『Golden Skate』に、キャスリーン・バングスさんが、アレクセイ・ヤグディン氏から採ったインタビューが、けっこうまえに出ていまして。
長い文章なので、ゆっくり見ようと思っているうちに、あららこんどはプルシェンコ選手復帰に関する記事が出てきちゃった。
ヤグディン氏のインタビューはほんとーーーに長い(3ページもあるんですよ)ので、あとに回して、少し短めなプルシェンコ選手の記事のほう、今日はご紹介かたがた感想を書いていこうと思います。
元の記事はこちら→ http://www.nevasport.ru/articles.php?id=13918
ロシア語です。



インタビューのタイトルは「 Готов ли Плющенко забыть про ≪Страдивари」。翻訳すると「プルシェンコはストラディバリウスを忘れることができるか?」ってかんじかな。なんだか不思議なタイトル。中身を読んでみましょう。
記事の冒頭には、プルシェンコ選手が、東京ワールドでのロシア代表の結果によって、「やむを得ず」復帰を決めた、とコメントしていると書かれています。「私は、私の復帰で、ロシアのフィギュアスケートをいつもの位置に戻すことができると信じています」。スケート王国ロシアの威光を取り戻すために、やむを得ず復帰を決めたということですね。なんだか微妙な言い回し。お国の協会に頼まれたってことかなあ。
プルシェンコ選手はまた「2010年のオリンピックでも自分は力を充分発揮できると思う」ともコメントしているようです。ただし、バンクーバーシーズンに復帰すると名言しているのではなさそう。
プルシェンコ選手が現在、競技会復帰を明言しているのは来シーズンだけであって、バンクーバーまでの3年間ずーっと出るとは、言ってないみたいなんですね。「ある条件」を満たせば、それは可能である、というふうに、プルシェンコ選手自身も、また、アレクセイ・ミーシンコーチも言っているらしい。
「ある条件」とは、ようするに活動資金です。今後3年間にわたって、プルシェンコ選手や、彼のスタッフに対して、充分な資金援助が得られる場合、競技生活に戻るよ、ということのようです。スタッフとは、ミーシンコーチひとりのことでなく、チームドクター、トレーナー、メンタルトレーナー、コレオグラファー、といった人たちのことです。
じっさいに、彼らがどれほどの金額を「充分な資金」として見做しているかは明言されていません。
復帰がなれば、ロシアナショナルチームのフィギュアスケーターとして、またそのコーチとして、プルシェンコ選手にはロシアスケート連盟最大の毎月5000ユーロの強化費が出る予定であり、彼のスタッフもまた幾分か強化費を受け取るもよう。
ちょうど最近、円安ユーロ高みたいなことが言われていますけど、いまのレートで換算してみると、この強化費5000ユーロは、80万円ほどになります。この金額は「充分な資金」に満たないとプルシェンコ選手は判断しているということです。
プルシェンコ選手は、プロスケーターとして自分が活動した場合に得られたであろう収入の、言わば休業補償も、自分に対して支払われるべきである、と考えているようです。
オリンピックチャンピオンを競技会に戻って欲しいと要請するとき、準備の代価をチャンピオン自身が支払うのはおかしい……というのがその理由。
復帰が自発的なものでなく、あくまで「国家の威信」を保つためにと懇願されての結果であるなら、プルシェンコ選手の主張にはもっともな部分もあるかもと思います。
ただ、スポンサーからの大資金を得るなら、注意が必要だとも、記者は書いています。スポンサーは無邪気なファンではない、資金提供する以上は、バンクーバーでの勝利の確約を欲するだろうから、というのです。
かつて、何人ものオリンピックチャンピオンが、いったん現役を退いたあと、競技会に復帰、オリンピックに挑みました。成功した選手もいます。でも、失敗した選手もいた。
かつて、男子フィギュアスケートには、ふたつのレベルがあった、と、記者は書いています。すなわち、プルシェンコ選手の演技と、プルシェンコ選手以外の選手の演技とです。彼我の差は大きく、プルシェンコ選手はいかなるときも1位を保つことができました。しかし、復帰後の彼は、かつての指定席に戻ることが、そんなに簡単にできるのでしょうか? 過去の名声はなんら勝利の保障になりません。
プルシェンコ選手は5月からアイスショーのツアーに出る予定になっており、ミーシンコーチの発言によると、6月から新プログラムの作成に入る予定だそうです。なんとグランプリシリーズにも出場を予定している(本気!?)そうですが、6月からSPとFSを作り始めて、9月末から始まるグランプリシリーズでよい演技ができるのかどうか、国内でも疑問視するむきはあるみたい。
また、プルシェンコ選手には、政治活動をあきらめるつもりがちっともないようです。ペテルブルクの市会議員選挙に立候補するとかいうニュースが以前ありましたけど、続報がなかったところを見ると、まだ選挙には出ていないか、当選していないかで、いま現在彼が市会議員であるということはなさそうなのですが、近い将来の政界入りを、相変わらずプルシェンコ選手は本気で目指しているらしい。
そんな、さまざまに不安材料にも関わらず、かつて、世界チャンピオンふさわしい技術をプルシェンコ選手が取り戻せることを、ロシアのファンたちは、結局は疑っていないようです。ロシアのファンたちが疑っているのは、むしろプルシェンコ選手のスタッフたちみたい。
ステファン・ランビエール選手の「フラメンコ」、高橋大輔選手の「オペラ座の怪人」、ブライアン・ジュベール選手の「007(ははは。これだけSPだわ)」。レベルが高く、エンターテイメントとしても魅力的で、会場を浮き立たせジャッジの加点をもらえるような優れたプログラムを、いままでのスタッフではプルシェンコ選手に提供することはできないのではないか。相変わらずの古風なプログラムでは、以前よりはるかに実力差が詰まっているライバルたちを撃退しきることはできないのではないか。ロシアのファンたちは、ロシアのコーチたちのセンスは時代遅れで、新採点法に対応しきっていないのではないかと心配しているようです。また、プルシェンコ選手自身が、身に馴染んだ演技を好む傾向があるのではないか、とも危惧されています。
トリノを獲った「トスカ」は、バイオリニストのマートン氏とコラボレーションした2作めのプログラムだとか。マートン氏とプルシェンコ選手は、エキシビジョンプログラムでも数多くすでにコラボレーションしているため、新しくまたコラボプログラムを作っても、どうも「なんか見たことある」演目になってしまう。気分を一新して、マートン氏から離れた新プログラムが見たい、と。これは記者の意見か、ロシアファンの代表的な意見かどうかはわからないのですが、そのように記事には書いてあります。このへんの文章がタイトルの由来ですね。
個人的な希望をいうなら、まえにもブログでちょろっと書いたことあるけど、灰原、プルシェンコ選手に、一度、デヴィット・ウィルソン振付のプログラムを滑って欲しいんですよね。ウィルソン氏の構想がどんなに暴走しても、プルシェンコ選手ならどーんと受け止めて滑りこなせると思うし、うーん、ぜひ、プルシェンコ+ウィルソンのタッグ、見てみたい!
いずれにしても、プルシェンコ選手が復帰を明言しているのは来シーズンのみ。まだオリンピックを目指すかどうかもわかりません。
来シーズンのプルシェンコ選手のライバルとして、ランビエール選手やジュベール選手とともに、新勢力として、トマシュ・ベルネル選手と高橋大輔選手の名前も記事にあげられていたのが、なんだかうれしかったです。





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