フィギュアスケートウェブジン、『アブソルート・スケーティング』に、チェコの虎(こう書くとカッコイイかもしれん)こと、トマシュ・ベルネル選手のロングインタビューが掲載されています。
原文はこちら→ http://www.absoluteskating.com/interviews/2008tomasverner.htm
アブソルート・スケーティングには、オーバースドルフ組がよく登場しますよね。スウェーデン合宿にも密着していたし。あと、なぜかよく、ケヴィン・バン・デル・ペレン選手も登場するのでした。
このベルネル選手のロングインタビュー、率直で、面白いです。本日はこの記事を、日本語にしてみたいと思います。
それではいつもの言い訳。灰原は語学力がなく、これからお目にかける文章は、機械翻訳の文章を整えただけのもので、間違いは大いにありえます。わからないところは想像で補っていたり、記事そのものもダイジェストしたりしていますので、ぜひ、原文もお読みいただけるとうれしいです。
それでは、本文にお進みください。




【Absolute Skating:Verner stirred up a hornet’s nest in Zagreb】
 ~ベルネル選手は、ザグレブで大番狂わせを演じた~



昨年、彼は、ワルシャワのヨーロッパ選手権で、SP首位に立ちました。しかし、フリーは完璧でなく、結局銀メダルに終わりました。
今年、ザグレブのヨーロッパ選手権で、彼は金メダルを獲得しました。お祝いとお祝いの合間に、トマシュ・ベルネル選手:にたいして、私たちは良い話をすることができました。


――前回のワルシャワ大会と、今回のザグレブ大会とには、どんな違いがあったと思われますか?


ベルネル選手:
ワルシャワでの、敗戦の経験から、いろいろ学べた……と言いたいところですが、残念ながら僕は、あの経験からなんにも学び取れていません。前回と今回の最大の違いは、睡眠。ワルシャワでは、SPで首位になったあと、まったく眠らなかったということでした。ザグレブでは、よく眠りました。


――有力選手のなかでの一番滑走でしたが、運が良かったと思っていらっしゃいますか?


ベルネル選手:
ライバルの演技を見ずにすんだので、そこは精神的に良かったと思います。しかし、ライバルたちは僕の演技を見てから、それを超えるためにはなにをしなければならないかっていうのも計算できて出てくるわけですから、戦略的には、まずい滑走順だったともいえると思います。
だけど、いちばん重要なのは、氷の上に出た瞬間に僕が、誰がもう滑って誰が滑っていないとか、まったく気にかけなくなったということだと思います。僕は、自分の演技にだけ集中しました。


――氷の上ではなにを考えましたか。


ベルネル選手:
ちょっとヤバいかなって。最初のジャンプが思ったようにできなかったもんだから。もちろん、それでガッカリしすぎたりしませんでしたけどね。最初から最後まで全力の戦いでした。
ぼくは、ジャンプだけじゃなくて、このプログラムを完璧にしえなかった、たくさんの自分の小さなミスに落胆しています。でも僕は、プルシェンコ選手じゃありませんからね。


――FSを終わって得点を見たとき、まだ自分がチャンピオンになりうると望んでましたか?


ベルネル選手:
うーん、いいえ。僕はランビエール選手とジュベール選手を良く知ってますからね。彼らが勝負師で、たいがい、練習でより試合でうまくやるってこと、よくよく知ってます。ただ結局、今回の試合は、誰にとっても難しいものだったようです。僕にとってだけじゃなく、彼らにとっても。


――ランビエール選手がLPを終えたとき、あなたは最初にどう反応しましたか。


ベルネル選手:
ええと……ちょっと叫びました。


――ジュベール選手の演技が終わったときは?


ベルネル選手:
FSがうまくできなくて僕は、彼らの邪魔をしないようになってたんだけど、むしろ彼らが、そうさせてくれなかったんですよね。
僕は、スクリーンでジュベール選手を見ました。彼は幸せそうじゃありませんでした。それで僕は、自分がヨーロッパチャンピオンになったんだって、ゆっくり理解しました……。


――メダル授与式のまえに、ジュベール選手はあなたの手を握って、あなたを抱きしめました。彼は、なにを言ったんですか?


ベルネル選手:
それはね、僕らにしか、わかんないことです。


――ジュベール選手は、ランビエール選手よりあなたと仲が良いようですね。


ベルネル選手:
おそらく、ランビエール選手のようには、僕をライバル視してないからです。
彼に、僕もライバルなんだってわからせる必要があります。


――表彰台に立ったときの思いを教えてください。


ベルネル選手:
うーん……(長く黙って)、ちょっと言いあらわせませんね。僕はそこに立って、フィギュアスケートの伝説的な選手を見ていました。僕の横の、片方には、昨年度の世界チャンピオン、もう片方には、世界選手権を2回制覇した選手が立っていました。旗が上っていきます。その真ん中には、チェコの旗。
僕はあんなに美しいことを知りません。この世でいちばん美しい瞬間でした。


――どんなお祝いがありましたか?


ベルネル選手:
なんにもパーティとかしてないんですよ。実家に戻ったときにお祝いしようと思ってるんだけど、1週間も戻れないんじゃないかな。練習があるから。僕がザグレブで大番狂わせをしたもんだから、ライバルたちはいままで以上に必死で練習を始めたはずです。僕も同じようにやんなきゃいけません。


――いつから、自分がチャンピオンになれると思っていましたか?


ベルネル選手:
いつチャンピオンになれると思ったかなんてわかんないけど、いつチャンピオンになりたいと思ったかについては、わかってますよ。14歳のときです。


――それから、自分の目標を疑った瞬間はありますか?


ベルネル選手:
足首を骨折したときには、もう難しいのかなって思いましたね。2005年のモスクワワールドで、故障しちゃったんです。SPからFSに進出もできなかった。
まずい状況になったなと思って、それはフィジカルに問題が起きたから。でも僕は、チャンピオンになりたい、と言いました。そしていま、ここに立っています。


――なぜ、ヨーロッパタイトルを獲得できたと思いますか。


ベルネル選手:
この世で最高のコーチとチームを見つけたからです。


――今後のあなたの目標はなんですか? 世界選手権については?


ベルネル選手:
それについては、お話できません。


――いまは、ヨーロッパタイトルを楽しみたいですか。


ベルネル選手:
おんなじことをたくさん聞かれましたよ。たしかにいま、僕はヨーロッパチャンピオンですけど、ワールドでもいい演技をしなきゃいけません。メダルを獲得するか、冴えない成果か、ふたつにひとつです。
この話をするの、あんまり好きじゃありません。僕はザグレブでより、もっといい演技をするためにイエテボリに行きます。そして、ジャッジにすべてを委ねます。たぶん来季、僕は、メダルとタイトルのために滑ることになるでしょう。


――あとどれくらい、金メダルを首にかけておきますか?


ベルネル選手:
そうだな……(大きな笑み)ちょっと考えましょう。たしかに、もうちょっと長いことかけておきたいな。




はい、書き取り終了です。お疲れさまでした。
……うーん、ベルネルくん、いいなあ! 気持ちのいい人だ!
今回、英語を読みながら、不覚にも灰原、2箇所で泣いてしまいました。
一箇所は、表彰台に立ったときの気持ちを聞かれてこたえた


I have no words to describe it. I stood there, and saw the legends of our sport. At one side the reigning world champion, at the other side a two-time world champion. Flags are rising, and in the middle there is the Czech flag. There is nothing more beautiful. This is the most beautiful thing.


ここのところ。
言葉にできない、と、ご本人はおっしゃってますけど、痛いほどそのときのベルネル選手の気持ちが伝わってくる、素晴らしいコメントだと思います。灰原の不正確な英語力と日本語では、とても原文の素敵さを伝えることはできないので、頑張って日本語にはしたんですけど、ここはどーしてもどおーーーーーしても原文読んで欲しい!! いまコピペしただけで、また灰原は泣いています。はい、馬鹿です。
あと、もう一箇所は、この部分のちょっとまえになるんですけど、表彰式のまえに、ジュベール選手になに言われたんですか? と聞かれて「It’s only our business.」と答えるところですね。僕らにしかわかんないこと。ここで面白く語ることも、できたと思うんだけど、ベルネル君はそういうことはしない。いい男ですねー。
ヨーロッパ選手権でのジュベール選手のやつれきった様子を思い出して、ここもなんか泣けてしまいました。ジュベール選手って、年下の選手たちにたいして、妙にお兄ちゃんぽいところがありますね。自分を破ったベルネル君にたいして、「よくやった」と賞賛するあたり、兄ちゃん気質全開です。
ただ、ベルネル君を祝福したのは、チャンピオンとしての矜持からもあるでしょう。ベルネル君もそんなようなことを言っています。「Probably it’s because he doesn’t consider me for such a rival as Lambiel. I will have to make him realize. 」。でも、ファンとしては、願わくば、ライバル認定されたあとも、仲良くしてて欲しいなーと思います。ミシェル・クワン選手とイリーナ・スルツカヤ選手がソルトレイクの表彰式のあと「お互いによくやったじゃない」みたいにふたりでいたところ、ちょっと思い出してしまった。
ヨーロッパ選手権、女子は、カロリーナ・コストネル選手が優勝。ミヒャエル・フースコーチ門下のアベック優勝です。ばかりでなく、女子銀のサラ・マイヤー選手や、男子銀のステファン・ランビエール選手も、オーバースドルフでも練習してます。国籍が違うんでわかりにくいんですけど、最近のヨーロッパスケート界に、オーバースドルフ組、という勢力があるのはたしかなようです。そのうち、地元ドイツからも素晴らしい選手が出るかもしれませんね。
あけっぴろげで率直でありながら、マスコミの質問には一定の距離を置くことができる。15歳からチェコチャンピオンの看板背負ってるからかもしれませんけど、素朴に見えて、ベルネル君には、王者の風格があります。
イエテボリでは、間違いなく、日本の高橋大輔選手の強力なライバルとなるであろう、チェコの虎、トマシュ・ベルネル選手。願わくは、イエテボリで、会心の演技ができますように。総員全力の戦いを希望します! 頑張れ!




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