NHK杯は3日めが終了。ペア、アイスダンス、女子シングルと終わって、あとは男子シングルの日程を残すのみになりました。
本日も灰原は、NHK地上波でテレビ観戦いたしました。ただし、夕刻ちょっと出てたもんで、女子シングルFS→男子シングルSPの順。男子シングルはビデオです。
手元のメモの順番どおり、感想を書いていこうと思います。
というわけで、女子シングルから。



【女子シングルFS】


総合5位/ラウラ・レピスト選手
冒頭の2Aはとってもきれいだったレピスト選手。つぎの3Tが流れちゃったあたりから調子を崩してしまったのが惜しかったなあ。ジャンプ以外のスパイラルやスピンはとっても出来がよく、とくにオーラスのサーキュラーステップはレベル3。スケーティングがきれいで良かったです。
キーラ・コルピ選手やスザンナ・ポイキオ選手など、スケーティングの美しさが身上の選手が多いイメージのフィンランド、レピスト選手もスケーティングがほんとに美しいですが、同時に、コルピ選手やポイキオ選手にはない力強い演技ができるイメージもあり、今後が楽しみです。
スケカナSP1位で始まった衝撃のシニアデビュー年。フィンランドの国内選手権目指して、これから調整することになりますね。昨年は国内では2位ということで、今年は優勝を目指したいんじゃないかな。頑張って!


総合3位/武田奈也選手
「これから牛タン食べに行こうと思ってた」と、表彰台をまえに、びっくり笑顔で語ってくれた奈也ちゃん。GPS初メダルおめでとう! 素敵な演技でした。
スケカナのときのFSは、純白の総レースの衣装だったと思ったのですが、ラベンダーカラーの新衣装に変えてきましたね。奈也ちゃんの衣装は、ほかの選手たちのより、若干いつもスカートの裾が長くたっぷりめのようなんですが、なにしろ長身ですから、よく似合います。スピンのときにも裾が翻ってほんとうにきれい。
得意のループジャンプは2回跳んで、2回とも加点。ストレートラインステップは全身を使って、じつに楽しそうな踊り。レベル3をもらいました。
演技が終わった瞬間、はじけるような笑顔! お客さんも大拍手でしたね。
なによりアナウンサーさんがメロメロでびっくりしました。なんなんだ奈也ちゃんのこの愛くるしいパワーは。すごい才能だ。
PB更新には本人がいちばんびっくりしてたみたい。気が早いけど、来期もGPS2戦派遣いけそうかな?
安定して跳べるトリプルジャンプが、シニアのほかの選手たちより少ない、というハンデを、現在のところ持っている奈也ちゃん。満員のNHK杯で果敢に3Fにチャレンジ。結果は転倒でしたけれども、あとちょっとで降りられそう! 全日本選手権ではチャレンジしてくるかなあ。頑張って欲しいです。とにかくほんとうにおめでとう!


総合6位/アリッサ・シズニー選手
「ウェストサイドストーリー」
冒頭の3Lzは回転不足ぎみに見えましたが踏ん張った。しかしそのあとの1Fをバストしてしまってから、残念ながらジャンプのフィーリングが狂いましたね。うう、もったいない。
シズニー選手はとにかくスピンが猛烈に美しく、器械体操に床とか平均台とかあるように、フィギュアスケートにもジャンプやスピンとかエレメンツ別の種目があるならば、スピン部門で不動の世界一になれる才能の持ち主だと思います。いやいっそ作って欲しい。シズニー選手のためにスピン大会。
ジャンプが苦手なわりに、振り付けが、ジャンプのまえにステップが入ってたりと難しそうなんですが、いっそもうルッツなんかリンクの対角線全部助走に使っていいから楽に跳んで欲しいと思っちゃいます、彼女の場合。
(アリッサ! こんなときこそマジックミーシンズベストだよ! NHK杯にはミーシンコーチ来てるから売ってもらうといいよ!)
素敵な笑顔でフィニッシュ。ミスがあったとはいえ、中国杯に比べると、かなり調子が上がっていて、良かったんじゃないでしょうか。全米選手権の表彰台が守れるかどうかが今年の課題になりますが、今年のアメリカ女子はシニアデビュー組の鼻息がとにかく荒いですし、もしかしてミライちゃんも全米はシニアで出てくる可能性がありますし、大変だと思います。でも頑張って欲しい!
衣装もシックで素敵でした。


総合2位/サラ・マイヤー選手
FSではじつは1位だったサラちゃん。冒頭のジャンプコンボは3Lz+2T+2Lo。大技を決めて流れに乗ります。
おつぎの3Fはちょっと着氷が狂いましたね。サラちゃんはフリップでずっとロングエッジを取られていますし、苦手意識が出てきたのかもしれません……。
スピンは全体にさすがの出来栄え。やっぱりちょっとシットポジションが高いのが気になるんで、きのうも書きましたけどヨロ戦までに修正してくれるとうれしいなあ、と。
キスクラでアップになったサラちゃんの顔、目があまりにも大きいので「うわっ」と思いました。なんか往年の少女マンガの登場人物がそのまんま3D化したみたいなお顔ですよねー。まつげもバッサバサ。
得点はけっこう出ましたが、本人の元気がいまいちなかったのが心配かな。今年はヨロ戦で、もうイッコ上の段を目指したいところですよね。最大のライバルは人間台風なだけに、進路も読めず難儀そうですが。そういや今年のNHK杯って、なんかヨロ戦前哨戦っぽい雰囲気ありますね。グルジア女王のゲデちゃんもいるし、フィンランド期待の若手ラウラちゃんもいるし。そして人間台風も…。
サラちゃんのFS使用曲のタイトル「黒のラフォリア」というそうです。とっても綺麗な曲。サラちゃんの滑りによく合います。ヨロ戦以前に国内選手権か。頑張って欲しいです。


総合4位/安藤美姫選手
6分間練習から、転倒したりして、調子が上がってないなあという印象だった安藤選手。冒頭の3Lzコンボで転倒して、リズムが狂ってしまったかなと思いました。
今回のNHK杯は母国開催で、しかもNHK杯は日本選手連覇が続いているであるとか、ご本人も2007年世界女王で、と、いくつもプレッシャーが折り重なって、さすがの美姫ちゃんも調子を崩してしまったのかもしれませんね。
しかし、そもそもワールドで頂点をとった翌年というのは、わりといままでの世界女王たちも苦しんできたというか。『魔の刻』なんですよ。2006年の世界女王、キミー・マイズナー選手は、2006年のGPF(年は同じですが年度は翌年です)に進出できませんでしたし、2004年の世界女王荒川静香さんも、2004年の全日本選手権はFSを故障棄権。2005モスクワワールドに代表選出されて出場したものの、総合9位という成績でした。世界女王常連のミシェル・クワン選手やイリーナ・スルツカヤ選手にしてからが、なぜかオリンピックの金メダルは獲得ならなかったり……なかなか世界女王というのは、栄誉ではあるけれども難しい冠だと思います。
プレッシャーも、うまくいかないという思いも、あるとは思いますけど、若い女王は誰しもくぐった『魔の刻』です。焦らずじっくり、立て直して欲しいなあ。
美姫ちゃんにしても、真央ちゃんにしても、気持ちがとても揺れるのは、繊細で感受性がゆたかだからこそで、だからこそ彼女たちの舞姿は美しいんだと思うんですね。彼女たちの美しさをそのままに、もっと気持ちを支えてあげられるシステムができるといいなあーと思います。コーチの支えをうけるのは当然として、せっかくアメリカなんていうメンタルヘルス先進国で練習しているのだし、信頼できるメンタルトレーナーを帯同するというのも手なんじゃないかな。4年以上まえのヤグディンチームにメンタルトレーナーが帯同してたはずだし、効果のほどはモロゾフコーチならご存知なのでは。
演技ですが、ジャンプの失敗で得点は伸びませんでしたけども、SPで失敗したスパイラルやスピンはしっかりと修正してきましたし、ストレートラインステップはレベル3に加点もついて、表現の面ではスケアメよりかなり伸ばしてきていると思います。PCSも悪くありませんし。冒頭の振り付けも、スケアメより迫力があって良かったです。
調子が上がってきている部分もしっかりあるので、GPF進出はなりませんでしたけど、いっそ好機だと思って、全日本目指して秘密特訓を! 頑張って欲しいです!


総合1位/カロリーナ・コストネル選手
まずは優勝おめでとうございます!
中国杯では、SP1位のプレッシャーからFSはたいへんなことになってしまったコストネルさんですが、地元開催トリノGPFに出場したいという思いが、みごと表彰台上陸をなさしめたようです。ほんとうにおめでとう。
正直いって、ジャンプはすべて危なっかしかったんですが、スピンやスパイラルはさすがの出来栄え。
そして!
衝撃の!!
ストレートラインステップレベル4です!!! ひええええええ!!
ISU主催大会で女子史上初のレベル4じゃないの? 真央ちゃんがステップレベル4とった日米対抗戦は、ISUの公認大会だったから、大会の格が違うし。正式なISU大会の得点としては史上初だと思います。まあ、今回のNHK杯女子は、比較的ステップのレベル付けが甘いかなあ~? と、ちょっと思いますけど。
ジャンプはほとんどダブルになっちゃったり、決まらなかったのに、こんなところで偉業を成し遂げてしまったという、このわけのわからなさ。さすが、さまよえる人間台風カロリーナ・コストネルですよ! 素晴らしいっつーかなんつーか、だからコストネルさんからは目が離せない!
トリノGPFでコストネル選手にのしかかるプレッシャーは、NHK杯の比ではないというか、今日の安藤美姫選手並みの猛烈プレッシャーが圧し掛かることと思われます。正直にいって、トリノでの彼女のライバルは、キム・ヨナ選手でも浅田真央選手でもキミー・マイズナー選手でも中野友加里選手でも、ましてや、キャロライン・◎・ジャン選手でもない!
自分自身だ!(とほほほほほほほほほー)
コストネル選手は最大のライバルに打ち勝てるのでしょうか。人間台風。トリノに上陸できるかは、スケートの神さまのみぞ知る。ご健闘をお祈りします!



今日のNHK杯を見て、灰原がつくづく感じたこと。
「フィギュアスケート選手は試合が少ないから大変だなあ~」
ということでした。素朴すぎますかね。
灰原はテニスとかバスケとかのファンもしているのですが、テニスにしろバスケにしろ、年間に開催される試合がものすごく多いのです。だから、どこかで負けたにしてもリベンジの可能性はすぐにあるわけで、気持ちを立て直しやすい。もちろんグランドスラムやプレイオフだと話は違いますけど、試合時間が長いし、ちょっとしたミスも挽回のチャンスはあったりするわけです。
フィギュアスケートの場合、GPSで2回、ファイナルまでいったらもう1回、あとは四大陸orヨロ戦と、世界選手権くらいしか大きな国際試合ってなくて。昨季はたまたまユニバとアジア大会がありましたけども、ふつーの年はあれはなくて、あとは国内戦でしょう。
少ない試合数の中で、SPとFSあわせてたった7分そこらの演技で、それまでずーっと練習してきた成果を凝縮して出さなきゃいけなくて、ミスは許されがたい。プレッシャーと戦うのが大変な競技だなあと改めて感じました。
だからこそ、フィジカルな訓練だけでなくメンタルトレーニングに着目すると、ぐぐんといろんな選手がジャンプアップするんじゃないかと思います。
サーシャ・コーエン選手とか、カロリーナ・コストネル選手とか、ステファン・ランビエール選手とか(すみません)、メンタルが安定しない、と言われる選手は少なくなくて、しかし彼らはみんな素晴らしいでしょう。むしろメンタルが弱いというのは伸びしろだと思うんだな。「そこを支えられればもっと伸びるんじゃないの?」みたいな。
テニスでも、メンタルが弱い弱いと言われつづけたアメリ・モレスモが、メンタルトレーニングを経てウィンブルドン女王になったりしてるよ。
そんなことを思ったNHK杯女子シングルでした。
というわけで、男子SP感想に続きます。





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