はー。
全仏オープン女子シングル決勝も終わって、気分的にはなんだか一段落の灰原。いや、まだフェデラーvsナダルの大一番、男子決勝が残っているんですけど。それはそれで楽しみなんですけど。
ブログはじめたころに書いたことあるんだけど、灰原がエナンのファンになったのは、2001年のウィンブルドン決勝戦、19歳のエナンが、当時無敵の芝の女王だったヴィーナス・ウィリアムズを相手に戦い、敗れたときです。勝ったヴィーナスのプレイは文句なく冴えていたんだけど、灰原は、小さな身体を惜しみなく使って、片手バックハンドを振りぬくエナンの姿に、一気に魅了されました。なんていうんだろう、こんな選手は見たことがない、と思ったんですね。小柄で華奢で、まだ若いというのに、やたらと威厳たっぷりで、静かな覇気が全身から立ち上るようだった。
そこからエナンの応援を始めて、まもなく彼女はトップ選手になって、うれしかったんですけど、でもいままでのエナンには、たまに、不安になるときがありました。プレイのほうは比較的安定してるんですけど、コートで見せる表情が、どんどんどんどん研ぎ澄まされてきちゃって、ついには研ぎ澄まされすぎてきたっていうか、なんだか、修行僧みたいになってきて。メンタルが強いのはいいことなんだけど、抑制が強すぎて、いつか弾けちゃうんじゃないかなって、もしかしてエナンにとってテニスすることってツライのではないのかな、と、思えるときがありました。
でも、今回の全仏オープン、3連覇もかかっていたし、信じられないくらいプレッシャーのかかる大会だったと思うんですけど、それなのになんだかエナン、いままでになく楽しそうだったんですよ。もちろん、追い込まれて「落ち着けー落ち着けー」ってラケットの目を揃えている瞬間とかもあったんですけど、全体として、表情がやわらかかった。メンタルを強力にコントロールしつつも、気持ちが素直にあらわれてきたっていうか……なんだか、いままでと違ってたんです。
悲壮感がなくなっていた。
エナンに関する記事を読むと、今年のはじめにピエール・アーデン氏と離婚したあと、10代のころ、お母さんが亡くなってから、うまくいかなくなって疎遠になっていたお父さんと、エナンは関係を修復していたそうです。トッププレイヤーになってはじめて、今回全仏の家族席に、お父さんを招いていた。家族席で、お父さんが心配そうに試合を見守っていました。
エナンのコーチ、カルロス・ロドリゲス氏は、いつもわりとアクションが激しくて鬱陶しいんですけど(わはは)、今回の全仏ではいつもよりさらにオーバーアクションで、フェンスから身を乗り出すようにして教え子を見守っていました。
コートチェンジのとき、エナンは、ベンチに置いた自分のバッグの中から、封筒を取り出しました。ロドリゲスコーチから、試合中に読むようにって、渡されたアドバイス入りの手紙らしい。なんとご丁寧に蓋が糊付けされている。開けにくそう。
「ロドリゲスコーチめー。なんであんなにがっちり糊付けするんだ。エナンに余計な手間かけてからに。しかし手紙ってなにが書いてあるんだろ」
灰原がそう思ったとき、エナンの肩の上から、覗き込むようにテレビカメラが手紙を写しました。
なんだか子どもみたいに汚い、大きな字で、手紙の真ん中には「ジュスティーヌ、走れ!」って書いてあった。
なんかねえ、もう、さすが熱血ロドリゲスコーチというか。ほんといつもオーバーアクションで鬱陶しいんですけど。「ちょっとコーチ落ち着いてよエナンの気が散るでしょ!!」と思ったりする人なんですけど。
……くそう、試合まだ全然終わっちゃいないのに、うっかりコーチの手紙で、灰原、泣かされちゃいましたよ! やっぱり鬱陶しい人だなあ!
身長167cmの小さな身体で、188cmのシャラポワや185cmのヴィーナス、175cmのセレーナに、ただひたすら走ることで、エナンは対抗しつづけてきました。新たなライバル、イワノビッチは、186cmです。身長差19cm。もうね、走るしかないじゃないですか。
そしてエナンは走って走って、勝ちました。
家族席で喜ぶお父さんと、カルロス・ロドリゲスコーチ。かつてその場所にいたピエールの姿はないけど……。全仏期間中に25歳の誕生日を迎えたエナンは、インタビューでこんなことを言っていました。
「私の人生に起こったことはすべて良いことだった」
悲壮感を脱して、精神的にも、テニスの実力も、ひとつ高いステージに上がったように見えるエナン。つぎは悲願のウィンブルドン奪取にチャレンジです。芝の上では挑戦者ですね。頑張って!
そして、準優勝のアナ・イワノビッチ。冬の東レパンパシで見たときより、ずっと上手くなっていた。驚嘆しました。伸び盛りですね!
彼女にも、いずれ女王になる者の風格を感じます。苦しい局面で、ラインズマンが「フォルト」とコールしたエナンのボールを、自らジャッジに「イン」と申請したフェアプレー精神には感動しました。決勝戦では緊張でちょっとボロボロになってしまいましたけど、準決勝のシャラポワ戦で見せたゲームコントロールのうまさ、力強いフォアストレート、惚れ惚れします。ハードヒッターの彼女にとって、ウィンブルドンは有利なサーフェスだと思うので、楽しみですね。
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