今日の晩御飯は、灰原母製作の、餃子とキノコ汁でした。
餃子も美味しかったんだけど、とくにヒットはキノコ汁でした。大きく千切ったお豆腐とこんにゃく、それにキノコを、ばっさばっさとゴマ油で炒めて汁仕立てにした代物で、香ばしくてコクのある味わい。
「美味しいーい」
パクパク食べる灰原を、なぜか、うかがうような面持ちで観察していた灰原母。真剣な口ぷりでこう訊ねます。
「大丈夫?」
「うん、美味しいよ」
「ピリピリっとしたりとか、苦かったりとか、しない?」
「……しない……けど……」
「じゃあ食べよ」
「んん!? ちょっと待ったお母さんどういうことッ!?」
母の物言いに聞き捨てならないものを感じた灰原、母を問い詰めます。
すると、母は悪戯っぽく肩を竦めてこうこたえたのでした。
「じつはこのキノコ、近所の●●さんからのもらいものなんだけどね。……お店で買ったものじゃないんだって」
「それって……」
「●●さん、このあいだ、家族で山にドライブにいってね。美味しそうなキノコ見つけたから、取ってきたんだって。ヒラタケってキノコで、●●さんちでもみんな食べたけどすごく美味しかったって。たくさん取ってきたから、おすそ分けにっていただいたの」
「…………」
ヒラタケというのは、広葉樹の切り株などに生えるキノコ。このヒラタケを、おがくずなどで人工栽培したものが、スーパーなどで流通している「シメジ」です(ホンモノのシメジとは別物)。野生のヒラタケは、肉厚で、食感はシャキシャキしており、天ぷらなどにもよいそうです。……たしかにそういう味でした。
……美味しかったけどさ。
「お母さんッ! もしかして、わたしに毒見させた!?」
「毒見じゃないわよー。だって●●さんのお宅、きのうの夜みんなで焼いたの食べたけど、誰もなんにもおかしくなってないっていうし。安全だってわかってたから、おつゆを作ったのよ?」
「だったらなんで黙って先に食べさせるのよー!!!!」
「ゴメンゴメン。だってお姉ちゃん(灰原のことです)、お母さんよりおなか丈夫じゃない。こないだカビの生えたパン食べても平気だったし」
「なんですと!?」
「まあまあ。デザートに、お姉ちゃんの好きなロールケーキ買ってあるから許してよ」
「……ロールケーキ。じゃあ許す」
あっさりデザートで懐柔される灰原。こうして、親子喧嘩はロールケーキのおかげでスイープされ、家族一同、熱々の状態で餃子をいただくことができました(喧嘩してたら冷えちゃうからね)。ロールケーキ、美味しかったです。



ちなみに●●さんご一家は、よくみなさんで山菜採り、山芋掘りなどにも行かれる、採集イベント大好きご一家でして、野生のキノコ採りについても知識はある方々です。ヒラタケも、ヒラタケとわかって採集してこられたはず。灰原も●●さんのお宅からいただいた、とわかっていたから、ロールケーキで許したんですよ? さすがに、なんにも知識のない方からいただいたキノコは、うちの母も食べようとしないと思う。
いちおう調べてみたところ、ヒラタケと似た毒キノコには、ツキヨタケというのがあり、毎年中毒患者が出るもよう。中毒症状は嘔吐、下痢、それから、幻覚症状として、見るものすべてが青く見えることもあるそうです。ファンタジックですね。
……まあ、じっさいに中毒になったら、ファンタジックもヘチマもないでしょうが……。
キノコの見分けは、長年採集を行っている方にも難しいものらしいですし、多少図鑑で調べたくらいでは安全性の確認はできません。言うまでもないことですが、基本的に、どんなに美味しそうに見えても、素人さんはそのへんのキノコを採ってきて食べちゃダメです。もちろん、家族に毒見させるのは、問題外ですから!!!!
……もう、ねえ……。ちょっとヒドいですよね。



さて、先日行われた、FIFAクラブワールドカップで、南米代表・インテルナシォナルに破れた、欧州代表・バルセロナ。
敗戦を報じる現地メディアの中で、とあるタブロイド誌の一面に取り上げられた写真……バルサのユニフォームに身を包み、スタジアムで号泣する、見るからにバルサファンの日本人の少年の写真が、国内で大反響を巻き起こしたという記事を見ました。
世界最強を誇るリーガエスパニョーラの、中でも最強を謳われるビックチーム・バルセロナ。敗戦は、ファンにとっても屈辱的なものでしたが、スペインから遠い開催地日本で、スペイン人と同じように熱い心で、彼らのチームを応援してくれた少年がいた……ということが、スペインのバルサファンや、バルサの選手たちにとっても、かなりうれしかったみたいなんだな。
バルサのチームのほうで、写真の少年を探し出し、「応援してくれたのに悲しい思いをさせてしまった」埋め合わせの、プレゼントを贈る手はずが整えられているとのことです。
日本のスポーツファンって、よくミーハーって言われます。もちろん自国選手も応援するんですけど、いいプレイをする選手なら、どこの国の選手でも、平気で好きになって、応援しちゃうのね。
F1なんかでも、ファンは、日本人ドライバーを応援するのと同じくらい、ほかのドライバーを応援しちゃうそうです。灰原の友人は、デーモン・ヒル(イギリス人F1ドライバー)のために鈴鹿でユニオンジャックを振りまくったそうです。日本人なのに。
スポーツの国際試合に、どうしてもナショナリズムの介在は避けられない、ところがあります。冷戦時代のオリンピックなんかとくにそうだったし。でも、スポーツのもたらす感動に、国境とか、ほんとうは関係ないんだと思う。極限を越えようとする選手の生きざまに感じ入り、学び、元気をもらう……そういうものだから。
だから、国とか関係なく、たんにそのスポーツが、選手たちが好きで、心の底から応援しちゃう日本のミーハーなスポーツマニアたちって素敵だなって、思うんです。
……ちょっと、自画自賛かな???





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