もうじき全日本選手権ですよ!
いや、まあ、もちろんGPFが終わったあとなんですけど。GPFも楽しみなんですけど。でも今回の全日本には、日本のスケートファン的に大きな意味合いがあるわけで。
だって、全日本選手権から、織田信成選手が競技復帰するんですもの!!
また、あの、リズム感あふれる演技が見られると思うと、うれしい限りです。
織田選手、FSはミッションインポシブル続行ってことでしたけど、SPは作り直しなんですよねー。ウィルソン振り付けではないって噂なんですが、どんなプログラムなんだろう。
少年漫画とかでは、しばらく競技から離れていた選手が競技会に復帰してくると、恐ろしい必殺技を身につけてたりするんですよね。特訓のせいで人相変わってたりとかしてー…。
そこまで考えた瞬間、灰原の脳内で妄想ランプ点滅。織田信成選手復帰が、完璧少年漫画モードだったらどうなるか? 勝手なシナリオが紡ぎだされてしまいました。
灰原の脳内ストーリーを桃木先生にお話してみたところ、先生は大爆笑。「おかしすぎるからそれブログに書きなさいよ」とリクエストをいただきました。
え? 面白い?
そうかな?
織田信成選手ファンのみなさんに怒られそうなんですけど…。
でも、ま、灰原の見た白昼夢ですよってことで、いいか!
「織田信成選手復帰シナリオ/少年漫画モード」を書き綴らせていただきますね。
繰り返し申し上げますが、このシナリオは灰原の妄想。冗談です。実在の人名も多く登場しますが、冗談ですから! お心を広く読んでいただけるとうれしいです。
そんでは、本文(?)にどうぞ~。
織田信成選手復帰シナリオ/少年漫画モード
タイトル【運命のブリザード】
2007年全日本選手権大会当日。会場周辺には、朝から大雪が降っている。
強風に雪が巻き、まさしく、ブリザード……。
テレビ中継のコメンテーターとして会場入りする荒川静香さん。エントランスから外を見て、美しい眉をひそめ
「この大会、荒れそうね……」
と、ひとりつぶやく。
男子選手ロッカールーム。選手たちが着替えているところに、音をたててドアが開く。
中に入ってきたのは、しばらく、競技会から遠ざかっていた織田信成選手だった。
(織田選手の顔には横線が入っていて、背景には「ゴゴゴゴゴゴゴ」と効果音が入っている)
誰とも目を合わさずにロッカールームに入ってくる織田選手のようすに、ただならない雰囲気を感じつつも
「よ、よう!」
「おはようございます」
ほかの選手たちが声をかける。が、織田選手は誰にも答えない。
黙々と着替えを始める。
服を脱いだその体を見て、ほかの選手たちは驚愕する。
背中といわず腕といわず、体中に、ひどい痣や傷が刻まれていたのだ。
まさに、満身創痍。
「その傷どうしたんだ……うっ」
話しかける高橋大輔選手。無言の織田選手のまなざしに押されて黙り込む。
――さ、殺気……!?
織田選手の目は、冷たい光が宿っていた。
着替えを終えた織田選手は、無言のまま、ジャージをひっかけてロッカールームを出て行く。
彼の残した気配の名残に、ほかの選手たちは我知らず冷や汗をかいている。
いよいよ大会開始。
織田選手は、最終グループで滑走(適当なこと書いてます)となる。
6分間練習。実況ブースに入ってリンクを見ていた荒川静香さんは、すさまじい鋭さと速さを持ったひとりの選手に、目を奪われる。
――誰? ……ええっ、織田くん!?
練習終了。リンクサイドで織田選手を、異様な威圧感を全身から立ち上らせている、謎のコーチが出迎えていた。リー・バーケル氏ではない、そのコーチの顔は、初登場時はベタ塗りで黒くあらまほしい。
織田選手の滑走順となる。
コールとともに、復帰を寿ぐファンたちの拍手がリンクに満ちる。
しかし、織田選手のたたずまいの尋常でなさがなんとなく伝わり、しだいにリンクは水を打ったような静けさに。
フジテレビのアナウンサーが、ここぞとばかりに実況をはじめる。
「勇猛果敢な若きもののふは、雌伏のときを超え、どんな新たなる世界を見せてくれるのか。天下をつかめ! 織田信成『アラウンド・ザ・ワールド!』」←灰原注:今年のSPわかんなかったんでEXの曲で代用してます~。
演技開始。すさまじい速さで滑走していく織田選手。
ビャオオオオオオ、という吹雪のような音が、音楽とは別に、リンクに響き渡る。
「これは! 織田のスケーティングが風を切る音!? まさしく、ブリザードスケーティングだ!」
アクセルの予備動作に入る織田選手。解説の本田武史さんが、いつもながら落ち着いた声でジャンプの種類を解説する。
「トリプルアクセル……クワドトゥループ……!?」
「うそっ」
荒川さんも思わず絶句。
冒頭のコンビネーションジャンプのセカンドに、織田選手は4Tをつけてきたのだ!
「なんと! 3回転半4回転のコンビネーション! 世界初のコンビネーションじゃありませんか、本田さん」
「え、ええ、たぶん」
放心状態でこたえる本田さん。織田選手の演技はさらに続く。
「ステップからの……トリプル……いや、クワドサルコウ……っ」
「なんということでしょう! 未曾有の試練は、若獅子の、戦いの本能を目覚めさせたのか! ショートプログラムで2本の4回転ジャンプ! ありえない! 第六天魔王がリンクに降臨したァァァァ!」
アナウンサー絶叫。演技はコンビネーションスピンからストレートラインシークエンスへ。
「速い速い速い! 目の回る速さだ! 驚愕のスピードで氷が切り裂かれていくゥ!」
「信じられない……」
実況席の本田さん、呆然自失。言葉を失ってしまう。フライングスピン、足替えコンボスピン。キャメルからシット、キャッチフットでアプライト、足を上げてY字。同時に
「ありえないッ! 手を離したァァ!」
「なにッ」
なんと支持なしY字スピン!(いや無理だから。正気に返れ灰原)
衝撃覚めやらぬまに、サーキュラーステップ。これまた光の速さ。実況アナウンサー、解説の本田さんに問いかける
「これで7つのエレメンツ終了ですが、ジャンプがまだ1本残ってますね」
「………」
「本田さん?」
「アクセルジャンプがまだ残っています」
衝撃のあまり、言葉を失ってしまった本田さんに代わり、コメンテーター席から言葉を添える荒川さん。実況続く。
「復活の舞の最後に、残すはアクセルジャンプ! さあ、魔王よ! 闇の翼を広げて、飛び立つがいい!」
サーキュラーステップからアクセル踏み切り。
回転数、1回、2回、3回……
4回!
「まさか、クワドラプルアクセル!?」
荒川さん思わず絶叫。
わずかに軸がかしぎ、織田選手は転倒する。
立ち上がってフィニッシュ。
あまりに異様な演技に、観客たちは身動きもできない。
つぎの滑走者(誰だろう。かわいそう)と入れ違いに、キスクラに上がっていく織田選手。
ジャッジ席は大論争になり、なかなか得点が出ない。観客もざわざわしはじめる。
ベタ塗りの顔のコーチは、無言。わずかに悔しそうな表情を見せている織田選手。かつて彼をこのうえなく魅力的にしていた人懐こい笑みは、その顔から消えている。
「織田信成選手の得点……」
ついに場内アナウンスがかかる。
「テクニカルエレメンツ 57.03点」
ぐおおおおお、と、驚きの声が、地鳴りのように観客席からわきあがる。驚くべき得点!
「プログラムコンポーネンツ 39.06点。合計点 95.09点です!」
「な、な、なんということでしょう! 脅威の90点越え! 織田信成、トップに立ちましたっ」
声を震わせるアナウンサー。爆発的な歓声がわく。しかし喜びの色もなく、キスクラからとっとと消えていく謎のコーチ。コーチを追って控え室のほうに戻っていこうとする織田選手。
「おめでとうございます、やりましたね!」
すでに滑走を終えていた後輩選手が、織田選手に握手を求めようとする。しかし織田選手は視線ひとつ動かさず、完璧に無視して廊下に消えていくのだった。
「織田さん、人が変わったみたいだ……」
顔をこわばらせてつぶやく後輩選手(小塚君か無良君あたりがいいかしらー←脳内キャスティング)。
控え室で集中していた高橋大輔選手、出番が近くなったので、ニコライ・モロゾフコーチに付き添われてリンクに向かう。途中、織田選手と謎のコーチとすれ違う。謎のコーチの顔を見て(ここではじめてベタ塗りじゃない普通の顔が出る)、ニコライ・モロゾフコーチ、驚愕する。
「まさか、あいつは……!」
織田信成選手の新コーチは誰なのか!? そして、織田信成選手はほんとうに人が違ってしまったのか!?
以下次号に続く!(続きません!)
……どうですか?
もう、ほんとにすみません。灰原、わりといつもこういう馬鹿みたいなことばっかり考えながら生きているんです……。まともなファンのみなさま、ほんとに申し訳ありません。
だいたい、いまのルールだと、SPの単発アクセルはトリプルまでしか跳んじゃダメなんですよね。クワドアクセルを跳ぶと違反だから得点にならないんだけど、まあフィクションってことで! そこは無視して点数計算しちゃいました。ごめんなさい。
この妄想を完成するにあたり、一部桃木先生の助言をいただきました。
ありがとうございます……ってお礼言うのもアレなんですけど(とほほ)。
まあ、この復帰シナリオは、あくまで妄想としてですね、織田選手、じっさいはどんな復帰戦を見せてくれるんでしょうね?
とにかく、のびのびとした演技をもういちど見せてもらえたら、それだけで、ファンとしては幸せです。
それでは、次回は謎のコーチの正体が明らかになるところから……(だから次回はないんだって!)
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