフ組の必殺技、スロー4S。


●デススパイラル
男性がシットポジションで円の中心に入り支点となり、女性の腕を支持、回転させる。女性はごくごく低い体勢で、背中を氷面と水平にし、片足のエッジで氷面をとらえる。コンパス状態で、女性のエッジは円を描くことになる。トップ選手のデススパイラルは、女性が男性の足の下から入ったり、女性のポジションがエレメンツ中に変わったりとかなりアクロバティック。女性の足を氷面から離すのは、競技では反則。


●ペアスピン
男性が女性を支持する形で組んで回るスピン。ふたり別々に回るスピンのことを、ソロスピンという。


●サイド・バイ・サイド
これはエレメンツ名ではなくて、正確には状態の呼び方なんですけど。
ソロスピンやソロジャンプのように、男女が離れて、ユニゾンしながら同じ方向のエレメンツを行うことを、サイド・バイ・サイド、といいます。逆方向を行う場合は「ミラー」。



これで正確に合ってるか若干不安ですが(ははははは…)、まあ、だいたいこんなもんということで。それでは、注目選手いってみましょうか。



☆優勝候補ナンバーワンの苦労人ペア:サフチェンコ&ソルコビー組(ドイツ)
昨季ワールド銀メダリスト、サフチェンコ&ソルコビー組は、苦労人ペア。諸事情あって、ドイツスケ連からコーチ変更の勧告をうけますが、「わたしたちはコーチを信じます」と一貫して恩師のもとにとどまりました。一時はドイツスケ連からの資金援助も断たれ窮地に陥りましたが、自力でスポンサーを確保。その後、国内選手権、ヨーロッパ選手権で、有無を言わせぬ戦歴を並べてドイツスケ連をねじふせ、恩師の名誉回復も果たしました。いい弟子ですねー。
チームとしての特徴は、並外れた表現力。ヨーロッパでは「アイスダンサー並み」と評されることもある、華麗な雰囲気が魅力です。女性のサフチェンコ選手は旧ソ連系のウクライナ出身。バレエの基礎がしっかりしているようで、ポージングがとても美しく、リフトやデススパイラル、ペアスピンなどのポジションの美しさは現在世界一じゃないかな。高さがありふわっとした投げ技系も素敵です。


☆モロゾフマジックペアでも炸裂か!?:ボロソジャー&モロゾフ組(ウクライナ)
ニコライ・モロゾフコーチが指導しているウクライナのボロソジャー&モロゾフ組は、昨季ワールド第4位。あとちょっとで表彰台ってとこまできてるんですけど、今季はちょっと不調っぽいですね。頑張って欲しいんですが…。モロゾフプログラムらしい、派手な振付が印象的。モロゾフコーチは、コーチとしては、まだペアの表彰台に絡んだことはないはずなので(振付は、パン&トン組を担当してますが)、彼らの成績しだいでは、全種目でモロゾフマジックありって、世界に知らしめられることになりますね。
男性のスタニスラフ・モロゾフ選手はロシア出身。ウクライナのアリオナ・サフチェンコ選手とコンビを組み、所属をウクライナに移しましたが、その後パートナー解消。サフチェンコ選手はドイツに渡り、ロビン・ソルコビー選手とパートナーに。モロゾフ選手はロシアに戻らず、ウクライナで新たなパートナー、タチアナ・ボロソジャー選手を迎えました。元パートナー対決も見ものです。


☆世界最高難度のスロージャンプ:川口&スミルノフ組(ロシア)
おなじみ川スミ組。ロシアスケ連所属ですが、川口悠子選手の国籍は日本。川口選手は、ヨーロッパ選手権で表彰台に立った初のアジア人女性です。ヨーロッパ選手権では、ついに、世界最高難度のスロー4Sを成功させましたが、ご本人たち的には完璧な出来栄えではなかったようなので、イエテボリの成果に期待したいです。
スロー4Sももちろんなんですが、川スミ組で、灰原が個人的に注目なのは衣装ですね。なんだかものすごくたくさんあつらえたらしく、シーズン通して、SP、FSと衣装が一定していないんです。イエテボリでは、果たして、どの衣装で出てくるのか。あと、川口選手のデススパイラルのポジションがものすごーく低いのにも注目です。灰原は勝手に「地吹雪デススパイラル」と名づけています。


☆このペアのリードは井上が握っています:井上&ボルドウィン組(アメリカ)
先だっての全米選手権で、演技後のプロポーズで話題をまいた井上&ボルドウィン組。男性のジョン・ボルドウィン選手は、とにかく井上怜奈選手を熱愛していて、「スケートの女神」「僕のアイドル」と、口を開くごとに大絶賛で、すごいです。もはや崇拝の領域である。
ロシア所属の川口悠子選手とこちらの井上怜奈選手は、じつは、もともとは同門の先輩後輩。いまはなき新松戸DLLの都築コーチ門下生です。アイスダンスの木戸章之選手も同クラブ出身。新松戸DLLは、ノービス時代の武田奈也選手、水津瑠美選手、無良崇人選手なども育てていて、名門だったんですけどね……リンクがなくなってしまいました。
井上&ボルドウィン組の注目は、大技、スロー3A。ここのとこあんまり成功してないようなんですが、イエテボリでは降りられるといいなあ。ベテランらしく、ユニゾンの利いたソロスピンの美しさも特筆に価します。あとはジョンがソロジャンプの失敗さえしなければ…(ははは)。


☆ペア王国・中国の真のエースはどっちだ:ジャンジャンズvsパン&トン組
絶対的なエース、シェン&ツァオ組休養中の今季。ダイナミックな投げ技が魅力の若手ジャン&ジャン組と、繊細な表現力が魅力のベテラン、パン&トン組は、互いが互いの最高のライバル。他国のチームにも増して、自国に負けられない相手がいるというのは、伸びる要素なのではないでしょうか。
GPSでは、ジャンジャンズ優勢かと思われたのですが、シーズン後半になって、パン&トン組が調子を上げてきています。彼らは世界チャンピオンになったことありますので、点差の少ない勝負になってきたとき、メンタル面で強いかもしれない。一方、ジャンジャンズですが、ワザはすごいけど機械的で情緒がないと、どっかのシェン&ツァオの若いころみたいなことを言われ続けてきたこのペア、女性のダンちゃんの表現力が、今季ずいぶん柔らかくなってきた気がします。
ジャンジャンズの見所はなんといっても投げ技。とくに、ツイストリフトの到達高度は、思わず笑いが洩れるほど、非現実的に高いです。パン&トン組も投げ技は中国らしくダイナミックなんだけど、灰原はこの組はペアスピンが好きですね。すごくしっとりしている。
この2組とサフチェンコ&ソルコビー組がメダル最有力なのは間違いないところ。この3組はせめて地上波で放映してほしいです……。もうSPでもいいんで!



ほかにも、カナダのデュベ&デビソン組、アメリカのキャスティル&オコルスキー組、ロシアのムホルトワ&トランコフ組あたりが有力ペアかなあ。ムホルトワ&トランコフ組は、演技はまだまだこれからかなって感じなんですが、とにかくふたりとも容姿が御伽噺のお姫さまと王子さまみたいに美しいんですよね! いかにも伝統のロシアンペアってかんじ。川口&スミルノフ組との同国のライバル対決も見ものです。もちろん灰原は川スミ組を贔屓しますよ!
そんなあたりが、灰原の注目ペアでした。趣味に走っててすみません。
明日はアイスダンスについて書こうかなっと。




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