※この記事は「東京ワールド女子FS感想・その1(http://ameblo.jp/haibaran/entry-10028888380.html )」からの続きです。よろしければ、前の記事も読んでいただけると、うれしいです。


・総合2位 浅田真央選手
3Tの回転不足はありましたが、ほぼノーミスの完璧なFS。素晴らしかったです!
ステップインの3Aは完全にものにしたように見受けますね。キミーのルッツじゃないけど「寝てても跳べ」そう。来年は3Aにコンボつけてくるか、それとも棚上げになってた4Lo挑戦かな。楽しみですね。
3+2+2を決めたあとのガッツポーズに伊藤みどりさんを思い出しました。山田満知子コーチも、伊藤みどりさんも、きっとこの演技を喜んでおられることでしょう。
演技終わったあと、また泣いちゃいましたね。高橋大輔選手もですけど、自国開催だけに国内チャンピオンとしての責任も感じるし、苦しかったと思います。その中であの演技をしてきたのは、やはりすごいです。
FSは1位。ジュニアゴールドメダルおめでとうございます! 来年はおっきい金メダル目指して、頑張ってください!


・総合4位 キミー・マイズナー選手
得意の3Lzでパンクしちゃってから、勢いに乗れなかった印象のキミー。ストレートラインステップでずいぶん自分の演技を取り戻したように思いましたが、それでも全米や四大陸のときのような凄みは正直にいって感じなかった。ディフェンディングチャンピオンというタイトルの重みが、彼女にものしかかっていたのでしょうね。
おおかたの予想通り3Aは回避してきたわけですが、うーん……このメンバー相手に世界で金メダルを狙うならやはり3Aからはいずれ逃げられないとは思う。今回優勝ラインは190点前後になるというのは、出場選手のPBから類推できていたわけで、それでも跳ばなかったということは……もしかしてキミー、3Aの確率が落ちてきてるんじゃ?? 最近、体型変わってきてますしね。試合で跳ばないと勘は鈍るはずですから、来年はGPSからもっと積極的に3Aを入れてきたほうがいいのではないかと思いました。
キスクラで点数を待つあいだ、顔をしかめているのが可愛かったです。来年は3A期待してます! アメリカはぎりぎりセーフで来年も3枠確保おめでとうございました!


・総合1位 安藤美姫選手
新しい衣装は深い赤色。有名な衣装デザイナー、タニア・バスさんの作ですね。タニア・バスさんはエミリー・ヒューズ選手や、かのイリーナ・スルツカヤ選手の衣装も担当したデザイナーさんです。ハイネックで背中が大きく開いた衣装のかんじ、たしかにスルツカヤっぽいかも。ちなみに、トリノ五輪のとき、衣装をロストバゲッジしたスルツカヤ選手のために急遽作成した衣装を、エミリー・ヒューズ選手に言付けてスルツカヤ選手に届けさせたのがこのタニアさんです。なに考えてるんですかねーライバルに運ばせるなんて! エミリーは「衣装には手も触れてないわよ!」と当時笑ってコメントしてましたが。エミリーへの信頼感絶大。そんなタニアの衣装。前の黒い衣装も素敵でしたけど、赤だと肌に映えて顔色がよく見えますね。美姫ちゃんにとってもお似合いです。
冒頭の3Lz+3Loが勝負どころなのはSPと同じ構成。つぎのサルコウ、クワドを入れてくるならここだったわけですが、トリプルにしてきましたね。すごく高くてダイナミックな3Sで、これは加点あるでしょうと思ってプロトコル確認したら、やはり1点以上の加点。安全策は成功です。
スパイラルでぐらついたところで若干ひやっとしましたけど、あとはまったく危なげない演技でお見事。フィニッシュのスピンも、肩の故障のためビールマンは回避しつつも、両手で肩口でキャッチフットして、現在の状況でぎりぎりの難度を出してきました。ほんとうに頑張った演技だったと思います。
安藤選手の勝利は、もちろん演技の素晴らしさによるところも大きいと思うのですが、というかほとんどだと思うのですが、勝利の原因のほんの一部には、ニコライ・モロゾフコーチの情報戦の勝利、そして安藤美姫選手のくじ運の勝利もあったように思いました。
モロゾフコーチが4回転4回転言っていたのは、他の選手へプレッシャーを与えるためもあったと思う。そして、安藤選手が引き当てた最終滑走という順番は、通常なら「運が悪い」とみなされる滑走順ですが、じっさいの滑走まで手の内に4回転を隠して、他選手へのプレッシャーをかけ続けられるという意味で、素晴らしい滑走順でありました。
昨シーズン絶不調からトリノ五輪代表選出、トリノ五輪での「惨敗」、キャンベルズカップでの劇的な復活、GPFでの体調不良、全日本選手権での肩の脱臼……と、この一年、あまりにもいろいろあった安藤美姫選手。つらいことも多かったと思うけど、いまやすべての苦難が金メダルの輝きのために用意されたように思える。
もともと素晴らしいポテンシャルを持った選手でしたが、ここ一年、見違えるほど上手くなりましたよね。来年は4回転期待します! 今シーズンずっと、応援させてくれてありがとう。ほんとうにおめでとうございました! 


荒川静香さんはほんとに安藤美姫選手を可愛がってますね。あのクールビューティが、自分の五輪金メダルでも泣かなかったのに、安藤美姫選手優勝で泣くとは! じつのお姉さんのようです。
しかし、今回の世界選手権、真の勝者はニコライ・モロゾフコーチだった気もします…。まだ31歳なのに、もはや世界一のチャンピオンメーカーですよ。場外戦の堂に入りっぷりは、恩師タチアナ・タラソワ女史仕込みなのかもしれません。


……今日、アクセス解析を見ていたら「ライアン・ブラッドリー 衣装」「トマシュ・ベルネル 衣装」で検索してこられている方が何人かいらっしゃるのを発見。
心の友だと思いました。これからも、ともに手を携えて素っ頓狂な衣装にチェックを入れていきましょうね!