このあいだ、桃木先生と話していたとき、「灰原さんて、スケーターの衣装とか髪型とかにうるさいよね」と言われてしまいました……。
……うるさいですかね。たしかにしょっちゅうブログでも、衣装についてあれこれ書いちゃってるか。灰原、衣装について考えるのが好きなんですよ。選手によって、映える衣装ってやっぱりあると思うし、それに、プログラムに合った装いのほうが演技に引きこまれる気がするんです。勝手に頭の中で、選手たちに、いろいろ衣装をお見立てするのも、灰原にとってはスケートを見る楽しみのひとつなのです。
今シーズン、ぱっと見て「わ、いいな」と思ったのは、ジョニー・ウィアー選手の「キング・オブ・チェス」の衣装とかかな。少女めいた美貌のジョニーが、やわらかそうな巻き毛をルーズなオールバックにしているのも退廃的な風情で、かなりグッときました。
高橋大輔選手は、やわらかいイメージのSPの衣装も似合っていると思いますが、フリーの「オペラ座の怪人」は、曲のイメージとぴったりで素敵! 「ナンだ!?」に出演したとき、ジャパンジャージのメンバーたちから、試合前に丹念にヘアセットを整えると暴露されていた高橋選手、SPとフリーじゃ、ヘアセットも変えてますよね。SPはふわっと、フリーはタイトに。ニコライ・モロゾフコーチは、選手の衣装や髪型などにも細かいアドバイスをするそうで、高橋選手もシーズンまえに、モロゾフコーチ肝煎でヘアカットした……というような記事をどこかで見た気がする。
織田信成選手も一時オールバックにしていましたが、国体では短くカットしていましたね。頭頂部がぽわっとした髪型が復活していて、うれしかったです。
織田選手のあどけない少年っぽい雰囲気って、ものすごい魅力だと思うんですよ! 無理に髪型で大人っぽくしないでも、ふとした表情とか、ずいぶん大人っぽくなってきたと思いますし。織田選手の、頭頂部のぽわぽわ感は、ぜひとも保存していただきたいです。
織田選手の今期の衣装は、SP、フリーとも、タイトなシルエットですが、思うに、女子選手に比べて、男子って上半身にひらひらがが多いですよね。ブライアン・ジュベール選手のフリー衣装も、アシンメトリーなひらひら系だし。スピンやジャンプのときに、パッと翻ると見栄えする、ということですかね。
どうして女子は、ふわふわ、ひらひら、しないんでしょう? スカートのひらひらを映えさせるため? それとももしかして、身体の線を隠すデザインだと、レイバックとかが綺麗に見えなかったりするのでしょうか?
今年のサラ・マイヤー選手のフリー衣装とか、ドレスのシルエットはタイトなんだけど、腕に巻きつけたオーガンジーのリボンが、スパイラルのときとか、映えて素敵ですよね。太田由希奈選手とか、腕の動きが綺麗だから、ああいうリボンあしらいが似合う気がする。試してみて欲しいなあ。
ところで、そんな、衣装好き灰原にとって、衝撃的な記事を、北米サイトで見つけてしまいました。こちら → http://www.denverpost.com/sports/ci_5181586
例によって、フィギュアスケートポータルサイト「Golden Skate」にリンクされていた記事です。
「Changing perceptions of skaters」と題されたこちらの文章、メインで語るところは、北米では、女子スケーターに対して、男子スケーターの地位がやや低い……というようなことです。
昨年世界チャンピオンとなり、今年ついに全米女子チャンピオンとなったキミー・マイズナー選手には、CMやタイアップのハナシが降るようにやってきているというのに、それと比較すると、男子チャンピオンとなったエヴァン・ライサチェック選手には、企業からのオファーがあまりないとか。
フィギュアスケートが国民的娯楽であり、プルシェンコ選手、ヤグディン選手といった男子スケーターが人気を集めるロシアに比べると、アメリカでは「スケートは女子の競技」というイメージが強い……と分析した上で、ライサチェック選手が「スケートは女子のためのものだ、という一般的なイメージを、僕が覆していきたい」と語ったと、この記事では伝えています。アメリカにこだわらず、グローバルな視点でショーなどでも活躍していきたいそうです。
アメリカ男子スケーターの未来を双肩に担おうとするライサチェック選手の心意気を、すごいなあと思いつつも……ごめんなさい! この記事で灰原が着目したのは、インタビューの前段。ライサチェック選手が衣装について語っているところだったのでした。
以下、記事の英文をまんま引用します。
"We've got a lot of sequins going on," Lysacek said. "I'm doing the best I can to change that and wear high-fashion designers and trying to get design out there and masculine clothing, a masculinity and a simplicity and put the focus on the skating instead of the glitter."
一応、灰原の不正確な意訳もくっつけときますね。↓
「僕たちはたくさんのスパンコールに飾られてきました」ライサチェック選手は言った。「僕は優秀なデザイナーの助力を得て、より男性的な方向へ、コスチュームの改革を試みています。シンプルで男性的な衣装を使うことで、スパンコールの煌きの代わりに、スケーティングに注目を集めたいんです」
ライサチェック選手の今期の衣装が、SPもフリーもブラックベースの、比較的地味なデザインだったのは、たまたまとかじゃなくて、本人の意思だったのですね。
たしかに、バレエなどでも、クラシックで華やかな衣装に対抗する試みとして、シンプルな衣装で踊ることがありますよね。コンテンポラリーやモダンバレエだと、練習着と代わらないようなレオタードが衣装だったりもするし。たしかにシンプルな衣装のほうが、踊りの実力はよくわかると言われています。日舞でも、素踊りだと誤魔化せないって言いますもの。
シンプルな衣装をあえて選んでいきたい、というライサチェック選手の発言は、自分のスケーティングへの自信の表れでもあるのでしょう。頼もしい……と思いつつ、正直ショック……。
だって、ライサチェック選手、スパンコールたっぷりのマタドール衣装、よく似合ってたんですよ、ほんとに! でも、いっぺんシンプルを極めたいってことだと、しばらく派手衣装は見送りですかね。残念だなあ。そんなにスパンコールを嫌ったもんじゃないと思うんだけど。
シンプルの奥義をつかんだライサチェック選手が、いつかまた、キラキラスパンコールの世界に戻ってきてくれる日を、心待ちにしております。
さて、そういえば、灰原が執筆を担当した小説版ダイナスティア、「偽りの花嫁」と「天上の舞姫」では、「コスチューム=いしょう」の表記が、ちょっと違うんですけど、気づいた方、いらっしゃるでしょうか?
「偽りの花嫁」では『衣装』、「天上の舞姫」では『衣裳』って表記にしてあるんです。作品イメージに合わせて、変えてみました。
いちど見比べてみてくださいね!
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