※この記事は、『ジョニー・ウィアー(多分)かく語りき・その1(http://ameblo.jp/haibaran/entry-10022298107.html )』の続きです。できましたら、そちらから読んでいただけると、うれしいです。



さて、ファンとして、ジョニーに聞きたいところの核心、タラソワコーチとの師弟関係解消のあたりの事情についても、インタビュアーの踏み込み以上に、ジョニーは率直に語ってくれています。
「誰がどれだけ気を使っても、結局最後はお金の問題になっちゃうよね」
振付に携われば、当然ながらコーチにも報酬は発生する。アメリカにいるアニシナ氏が振付する場合、タラソワコーチががっちり携わることは難しい。それがタラソワ氏にとっては不満だったのではないか……ということですね。かなり率直な発言で、かつシビア。そういえば、ニコライ・モロゾフ氏もインタビューで、「選手時代タラソワコーチへのコーチ料はけっこう負担だった」みたいなことを語っちゃってるんですけど、コーチとの金銭関係についてスバズバ言ってしまうのって、日本のスポーツ報道だとわりとありえないので、読んでてびっくりしますね。
彼ら的に、コーチと選手の関係性が、基本的に対等なんだろうなあ。助言を授けるがわと受けるがわではあるけれども、身分差はないというスタンス、のような気がする。
もちろん、タラソワ氏が、金銭的な理由だけでアニシナ振付に反対したとは、ジョニーも言っていません。
「タチアナは、マリナは、トップクラススケーターの振付をする準備ができていないと言ったんだ。マリナのプログラムは、いま現在、世界的な勝利をもたらしてはいないから」。たしかに、いまのフィギュアの競技用振付って難しい。加点要素を盛り込み、美しく、かつ、観客にアピールするエンターテイメント性もなければなりません。熟練の振付師を使いたいというコーチの意向も理解はできる。
「だけど、おととしは、タチアナはズーリンさんについても同じことを言ってたんだよ」
あはは、ジョニーったら手厳しい。ズーリン氏のプログラムは、トリノ五輪、ナフカ・コストマロフ組に金メダルをもたらしました。メダルによって、タラソワ氏はズーリン氏を認める方向になったということのようです。
ジョニーはまた、こうも語っている……ように思えます。「たくさんの選手がいるけど、スケートファンが見ているのは『タチアナ・タラソワの弟子』『ニコライ・モロゾフの弟子』であって、選手自身の個性ではない気がする」と。ジョニーは、自分は、ほかのなにものかのようでありたくはない、と語っています。たとえばモロゾフ氏のやりかたのように、音楽から振付からワンパッケージで提供されたものを滑るのではなく、自分で音楽を選び、振付にも参加していきたい。「誰にも似ていないスケーターであることを、ぼくは恐れないよ」。
たしかに、まだ磨かれる途中のスケーターにとっては、コーチの色に染まることも、成長のステップとして重要です。ジョニー自身が、タチアナ・タラソワ氏に染まって成長したようにね。モロゾフコーチの教えをうけて、今年見違えるほど成長した安藤美姫選手や高橋大輔選手を見るにつけ、「それはアリ」だと灰原は思うの。
でも、いつしか独り立ちのときはやってくる。自分はもう、タラソワコーチの手から羽ばたくときだ……とまあ、ここまでジョニーは言ってませんですが、そういうことなんだろうな。ふうーむ。見た目は美少女めいたジョニーですが、言うことはかなり骨っぽいな。さすがに全米3連覇だけはある。
グランプリファイナルの棄権については、どうも故障が理由のようですね。風邪じゃなかったんだ。
そもそもSPの練習のときに足の筋がおかしいと思っていて、それでもフリーには出るつもりでいたら、フリーの朝起きたら足がガチガチになって、交差させただけで痛むようになっていたと。「アイスショーでのスケートを優先するために、ファイナルは棄権したんじゃないですか」というような意味合いの、ちょっと意地悪な質問に対しては、「たしかにショーで滑るほうが試合で滑るよりずっと楽で実入りもあるけど、ぼくは絶対、競技をないがしろにはしない。あのときフリーで滑る方法があったんなら、どんなことでもやったよ」と、ちょっぴり強い語調で語っています。
「でも、あんまり重要視しない競技会に、故障を偽って出ない選手もいるんでしょう?」という意味合いの、さらに意地悪な質問に対しては「あなたがたに見えないところでも、いろんなことが起こってるんだよ。たとえばぼくは、ロシアでの練習中にリンクで転んで失神した。もちろん表立ってそんな話はしないから、仮病だと思われることもあるだろうけど、そう思うならぼくに質問すればいいじゃない。聞かれれば、ちゃんと事情を説明するんだから。だいたい、ISUの競技会で勝ちたいと思ってなかったら、誰が好き好んで毎日寒いリンクでさんざん転びながら練習なんかするんだってことだよ。バスケットボール選手が、突き指したからビックゲームに出たがらないなんてことがある? ないでしょ?」と、お怒りぎみのコメント。
こういうインタビュー記事読むたびに思うけど、アメリカのインタビュアーって、わざとインタビューイーを怒らせてコメントを引き出すことあるんだよなあ。それに対して、選手にも受け答えの訓練ができている。日本のインタビュー記事だと、怒らせるってありえないですよね。だから選手も準備ができていないというか。オリンピックの合同記者会見とか、外国記者の突っ込みが厳しすぎて、固まってしまうことがあるじゃないですか。
スケートに限った話じゃないけど、これから、日本のトップ選手は、技術面で海外のコーチを入れるのと同時に、マスコミ対応にも海外の経験者のレクチャーを受けたほうがいいかもしれません。
そういう意味では、プロテニス選手は、日本人でもインタビューに対してタフですね。テニスの場合は、それなりの大会だと試合後の記者会見が恒例で、インタビューがつまんない選手は、記者が集らない→媒体に載らない→スポンサーが離れる→活動資金に苦労する、という、わかりやすい図式があるからかも。ヴィーナス・ウィリアムズとか、強いのもそうですが、記者会見が面白いのでも人気がありますよね。
とにかく長ーいインタビューなので、内容は全部書ききれないのですが、インタビューのラストは「いろいろやることが多くて、忙しいみたいだけど、ちゃんと寝ているんですか? もうじき全米選手権もあるし……」という質問に対して「Yeah, Johnny's not sleeping anytime soon.」つまり「うん。しばらくのあいだは寝るヒマなさそうだよね」と締括られています。
本国アメリカでは、アイスショーばかりでなく、ファッションショーなどにも出演しているというジョニー。このインタビューの中にも、華やかな活動への言及があります。
スポーツ選手が芸能活動すると、批判されがちだけど、文句を言う人たちに、ちゃんと練習やってるってとこ、見せつけて欲しい。
全米4連覇目指して、頑張って!



ところで、アメリカのフィギュアスケートファンブック「インタナショナルフィギュアスケーティング」のバックナンバー、表紙が、ジョニー・ウィアーとプルシェンコが腕相撲してるみたいなかんじで映ってるの、ふたりともすごい可愛い!
映像はこちら→ http://www.wfsreport.com/images/IFSAd.jpg
今号は、「The Sun Rises on a New Power」と題して、特集は日本の若い選手たちについて。表紙は浅田真央選手と安藤美姫選手です。
雑誌の特集と関連して、ネット上でも特集記事が組まれています。コリオグラファーのデビット・ウィルソン氏(澤田亜紀ちゃんや太田由希奈ちゃんなど、京都醍醐FSCの選手のプログラムに、ウィルソン振付が多い。ほかにも、キム・ヨナちゃんの今期フリーなどを手がけていらっしゃいます。少女の透明感を活かした、気品あるプログラムを作る方です←※すみません、醍醐やキム・ヨナちゃんの振付はトム・ディクスン氏。ウィルソン氏は織田信成くんの振付担当でした。勘違いしてしまった。ごめんなさい)の、日本のフィギュア環境に対するコメントなども書かれていて(あたりまえですがこれまた英語)興味深いです。ウィルソン氏のまとまったコメントって、灰原は始めて見たかも。
雑誌のほうは、もっと深く突っ込んだ内容だと思うので、それも読んでみたいなあ。
欲しいなあ。アマゾンで買えるかなあ。両方買っちゃおうかなあ。




ダイナバナ
女神幻想ダイナスティア は乙女のためのコミュニケーション重視のMMOオンラインゲーム。

争いのない世界にあなたも遊びに来てね。
今なら無料で遊べます!


お買い物バナ

※乙女なショッピングモール「乙女のおかいもの」でもうきうき情報紹介中!


ダイナ情報バナ

※メルマガ「ダイナスティア情報局」登録はこちらから!