※本日の記事は、「モスクワの気の毒なジェームス・ボンド(http://ameblo.jp/haibaran/entry-10025037043.html )」のつづきです。フィギュアスケートポータルサイト「Golden Skate」に掲載された、フィギュアスケートブライアン・ジュベール選手のインタビューについて、感想を語っております。大変申し訳ないのですが、灰原の語学力は非常に乏しいため、内容について誤読の可能性もございます。お含み置きいただけるとうれしいです。原文もご覧ください。
☆Golden Skate 「Brian Joubert/In Peak Form」☆
http://www.goldenskate.com/articles/2006/012007.shtml
それでは、内容にGO!
さて、冒頭は面白エピソードで始まったブライアン・ジュベール選手インタビュー。
中盤に入るとシリアスに、フランス国内選手権において5連覇を誇るジュベール選手が、トリノ五輪によって味わった苦しみについてなども語られていきます……。
インタビュアー「(灰原不正確訳)このシーズンはあなたにとって素晴らしいものになりましたね。トリノオリンピックでは、あなたはメダルの有力候補だったわけだけれど……オリンピックを振り返って、お話をいただけませんか?」
という問いかけに対して
ジュベール選手「(灰原不正確訳)トリノオリンピックについては、まだあんまり冷静に考えられないんです。僕は、あの試合で、多くのことを学びました。いまは、2010年のバンクーバーに向けた準備を、早く始めたいと考えています」
と語っています。
2003-4シーズンのヨーロッパ選手権で、プルシェンコを抑えて優勝したこともあるジュベール選手は、母国フランスではもちろんのこと、スケートファンたちからはメダル有力候補とみなされていました。
しかし、ソルトレイクに続く2度めの五輪となったトリノでの成績は6位。
不本意な成績に、苦しんだとジュベール選手は語ります。
フリープログラムが彼にとって表現が難しかったことに加え、当時のコーチとのあいだに意見の食い違いがあったとか。
先日紹介したジョニー・ウィアー選手のインタビューもそうでしたが、コーチについてものすごく率直な意見が語られるので、少し驚いてしまいます。日本人的にはコーチというとどうしても「教えていただく先生」「目上の方」というかんじがするのですが、彼らにとっては「コーチは勝ちに導く係、選手は競技に出る係」であって、対等なのかもしれないですね。
さらにインタビューには、いまや日本人にもおなじみになった、かのコレオグラファーの名前も出てくるのでした……。
インタビュアー「(灰原不正確訳)じつは、トリノの2週前、あなたがグルノーブルで追い込みの合宿をしているのを取材したとき、私はニコライ・モロゾフ氏に、ジュベール選手はトリノのメダルに届かないだろうと聞かされたの」
こらこらこらー! なんてこというんだインタビュアー! ニコライとブライアン君が気まずくなっちゃったらどうする気よ!! ……読みながら焦る灰原。しかし、ブライアン君は、案外冷静に答えるのでした。
ジュベール選手「(灰原不正確訳)ニコライだけじゃないですよ。僕自身、メダルが獲れる気がしていなかった。僕は、僕とニコライの感じ方はとても近しいと思っていて、オリンピックのプログラムの手直しをするために、彼が戻ってきてくれるのをずっと待ってたんです。でもニコライはプルシェンコための仕事をしにいっちゃって……僕は傷つきました。そして、トリノのあとで、僕たちは、パートナーシップを解消したんです」
ジュベール選手は、昨季まで、ニコライ・モロゾフ氏の振付で滑っていたんですよね。とてもアレクセイ・ヤグディン選手に心酔していて、一時コーチチームにも迎えていたために、ヤクディン選手と同じモロゾフ振付での演技には「あまりにもヤグディンに似過ぎている」と批判もあったみたい。その布陣でプルシェンコ選手にも勝つんですけど。
ジュベール選手は、トリノシーズンのフリープログラムに不安を抱えていたようです。自分の滑りのリズムよりも振付のスピードが速すぎて、クワドを飛ぶだけで精一杯だったと語っています。オリンピックで勝つためにプログラムの作り直しをしたかったんだけど、ニコライが来てくれたのは、本番の2週間前。遅すぎる……自分を優先してくれないこの人と仕事を続けることはできない、と、考えたわけですね……。
……しかし、「モロゾフ氏が自分よりプルシェンコ選手を優先したために自分が後に回った」というようにジュベール選手は語っていますが、トリノ直前にモロゾフ氏がもっとも注力したのって、プルシェンコ選手より、むしろ荒川静香さんだと思うんです。優秀なコーチやコレオグラファーを確保するのがいかに激戦か、それに成功した荒川さんが、五輪直前引く手あまたの有力コーチを引き寄せるだけの輝きと、強運をもあわせ持っていたことが、このへんのコメントからわかります。電話のタイミングとかその時のニコライの気分とか、いろいろなものが作用した、あたりクジみたいなもんだったんだろうな。もちろん荒川さん自身の熱意もすごかったと思います!
さて、五輪での惨敗(6位入賞ですが、本人にとっても、フランス国民にとっても惨敗だったのです)から帰国したあと、暴力的なまでにマスメディアに叩かれたことも、ジュベール選手は語っています。
ジュベール選手「(灰原不正確訳)フランスのジャーナリストは全員、僕を殺したいと思ったみたいですよ。負けて帰った僕に、みんなはひどいことを言いました。僕の家族まで中傷された。オリンピックまえに、僕は神のように扱われたけれど、終わったあとは犯罪者でした。僕はびっくりしてしまって……だって、僕は人を殺したりしたわけじゃなくて、スケートを上手く滑れなかっただけなんです。でも、ジャーナリストたちは、すべての上手くいかなかったことは、僕の母の責任だというようなことを言いたてた。幸いにして、フランスのマスコミには僕に友情を持ってくれている人たちがいて、論調をセーブしてくれました。それにはとても感謝しています。だけど、僕は二度とスポーツ大臣(フランスにはスポーツ省があります)とは口も利きたくないな。彼は僕についてほんとうにひどいことをたくさん言ったんです」
ジャーナリズムからバッシングされたのも気の毒ですが、大臣、なに言っちゃったんでしょうね。
ヒートアップぎみのジュベール選手に、インタビュアーは「より幸せなトピックに移りましょう。ブルドッグの『ブレード』はどうしてますか?」と訊ねます。ジュベール選手のわんちゃんはブレードというんですね。スケート選手らしい名づけです。それにしても「より幸せなトピックに」って、自分がキナくさい話題に持ち込んだくせに、しれっとよく言うよ! と、インタビュアーへのつっこみはさておき。
わんちゃんに話題になると、ジュベール選手はとろけるように語ります。
ジュベール選手「(灰原不正確訳)ブレードはもうパパですよ! イギリスのブルドックと繁殖して、1ヵ月まえに6匹の子犬が産まれたんです。
ブレードはいいヤツなんだけど、ほかのオス犬を見つけると喧嘩を始めちゃうから、表に出すときは、僕ら家族でがっちり見張ってなきゃいけません」
あの……ほかの犬とすぐ喧嘩を始めるブルドックって……もしかしてわりとダメ犬なんじゃ……。
灰原、心のツッコミ。失礼しました。ブライアン君はそんなブレードと子犬たちにメロメロ。6匹とも里子に出さず、自分ちで飼うつもりだそうです。
ブルドックを6匹多頭飼い!! なかなか大変そうですが、子犬ちゃんたちは、いまからちゃんとしつけをしといたほうがいいよー……と、フランスの空にテレパシーを送ってみたり……。
さて、インタビューは、ジュベール選手の家族についての質問に移ります。
どうやら、ジュベール選手のお父さんはサッカーファンで、息子がフィギュアスケート選手でなくサッカー選手であったら良かったのに、と、言っているらしい。お父さんのその態度は、あなたの競技生活に影響がありますか? という問いかけにたいして
ジュベール選手「(灰原不正確訳)父はサッカーが好きで、フィギュアは好きじゃありませんから、僕がサッカー選手になったほうが嬉しかったと思います。僕がすごく小さいころに、競技会に来てくれたことがあるけど、すごく嫌だったみたいだし、二度と行きたいとは思わなかったみたいで。僕たちはいつも「今日は試合に来てくれる?」って訊かなきゃいけなかった。……小さい頃、僕にとってそれは悲しいことだったけど、いまはもう、そういうもんだなってわかってます。僕は22歳だし、父親に見にきてもらうことは、もう必要じゃないんです」
ええええええー。
だって、それは悲しいよ、ブライアン君。一生懸命やっていることを、大好きなお父さんにどうでもいいように扱われたら、子どもが全然傷つかないわけないよ。
美形で、4回転をいっぺんの演技で3回も跳べちゃって、ヨーロッパのアイドルで五輪に二回も出てて、順風満帆に見えるジュベール選手にも、そんな寂しい部分があったのか……と思うと、なんかねえ。たまらんというか。
しかし、続く「お父さんがあなたに言ってくれた一番素晴らしいことはなんですか?」という質問の答えがまた、なんともいえない。
ジュベール選手「(灰原不正確訳)2004年ヨーロッパ選手権でタイトルを獲得したあと、家に電話した僕に、父は叫ぶことで答えてくれました。父はずっと、テレビで選手権を見ていたそうです。父は、僕のことを、みんなに自慢したといいました。もうそれだけでいいんです。僕の父は、ひとりぼっちでいることが好きだけど、とてもいい父なんです」
やばい。泣く。泣きそう。ああ、良かったねえ、ブライアン君。その瞬間の、彼の達成感、満たされた気持ち、そういうものすべてが、短いコメントから胸に迫ってきて、ほんとに灰原、涙目です。しかし、息子は「もうそれだけでいい」と言っているが、ブライアン君のお父さん、どうかたまには、テレビでいいから競技会も見て、激励のひとつもして欲しいと願わずにはいられません。家族のことなんでね……余計なお世話だけど。
あなたの息子は、ジダンと同じくらい偉大なアスリートなんですよ!
なんだか湿っぽくなってしまいましたが、灰原けっこうおばちゃんなので、弱いんです。父と子とか、そういうのに。失礼いたしました。
……さて、インタビューは、現在の練習のようすや、世界選手権への意気込みについて、など、続いたあと、つぎのやり取りで締括られます。
インタビュアー「(灰原不正確訳)2006年に見た、好きな映画はなんですか?」
ジュベール選手「(灰原不正確訳)「007 カジノ・ロワイヤル」です。まるで自分がダニエル・クレイグの演じるジェームス・ボンドになったような気がしました」
世界選手権も、007、頑張れ!
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