International Figure Skatingの記事によると、カート・ブラウニング氏に2007/2008シーズンのプログラムを発注したらしいブライアン・ジュベール選手。
ジュベール選手のコーチ、ジーン・クリストフ・シモンズ氏のインタビューのリンクが、FSUで紹介されていました。URLはこちら→ http://www.figureskating-online.com/pageID_4727443.html  英文です。
じつは灰原、シモンズコーチのファンなんですよね~。トレンチコートが似合ってて、渋くてとってもカッコイイ! 去年からずーっと気になってたんですけど、ネット上にもあんまり記事がなかったんですよ。それが、こんなに長いインタビューが出るなんて~! 
うれしくて、ウハウハです!
それでは、ウハウハしながら内容について、感想書いちゃおうかな!
例によっての前置きですが、灰原の語学力は小学生並みなため、原文の読み取りに間違いがあるかもしれません。ぜひ、原文もお読みくださいね。
それでは、感想にGO!



インタビューそのものは、ドイツのフィギュアスケートウェブジン『ピルエット』の記者さんにより、ワルシャワのヨーロッパ選手権のときに採られたものだと思われます。
ジャン・クリストフ・シモンズ氏は、1981年と1982年のフランス国内チャンピオンであり、同年のヨーロッパ選手権銀メダリストでもあり、2006年夏からブライアン・ジュベール選手をコーチしています。サラエボ五輪出場後、競技から引退、すぐにニースのスケートクラブでコーチに転身したそうです。
以降、クリストフコーチはパリのクラブで働いたりニースに戻ったりしながら、同時にフランスのジュニア育成に携わります。ノービスレベルからシニア参戦可能な選手たちまで、多くの子どもたちのためにトレーニングキャンプを組織しました。ブライアン・ジュベール選手と初めて出会ったのはそのキャンプのときで、ジュベール選手は当時まだ11歳だったそうです。
ジュベール選手、小さいころから、いまみたいな頑固・強気・怖いもの知らずキャラだったのかな~。小さいころからジャンプが大好きだったって言ってたから、シモンズコーチのトレーニングキャンプでも、さぞブンブン飛びまくっていたのでしょう。想像すると可愛らしい。
新採点法導入後、シモンズコーチは、「この試みに参加したくて」ISUのテクニカルスペシャリストの資格を得ます。シモンズ氏は非常に新採点法に肯定的であるようです。こんなふうに語っています。



シモンズ氏「私が思うに、新採点法にはひとつの大きな利点があります。6点満点法では、選手たちはあらかじめ与えられた点数から、いかに点数を失わないか、というイメージの中で演技しなければなりませんでした。選手たちには、点数を減らすことしかできなかったんです。いうなれば、否定的なシステムだったと思います。
現在の採点システムでは、すべての選手が0点から得点を積み上げていきます。演技を進めるごと、点数は積みあがっていくわけで、はじめのポイントから減ることは絶対にありえません。その考え方の違いは、とても大きなものだと思います。
もちろん、新採点法にも、クワドジャンプへの得点配分など、議論されなければならない若干のことがらはあります。現在4Tは、3F+3Tより価値がありません。男子トップレベル選手にとって、3F+3Tはさほど難しいエレメンツではありえないというのにです。私は、エレメンツの価値を見直されるべき部分はあると考えています」



あれ、なんだか驚く意見だな。
いままで、新採点法について、採点基準がクリアになったとかそういう視点で語られたものは多く見てきたのですが「減点法から加点法への移行=選手が競技に挑むにあたってポジティブに取り組めるうになった」という視点の意見は、灰原は初めて見たと思います。言われてみればたしかにそうですよね。うん。たしかにそうだ。
やっぱり、長らくジュニアの育成に携わってこられたコーチだから、こういう意見が出てくるのかな。
インタビュアーは新採点法の功罪の「罪」の部分として「高配点を得るために、プログラムがどれもあまりに類似するようになったとも言われていますが?」と質問を投げかけます。シモンズコーチはこのようにこたえます。


シモンズ氏「現行、たしかに、そのような事態は起こりえます。憂慮するならば、ISUは、多彩なプログラムが生まれえるようなルール改正を行うべきです」



一刀両断ですね。ルールを決めるのが選手でない以上、選手がルールの欠点についてリスクを負う責任はない、というご意見。なるほど、という感じ。
インタビュアーはつぎに、こんな質問をします。「今後、スケートの技術はどう発展すると思いますか? つぎの革新はなんでしょうか」
シモンズコーチはこう答えます。



シモンズ氏「さあ、つぎはなにが来るんでしょうね。私は、選手たちにはつねに、限界を超していく力があるように思っています。たとえばブライアンは、いつか5回転ジャンプにチャレンジしたいとハッキリ思っています。私自身には、5回転ジャンプの実現性について疑問がありますが…。
私とブライアンは、クワドフリップに挑戦することになるはずです。それができれば、彼は3種類のクワドジャンプを手に入れることになりますし、体調や体力が許すならば、ひとつのプログラムに複数回、複数種類のクワドジャンプを組み込むことができます。努力の価値は高いでしょう。
もちろん、ほかの選手がみなブライアンのようにできるわけではありません。しかし、どの選手も、自分自身の武器を持っています。新採点法は、どんな選手にも戦う価値を与えていると思いますよ。一部の選手には素晴らしい技術があります。得点を搾り取るべく最大限の作戦を立ててくる選手もいます。勝つためのどんな試みもとても難しいものです」



5回転!!!!
そっかあ~ブライアン君やる気なのかあ~。ブライアン君らしーなー。
いまの現役スケーターで、本気で5回転に挑戦しようと思ってるのは、きっと彼だけですよ。さすがはフランス。ボナリーの国。キャンデロロの国。
インタビュアーは5回転ジャンプについてさらに質問を重ねます。



インタビュアー「かつて、アレクセイ・ミーシンコーチは、5回転ジャンプは、いまのフィギュアスケート靴とは違ったタイプの靴でしか可能ではないだろう、とインタビューで語りました」


シモンズ氏「新素材が開発されれば、あるいは……可能かもしれませんね。棒高跳び選手たちが、木製のバーからカーボンのバーに持ち替えて記録を更新してきたように。私たちのスポーツのために、技術革新を望みたいところです」



インタビュアー「スピンとステップにおける技術革新については、どんなお考えがおありですか?」



シモンズ氏「柔軟性がポイントになってくると思います。私は2006年のジュニアワールドにテクニカルスペシャリストとして参加して、驚くべき演技をいくつか見ました。女子には素晴らしい技術がすでにあるので、男子は女子の技術を目標に進化することはできると思います。しかし、言うまでもないことですが、男子には柔軟性だけでなく、男性的な演技も求められるんです」



ミーシンコーチもシモンズコーチも、現在のスケート靴では5回転は無理だという意見で一致しているようです。興味深いです。現在、地球上で、もっとも5回転に近い選手……すなわち、エフゲニー・プルシェンコ選手と、ブライアン・ジュベール選手、ふたりのコーチがこういう意見だということですから。
それにしても……スケート靴の革新かあ。なんか無理じゃないのかなあと思いますけど、でも、スピードスケートでも、フラップスケートが出現して記録が大幅に伸びたりしましたし、今後なにが起こるかわからないですよね。素材か、形状か、5回転を生み出しうる技術革新を、灰原も待ちたい気持ちです。
ところで、5回転ジャンプは、英語では quintuple jump と書くみたいです。
クインタプル・ジャンプ。
いつか、フィギュアスケートを報じる記事の中に、この文字が躍る日が来るのかな。
シモンズコーチは、オーバースドルフのジュニアワールドにいらしたんですね。驚くべき演技って、あの選手のレイバックとかあの選手のビールマンとかのことだろうなあたぶん…。まあ、彼女たちの域に達するのは、身体構造的にも男子には無理っぽいが、いままで以上に男子にも柔軟性が求められていくだろうという見通しは、なるほどというかんじです。
このあと、インタビュアーの質問の矛先は、ジャンプ方面に戻ります。



インタビュアー「中国のチャンジャン・リーは、クワドアクセルを練習していると話していましたが、うまくいかなかったようです。リー選手は、練習では、4T+4Tを降りていると話してくれました」



シモンズ氏「4Aはあきらかに可能な技術です。しかし、クワドアクセルにはリスクが大きいです。
クワドジャンプを跳び切るためには、最速の反応が必要になります。頭で考えてできるようなものではないんです。恐ろしいことにね。
ブライアンについては、私はもう1種類のクワドを会得させて、体調にもよりますが、プログラムの後半に1回のクワドを回すことができればいいと思っています。スケーターは進化することができますが、いまのところ、私は、プログラムでクワドアクセルを試そうというスケーターには会ったことがありません」



シモンズコーチはクワドアクセルを練習している選手の情報を耳にしたこともあるそうですし、可能な技術であると認識していますが、にもかかわらず、ブライアン君がクワドアクセルに挑戦する必然性は感じていない、ということですね。ふむ。コーチ的には正しいスタンスなのかもしれません。
まあねえ、氷上のブンブン丸ご本人は、絶対にクワドアクセル跳ぶ気でいると思うんですが……だって5回転すら跳ぶ気でいるんでしょ? 世界初のクワドアクセラーの称号が、他人に冠せられることを、負けず嫌いのブンブン丸が耐えられるでしょうか。このへん、コーチと教え子と要話し合いって気がする。
ジュベール選手との練習で、気をつけていることは? と尋ねられたシモンズコーチ、こんなふうに答えています。



シモンズ氏「私はブライアンに、彼がやっていることの枠組みを教えるようにしています。自分がいましている練習が、どこに繋がっているかってことを説明するんです。
毎朝、私たちは練習の確認をします。『今日はフリープログラムの練習』とか『技術のポイント練習』とか『2回通しでSPを滑る』とかね。今日の練習でなにをすることになってるのか、それがなにを目的としたものなのか、ブライアンはつねに知っています。それが重要だと思うんです。
練習の展開しだいで、私たちは少し話し合いをします。たとえばジャンプの質が悪かった場合、たとえ転倒しなかったとしても、ジャンプについて見直しを行います。技術的に良かったとしても、集中力を欠いていたような場合にも見直しは必要ですね。私たちは楽をせずに、厳格な技術を習得しようとしています。これが私たちの方法です」



ジュベール選手は、以前のコーチとは相性が悪かったりして、トリノ五輪前後にはあんまりコミュニケーションがなくなってたと聞いていますが、シモンズコーチがコミュニケーション重視なのはそのせいもあるのかな。
ブライアン君はどんな生徒ですか? という質問に対してはこんなコメント。



シモンズ氏「意志が強く、とても練習熱心な選手です。彼がやると決めたことを、やめさせることはできません。
教えるのはとても楽な生徒です。起きている限り練習しているし、ちょっと疲れたなと思ったときにも、どうやってか練習する。練習すればするほど、成功したいという意志が強くなっていくようです。
ただ、練習環境はいいとは言えません。ワルシャワの氷は素晴らしいですね! ポワティエのブライアンのホームリンクは、あんまり氷の質が良くないんです」



インタビューのシメに「今回(ワルシャワ)のヨーロッパ選手権では、我々はすべきことをすべてして、ブライアンは勝ちました。幸運なことです。どんなことでも、うまくいかなくなることがありますが、全力を尽くす限り、我々に後悔はありません」
とコメントしたシモンズコーチ。今年も苦みばしったステキな姿を、キスクラで拝見するのが楽しみです!
だけど……クワドアクセルについては、いっぺんブライアン君とサシで話し合ったほうがいいと思うなあ。ねえ?





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