※この記事は、「富士通の恩返し・その1(http://ameblo.jp/haibaran/entry-10023019746.html )」の続きです。よろしければ、まえの記事から読んでいただけますと、うれしいです。
さて本日の試合。決勝戦の前半は、シャンソンペースで進みました。富士通のエースセンター・三谷藍選手は、ハイポストプレイヤーでありながらシューティングガードなみの3P精度を誇る、敵からするとほんとに嫌なスナイパーなのですが、この三谷選手のシュートが決まらない。マッチアップの永田選手のディフェンスも効いていたのでしょうね。
ばかりではありません。富士通のエースガード船引かおり選手が、シャンソンガード・相澤選手のクイックモーションに引っかかって、がんがんファウルを取られます。試合前半でなんと4ファウル! 5ファウルになってしまうと、選手は退場、二度と試合に戻れなくなってしまいます。後半の勝負どころにそなえて、富士通は船引かおり選手をベンチに下げます。エースガードを欠いた富士通は浮き足立ち、その隙に得点を重ねるシャンソン。なんとか追おうとする富士通、こんどは船引まゆみ選手にファウルが量み始めます。第3クォーターでまゆみ選手も4ファウル! これまたベンチに下げざるを得ない。エース三谷選手はリングに嫌われたまま、このままシャンソンがじりじり引き離すか、と思いきや、第3クォーター中盤から、富士通・矢野姉妹、とくに良子選手に3Pの神が降りる。打てば入るの神がかり状態となった良子選手の3P連続成功で、一時は8点ついた差をみるみるひっくりかえし、かつ富士通が13点リードで最終クォーターに入ります。
最終クォーターに入っても富士通の勢いは止まらず。ゲームに戻ったエースガード・船引かおり選手が、イキのいいプレイでチームのラストスパートを引張ります。シャンソンの選手たちはそれぞれ、身体を張ったプレイでゲームの流れを変えようとします。ディフェンスフォーメーションも、ゾーンを変えたり、マッチアップを変えたり、マンツーにしたり、といろいろ試すのですが、いまひとつ上手く機能しない。船引かおり選手の5ファウル退場後も富士通は優位をキープ。昨年に引き続き、富士通が皇后杯を手にしたのでした。
負けたシャンソンベンチ、タオルを被って、悔しげな顔をしている、相澤選手の姿が印象的でした……。
シャンソン、相澤優子選手は、変わった経歴がある、と書きましたよね。
ほんの5、6年くらいまでは、バスケの有力選手は、高校を卒業してすぐ社会人に入っちゃうことが多かったんですね。18歳でデビューして、20前後でチームの中心選手、ひとつのチームにずーっといて、1~2度のオリンピックシーズンを経験し、25歳くらいからなんとなくスタメンから外れていって、28歳前後で引退、というパターンが、とても多かった。
相澤優子選手も、聖和学園高を卒業後、18歳でシャンソン化粧品入りします。当時の女子バスケはシャンソンとJOMOの2強時代。相澤選手は入団後、6度の日本リーグ優勝を経験します……ようは所属チームが6連覇したわけです。
ところが、24歳、ベテランと呼ばれるようになっていた相澤選手は、選手として脂が乗り切っていたにも関わらず、シャンソンを退団。東北学院大学に入学します。この進学は、教員資格をとるためでした。
大学に入った相澤選手は、当初、バスケ部に入るつもりはなかったそうです。しかし、バスケ部監督からラブコール。請われて入ったバスケ部で、相澤選手は年下のチームメイトたちを猛烈にコーチング。自身も学生MVPを獲得する大活躍で、4年生の冬には、ついにチームをオールジャパン出場にまで導きます。
大学卒業後、教員、指導者として歩もうと考えていた相澤選手に、ふたたびラブコールをする人物が現れます。当時、WJBL2部に所属していた富士通の、李玉慈監督。富士通のトップリーグ入りを要請されて監督に就任した李監督は、若いチームの支えになる、技術に長け精神性に優れたベテランを探していた。東北学院大学の実力を、4年間で急激にに底上げした相澤選手は、理想的な選手だったわけです。
「才能はあるけど、勝ち方を知らない、若いチーム」だった富士通を、李監督のコーチングと、相澤選手の存在が、ぐんぐん力強くしていきます。現富士通のエースである三谷藍選手や船引姉妹は、相澤選手に鍛えられた選手たちです。
そうして相澤選手を迎えた富士通は、ほんの2年後には、オールジャパンで準優勝を飾るほどのチームになりました。驚くほどの伸びです。
2005年シーズンで、恩師・李監督の富士通退任とシャンソン移籍(現在、李玉慈氏は韓国代表監督。シャンソンでの役職は技術顧問です)に同行し、相澤選手は古巣・シャンソンに復帰。昨年、今年と、自分が鍛えた後輩たちと対戦することとなったのでした。
まだ富士通に入ったばかりのころのインタビューで、相澤選手、三木選手や船引選手に、「汚いプレイも教えてる」って語っていました。きれいなプレイだけでは、トップリーグでは勝てないから。相手のファウルを誘うフェイク、騙すプレイ、それもバスケの技術のひとつだから。
よく、スポーツの世界で、恩返しって言います。自分を育ててくれた先輩と闘い、全力を発揮して勝つ。育ててくれた人を、超える。それが、なによりの恩返しだというのです。
負けた相澤選手……プレイヤーとしては悔しかったと思うけど、後輩の成長が、ちょっとうれしかったりはしないかな。富士通の強さは、確実に相澤選手の成果のひとつでもあると、灰原は思うのですが……。
バスケのほかには、右も左もわからない18歳の女の子が、実業団に入り、バスケ漬けの箱入りのまま選手生活を終える……そんな時代は、ここ2、3年で、パタっと終焉しました。アテネ代表を最後にいちどは競技生活か引退した、元JOMOの濱口典子選手は、アイシンに迎えられ現役復帰、プレイングコーチとして活躍しています。かつてシャンソンの看板だった山田かがり選手も、現役生活最後にはプレイタイムを求め、富士通に移籍しました(現在は引退)。現在富士通主力の矢野姉妹は、妹・良子選手はJOMOから、姉・優子選手はトヨタから移籍。ほかのチームにも、移籍選手はたくさんいます。
女子バスケ選手たちが、自発的にチームを選び、キャリアを選ぶ時代がやってきた。この流れの先駆者は……やっぱり相澤優子選手だった気がします。
相澤選手は、現在、シャンソンに在籍しながら、母校・東北学院大学バスケ部のコーチを引き受けています。指導者への道を、歩み始めているのです。
指導者として経験をつんで、いつか相澤選手は、日本代表監督になっちゃうかも。けっこう夢じゃない気がします。だって、相澤選手には、若い選手の力を、お互い楽しみながら引き出すという、特別な才能があるから。
だけど、指導者として、めったにない天分がある人だとわかっていても、ファンとしては、もう少し現役のプレイヤーでいて欲しい。ガッツあふれる相澤選手のプレイを見てもいたいんですよねえ……。
全日本学生選手権、中野友加里選手優勝、おめでとう!
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