いよいよウィンブルドン祭りも最終章。男子シングル決勝。ロジャー・フェデラーvsラファエル・ナダル。女子決勝とは異なり、超予想通りの組み合わせ。しかし試合内容は、いかなる予想も吹っ飛んでしまう、歴史に残る大熱戦でした。
ロジャーvsラファなんて、グランドスラムでももう何度目だかわかんない組み合わせの決勝戦で、いまさら緊張する相手でもないと思うんですけど、やっぱり場の重圧のせいなんでしょうね。コートに入場するときから、ロジャー陛下もラファも、ずいぶん強張った顔つきでした。とくにラファ。去年のウィンブルドン決勝じゃ、ボッコボコにされましたからねー。嫌な記憶が脳裏をよぎるのか、それとも連戦の疲れか、表情が冴えなくて、こりゃ今年もまたやられっぱなしか? と一瞬思いましたが、今年のラファは去年のラファとはひと味もふた味も違ってました。フェデラーのミラクルスライスに苦しみつつも、しだいにストローク戦に持ち込んでいきます。今年のウィンブルドンでは、ファン・カルロス・フェレーロ戦で1セットを落としただけ、サービスダウンもほとんどナシで決勝まで勝ち上がってきたフェデラーから、第2セット、第4セットと、サービスブレイクからナダルがもぎ取る。セットカウント2対2でファイナルセットに突入です。
ファイナルセットは序盤ナダルペース、ブレイクポイントをナダルが掴みますが、今大会最大のピンチに抜群の集中力を見せたロジャー陛下、サービスエースを3本連発! ブレイクを逃れ、勢いに乗ってナダルのサービスをブレイク! じつはこの決勝戦、第1セット以来フェデラーはナダルのサービスをブレイクできなかった。第1セットもブレイクはしたもののブレイクバックされましたし、フェデラーがとったセットはすべてタイブレークだったのです。サービスエースの数では、はるかにナダルを上回っていたのですが、ストローク戦では、正直、ナダルが勝っていた。これって二重に驚くべきことです。
なぜなら、フェデラーは本来ビックサーバーではない。最速でも210キロに足りないサーブは、男子として、遅くはないけどすごく速いサーブとは言えません。まあナダルはもっとサーブ遅いんですけど。ロディックなんが最速だと250キロ近く出すわけです。
速度的には平凡なのに、見事なコントロールとコース取りによって、ロディックの魔球以上の威力あるサーブを生み出す、フェデラーの技術。ナダルは、現役テニスプレイヤーとしては、最高のストローカー、リターナーだと思います。ナダルに拾えないということは、この世の誰にも、拾えないエースだということです。すごいです。
一方のナダル。ストロークによるウィナーでフェデラーを圧倒した。これも驚くべきことです。なぜなら、フェデラーはビッグサーバーではないからです。いままでゲームコントロール、つまりストローク戦でライバルを圧倒してきた人だからです。そのフェデラーを、サーブでしか戦えない状況まで追い込んだ。追い込まれて底力を出したフェデラーも凄いが追い込んだナダルも凄い。いままで、5年近く、誰ひとりとしてフェデラーを、ことにウィンブルドンのフェデラーを、そこまで追い込んだ人はいなかったのです。
ようやくナダルのサービスブレイクに成功したフェデラーは、勢いのままに自分のサービスをキープ、連続してナダルのサービスをブレイクします。試合最終盤にいたってトップギアに入ったフェデラーに、スタミナを消耗したナダルはもはや完璧な反応ができなくなった。ファイナルセット、スコア6-2。勝利の瞬間、すっかり傷みきったウィンブルドンの芝に倒れこんでフェデラーは大泣きしました。かつてこれほど苦しい勝利はなかったでしょう。おめでとう、ロジャー陛下。5連覇のプレッシャーを跳ね除け、奇跡のようなプレイを見せてくれてありがとう。心から尊敬します。
しかし……来年の話をすると鬼が笑う、と言いますが……最高連覇記録タイの6連覇がかかる来年のウィンブルドンは、今年よりもはるかに苦しい戦いになると、誰よりもわかっているのはフェデラー自身でしょう。
昨年のナダルは、芝ではフェデラーの敵ではありませんでした。フェデラー独特のほとんどバウンドしないスライスに対応できず、ネットプレイにも対応できず、ただただ敗れました。でも、1年を経て、ナダルは空恐ろしいほど進化しました。スライスにもネットプレイにも対応し、自らもスライスやネットプレイを使いこなすようになっていた。しかも、まだ荒削り。まだまだ伸びしろがあることが、傍目にも明らかです。
フェデラー自身も進化を続けなければ、つぎにナダルを破ることはできない。いまですら完璧に近いのに、もっと強くならなきゃいけないなんて! 想像を絶します。
……それって……だけど、ものすごく幸福なことなんじゃないのかな。
かつて、ナダルが現れるまえ、フェデラーの敵はフェデラー自身だと言われていました。あまりにも強くて、他が太刀打ちできないから。彼が勝つことに飽きたとき、フェデラーの最強は損なわれるだろうと。
生真面目で努力家のフェデラーは、自分との戦いにも誠意を尽くしていましたが、その戦いは孤独です。彼はたったひとりだった。そこにラファエル・ナダルが現れた。
まったく違う性格、まったく違うプレイスタイル。まったく違うアプローチながら、自分に等しい才能を持つライバルが、ついに現れたのです。
この決勝戦、フェデラー、相当エキサイトしてましたよねー。主審に食って掛かるロジャー陛下なんて、灰原、はじめて見ましたよ。
かつてコナーズにはマッケンローがいました。サンプラスにはアガシが。ナブラチロワにはエバートが。そしてセレーナにはヴィーナスが。最強の帝王には必ずライバルがいて、お互いがお互いをより研ぎ澄ましたのです。
宇宙史上最強と呼ばれる帝王ロジャー・フェデラーが、どこまで進化するのか。果たしてラファエル・ナダルが、フェデラーを超える日が来るのか。
いまのテニス界は面白いですよ。ウィンブルドンは終わっちゃいましたけど、秋には全米ありますし。女子も混戦模様だし、ああ、全米、いまから、楽しみ!
それにしても、フェデラーの彼女のミルカ・ヴァブリネックさん、いつもながら家族席でニコリともせず。異様な迫力があった……フェデラー、彼女に相当精神的に支えられてるそうですが。真の宇宙最強は彼女なのかも。
……全然関係ないけど、決勝戦の主審、笑顔が素敵な可愛い系イケメンでしたよね! 主審が写るたんび、灰原、ウキウキしてしまいました。またビッグタイトルの主審やって欲しい~!




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