いよいよシニアGPS開幕直前。海外メディアのスケーターArticleも華やかになってきましたよ~。
北米とかヨーロッパだと、フィギュアスケートってやっぱり人気種目だからかなあ。選手に取材した記事がたくさんネットに上がるんですよね。正直、とっても羨ましいです。
羨ましいあまり、海外サイトに情報狩猟に行って、「獲ったどー!!!!」とばかりに、つたなすぎる日本語で書き取りしてブログに上げはじめたんですけどね(ははは)。
「ワールドフィギュアスケート」のサイトも、ニフティの「フィギュアスケート特集」もとっても大好きなんだけど、もっともっとたくさんの記事が日本語で読みたい~。これからシーズンに入ったら、いろいろ記事が出てくると思うんで、期待したいです。
んで、今日の「獲ったどー!!!!」は、ペア競技、ロシアの川口悠子&アレクサンダー・スミルノフ組の記事です。毎度おなじみフィギュアスケートポータルサイト『Golden Skate』に特集記事が発表されていました。
原文はこちら→ http://www.goldenskate.com/articles/2007/101507.shtml
ここんとこ『Golden Skate』はペアスケーター記事強化中なのかな、ナリナム&レフテリス組とか、キャスティル&オコルスキー組とかの特集が立て続けに掲載されています。
今年のペア戦線は、GPSをベテラン勢が大量スキップの上、解散したペアも多い。パン&トン組とジャン&ジャン組、それにサフチェンコ&ソルコヴィー組など、実績あるペアが有利と目されるのは当然として、若いペアたちにもグランプリの表彰台は夢じゃない、大混戦が予想されます。だしかナリナム&レフテリス組もGPSはスキップ、オベルタス&スラフノフ組も微妙な状況なんではありませんでしたっけ。
この大乱戦の中、台風の目になるんじゃないか? と注目を集めている川口&スミルノフ組。なにしろコーチが、かのチャンピオンメーカー、タマラ・モスカヴィナ女史ですからねー。ペア界のタラソワ女史っていうか(いや、タマラコーチは毛皮着てないけど。小さいけど。痩せてるけど)。
記事タイトルは「Russian pair team ready for breakthrough」、ロシアのペアチームはブレイクスルーの準備が出来ている、かな。
記事の前半は、川口選手のいままでのキャリアのおさらい。かつて、日本スケ連所属の選手として、ロシアのマルクンツォフ選手と組んで世界ジュニアに出場、日本のペア選手として、国際競技会で史上初の銀メダルを獲得したこと、その後、モスカヴィナコーチの帰国にしたがってロシアに拠点を移したこと。昨シーズンからスミルノフ選手とコンビを組んだこと、GPSロシア杯に出場し表彰台に上がったのもつかのま、シーズン半ばに練習中足を骨折したこと。骨折のために、ロシアナショナルに出場できなかったにも関わらず、母国開催の東京ワールドに出たいという岩をも通す信念で練習に復帰、見事ワールドに出場してSP4位に入り、FS最終グループ入りしたことなどが綴られています。
スミルノフ選手の東京ワールドについての感想が可愛い。


《原文》
the strongest one was obviously to skate in the last warm up group and to perform right after Xue Shen and Hongbo Zhao. It was hard to skate after them.


《灰原不正確訳》
最終グループ入りして、シェン&ツァオ組のあとに滑ったんです。すっごく大変だったです。(大意)


うわあ、そうでしたっけ。東京ワールドの滑走順なんかすっかり忘れていましたが、たしかに、かのシェン&ツァオの神演技「タイスの瞑想曲」のあとに出るのって、かなりのプレッシャーですよね。しかもあのとき、演技のあとホンボー兄さん、シューちゃんにプロポーズとかしてたし。会場も「おめでとう~! おしあわせに~!」ムードだったし。
そもそも結成間もないペアだというのに、浮き足立つなというのが無理な状況ですね。
しかし、結果的にミスが出てワールド9位に終わりはしましたが、東京ワールドは、とても大きなものが得られた大会だったと川口選手は語っています。
モスカヴィナコーチは、川口&スミルノフ組に手ごたえを感じたらしく、この夏は、尋常ならざる特訓の日々だったようです。
「わたしたちは、今年は、グランプリファイナルに出場して、ヨーロッパ選手権に出場して(ということはロシアナショナルで表彰台必須)、世界選手権にも出場して表彰台に乗ること(ということはロシアナショナルで…以下同文)になっているみたいです」
と、語る川口選手。つまりモスカヴィナコーチはそう言ってるんですね? さすがだ。
川口&スミルノフ組のシーズンは、シーズン初戦として、9月末にサマラで行われた国内選手権ですでに優勝。GPSにはスケカナとロシアカップにエントリーしていますが、GPS出場以前に、フランスで行われるニース杯という小さな大会でも滑る予定にしているそうです。
で、今年の川口&スミルノフ組のプログラムは、まえにもブログに書いたことがあるんですが「ある愛の詩」サウンドトラックから。振付にはアイスダンサーのPeter Tchernyshevさんの援助があったもよう。「ある愛の詩」は、ソルトレイク五輪でカナダのサレー&ペルティエ組が金メダルとった印象が強いんで、ペア競技で使うのはどうなの、と、灰原、以前のブログでは書いたのですが、おそろしいことに、「だからこそ」モスカヴィナコーチはこの曲をプログラムに選んだそうなのです。「Moskvina expects the Canadian press to 'jump' at them 」→「モスカヴィナコーチは、この曲を使う彼らに、カナダのメディアが飛びつくのを予測しています」ひえええええ、早くも場外戦ですね。ロシアのコーチってこういうとこがすごいな!
ソルトレイクのペア競技といえば、史上初、ふたつの金メダルが出たんですよね。ひとつの金メダルをとったのは、前述のサレー&ペルティエ組。そして、もうひとつの金メダルをとったのは、モスカヴィナコーチの教え子、ロシアのベレズナヤ&シハルリゼ組だったのです!!!
ぜんぜん関係ないけど、サレー&ペルティエご夫妻のあいだに先日お子さん誕生、ベレズナヤさんもつい先日赤ちゃん出産されたんですよね。同時期におめでたって、なんか不思議な縁を感じますが…。
んなもんだから、ベレシハのコーチとして、ソルトレイクのときにはいわばカナダ的にはライバル側だったモスカヴィナコーチの教え子が、スケートカナダで、サレー&ペルティエ組のイメージの濃い「ある愛の詩」を滑るって事実には、メディアを惹きつける「ストーリー性」があるのです! カナダのメディアはこぞって、おそらくは、友好的に川口&スミルノフ組を取り上げるだろうと、モスカヴィナコーチは計算している。
……そして、そのカナダでは、つぎのつぎのシーズン、オリンピックがある。知名度を上げといて損はないっていうか、できたら上げときたい。基本的に観客は、知っている選手の応援を熱心にするものだからです。
いやあーもう恐ろしい。モスカヴィナコーチご自身も大変だったろうあの騒動をジャンプ台にして、現在の教え子のオリンピックでの演技を少しでも有利にしようという遠大な構想。転んでもタダじゃ起きないっていうか、メダルへの恐ろしい執念を感じます。灰原の考えすぎかなあ。でもチャンピオンメーカーだし……。
モスカヴィナコーチ、小さくて見た目はとってもキュートですけどねっ。
えーと、川口&スミルノフ組のSPは「ロンド・カプリチオーソ」だそうです。
ジュニア時代とシニア時代のはじめをいっしょに戦ったマルクンツォフ選手とコンビを解消したあと、川口悠子選手はなんどか新しいパートナーと出会います。しかし彼らとは、なんらかの理由で、うまくチームを続けることができないのでした。サンクトペテルブルクで新たなパートナーを探すあいだ、もう自分のキャリアは終わったんだと、なんども川口選手は思ったそうです。日本に帰ろうとも思ったそうですが、ある日、チャンスが訪れます。世界ジュニアに出場後、パートナーとコンビを解消したスミルノフ選手と、テストしてみないかと声がかかったのです。
どうもこの出会いは、お互いにとって、運命的、衝撃的な出会いってわけではなかったようです。川口悠子選手は言います。
「まえのパートナーと別れたあと、わたしには新しいパートナーを得るチャンスはほとんどありませんでした。テストスケートで、正直ちょっと違和感あるなとは思ったけど、わたしはスミルノフ選手を《テスト》しませんでした。ペアを続けたければ選択肢はほかになかったから」
スミルノフ選手のほうも、川口選手にはじめから満足していたわけではなかったようです。
「正直、組むってことにはフクザツな気持ちがありました。ぼくらはすぐに難しいエレメンツいくつかに挑戦できたけど、合わないところはほんとうにダメだと思ったし、だいたい女の子がロシア人じゃないってことには、相当にひっかかりを感じました」
そんなふたりですが、いまは息もピッタリのペアに育ってるみたい。多少の文化的ギャップがあるみたいですけどね。
スミルノフ選手は、川口選手を「物静かで控えめで、慎み深い。ロシアの女の子とはちょっと違うな、やっぱり日本の女の子だな」と思ってるらしいんだけど、川口選手によれば「物静かだっていうのは誤解です。まだ言葉の壁があるんです。言いたいことを言わないんじゃなくて、言えないだけ! それに、サーシャ(スミルノフ選手)が冗談を言ってるのに、わからなくて笑えないこともあります」と語ります。はははははは! ロシアにも「やまとなでしこ」幻想ってあるのかなあ! 面白い!
今年、世界選手権の表彰台を狙うという、このペア。フリー演技には、クワドサルコウを入れる予定もあるそうです。正直危険な大技なんですけど、川口悠子選手は恐れず取り組む気まんまんらしい。彼女の練習にたいするストイックさには、スミルノフ選手も脱帽だそうです。「彼女はすごい練習熱心だし、ぼくに発破をかけてくれさえします」と、スミルノフ選手は笑います。
こんな猛練習しながら、なんと大学の勉強も続けている悠子ちゃん。6月に論文をひとつ仕上げたあと、また新しい言葉を学ぶ予定にしているそうです。ひええええええ!!
いまですら、日本語、英語、ロシア語と話せるのに、つぎは何語を? すごすぎる。頭が下がったまんま上げられないくらいすごい人ですよ…。
パートナーに触発されたのか「勉強は嫌いで、カラダを動かす仕事のほうが好きなんです」というスミルノフ選手も、今年から大学に通いはじめたそうです。スケートのキャリアが終わったあとも、スケートの近くで仕事を続けるために必要だからって。そっちの発破も川口選手がかけたのかなあ。ほんとに素晴らしいパートナーシップですね。
さて、川口選手といえば、避けて通れない話題が「国籍問題」です。バンクーバー五輪に出場するためには、川口選手はロシア国籍を取得しなければなりません。ロシアは二重国籍OKの国なんで問題ないんですけど、日本は二重国籍を認めていません。
どうしようか悩んでいる、と、以前から語っていた川口選手ですが、どうやらかなり、覚悟が固まってきたもよう。
「以前は世界選手権で滑れれば充分だと考えていました。でもいまは……サーシャとの練習がいい結果を生むならば、オリンピックのことは考えたいと思っています」
記事は、こんな言葉で結ばれています。


she has already gone far to pursue her dream of becoming a great pair skater. Time will only tell.


彼女は、偉大なペアスケーターになるという夢を実現した。あとは時に語らせるだけ…。
すごい賛辞ですね。川口悠子選手に向けられるスケート界の期待が、いかに大きいかがわかります。
スケートカナダの演技は、地上派で放映されるかな? 日本人枠で流してもらえる気がするんですけど。スロークワドサルコウは出るのか? 楽しみですね。
だけど、ああ、ほんとうに、こんな頑張り屋さんは、世界にも何人もいませんよ、きっと。





ダイナバナ
女神幻想ダイナスティア は乙女のためのコミュニケーション重視のMMOオンラインゲーム。

争いのない世界にあなたも遊びに来てね。
今なら無料で遊べます!


お買い物バナ

※乙女なショッピングモール「乙女のおかいもの」でもうきうき情報紹介中!


ダイナ情報バナ

※メルマガ「ダイナスティア情報局」登録はこちらから!