※この記事は「銀メダルは金メダルの卵? その1(http://ameblo.jp/haibaran/entry-10026059466.html )」の続きです。よろしければ、まえの記事から読んでいただけると、うれしいです。※
さて、インタビューは、久々に帰ってきた祖国の印象を尋ねるところから始まっています。
インタビュアー:12年間のアメリカ生活を終えて帰国したあなたは、いまロシアで注目の的ですね。どんな気分ですか?
ズーリン氏:正直にいっていい気分ですよ。いまの人気がいつまで続くのかなあ、とは思いますけどね。好きなように時間も使っています。芝居やったり、サッカーやテニスをしたりね。調和の取れた生活だと思います。
インタビュアー:アメリカでは自由時間は取れたんですか?
ズーリン氏:ええ。でも、思索にふける時間は足りなかったかな。私は猛烈に働いて、そこからさまざまな知恵を得たのです。
インタビューが掲載されている媒体は「Psychologies Magazine」という、ロシアの雑誌なんですけども、哲学とか、メンタルトレーニングとか、基本的にそういう内容の雑誌なんですかね? スケートについてよりも、メンタルについての質問が目立ちます。
ちょっとした精神のトゲが大失敗にも繋がりかねないフィギュアスケート、トップ選手になればなるほど、精神修養も必要になってくる気がする。たしかに、選手としてトップクラスに立ち、その後、コーチ、コレオグラファーとして金メダリストを育てたズーリンさんの「心の持ちよう」って興味ありますよね。
前シーズンの世界選手権で金メダルをとり、優勝を期待されて出場したリレハンメル五輪で、同門の先輩(なんですよ。そういう相手が最大のライバルだってあたりですでにプレッシャー…)のロシアンカップル、グリシュク&プラトフ組に敗れて銀メダルに留まったことについて、ズーリン氏は、だいたいこんな感じに語っています。
ズーリン氏:私ははじめ、銀メダルは失敗だと思いました。私たちのチームは、優勝を期待されていましたから……。
たぶん、私たちは競技のどこかでミスを犯したのです。ミスの理由を、自分の他に求めることはできなかった。世界がひっくりかえったように感じ、私は話すこともできなくなりました。私は一生懸命考えました。
「よく考えてみろ。俺の人生を、銀メダルは台無しにするのか? たくさんの選手たちが、色はどうでもメダルが欲しくて死力を尽くすのだというのに?」
そうやって気持ちを変えていくことによって、気持ちが安らかになっていきました。私は、競技者としての生活は、私の人生の第一章にすぎなかったと悟りました。そして、その章を、自分は書き終えたのだと。
経験のおかげで、タチアナ(ナフカ)とロマン(コストマロフ)を指導したとき、私は勝負の極意を知っていました。
このチームにももちろん敗北はありましたが、負けてもポジティブな気持ちでミスの検証に取り組むことができました。都度、正しい結論を引き出していけば、ミスは引きずらないものです。むしろ勝った場合にこそ、厳しい気持ちでつぎの目標を設定することが必要です。
勝って兜の緒を締めよ、か。調子いいときはガンガンいこうぜ! じゃないんですね。
なんとなく、もろもろのインタビューを読むにつけ、ロシアの人たちの精神性って、ちょっとストイック気味というか、やや東洋的な雰囲気があると感じるのですが、だからこそ、ロシア(っつーか旧ソ連)のコーチは日本人スケーターと相性がいいのかもしれません。
自分の敗北体験を糧に、理想の選手を育て上げる、なんて……『巨人の星』みたいですよね。
たしかに、失敗したことがない人は、失敗するポイントも、失敗を乗り越える方法も、わからないですものね。失敗から学べることは数多い……ってことだよなあ。
ロシアに戻った理由については、ズーリン氏はこのように語っています。
ズーリン氏:私自身の栄光、教え子の成功、そして、大事な家族の幸福。すべてを私は手に入れました。これ以上、目指すべき「目標」って、あるんでしょうか?
私たちはスターズ・オン・アイスを抜けて、ロシアに戻ることにしました。私はモスクワで新しいグループを教えることを楽しんでいます。
いま、私は、つぎの目標を見出さなければなりません。なんでもいいんです。つぎのチャンピオンを育てること、なにか本を書くこと、映画を作ること、家を造ること。なんでもいいんだけど……私は、目標なしに生きることはできない。流されるように過ごしていると、生きているって実感が湧かないんです。
ナフカ&コストマロフ組が引退してから、いまはいわゆる充電中みたいなズーリン氏。プログラムを作ったり、コーチングの手伝いをしていたりするみたいなんだけど、それだけではやりがいがないらしい。
アメリカにいるときは、自由時間がなかったみたいにボヤいていたけれど……基本的にワーカホリックなのかなあ。なにしろ、旧ソ連のスポーツエリート、小さい頃から目標設定→達成を叩き込まれてトップに上がったのでしょうし。ピリピリした勝負と縁がない生活は、楽でいいかもしれないけど、やっぱりスパイスが足りないと思うのかも。
しかし、旧ソ連組のコーチって、ワーカホリックタイプが多いように思えますね。ニコライ・モロゾフコーチも「いつそんなに仕事をしているのだ」と思うくらい、いろんな選手にプログラムを提供しているし、アレクセイ・ミーシンコーチも、国内選手のみならず、ステファン・ランビエール選手やカロリーナ・コストナー選手にもレッスンをつけていたみたい。
最後に「ミドルエイジクライシスは起きましたか(直訳で中年の危機。日本的に翻訳すると、そろそろ本厄ですけど、なにか厄はありましたか? みたいな感じでしょうか)」という質問に対しては「40歳の誕生日前には、3週間くらいものすごく機嫌が悪くて、ターニャ(奥さんのナフカの愛称ですね)に心配をかけました。だけど、誕生日の翌日から、生まれ変わったみたいに気分が良くてね。厄は落ちたみたいですよ」と、明るくポーズをとるズーリン氏。充電期間を終えて、本格的に誰か選手を特訓しだすのはもうすぐかな?
「カルメン」みたいな古典的なのもいいけど、モダンなナンバーにも面白い振り付けがたくさんある方ですし、最近のフィギュアスケート界は、以前みたいな「メダル獲るにはクラシックでないと!」ってこともなくなってきているので、斬新なナンバーを、ぜひ、たくさん世に送り出して欲しいです!
(いちおう説明。FSUというのは、フィギュアスケートユニオンの略。世界最大(多分)のフィギュアスケートファンフォーラムです。登録制で、基本的に無料ですが、一部有料コンテンツもあります。登録には若干の英文読解が必要になりますが、英語力中学生以下の灰原でもなんとか登録できました。HPはこちらです。→ http://www.fsuniverse.net/
)
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