※この記事は、ニコライの青春・その1(http://ameblo.jp/haibaran/entry-10022013981.html )の続きです。よろしければ、その1から読んでいただけると、うれしいです。



……考えてみれば、皮肉なものですね。かつて、ソ連時代に、同門のイリヤ・クーリック選手の才能に敗北したカタチで、男子シングルからアイスダンスに転向したモロゾフ氏が、同門のプルシェンコ選手の才能に追われるカタチでアメリカに渡ってきたヤグディン選手の、勝利のためのプログラムを作る……。
ニコライ・モロゾフ氏の中に、自分とヤグディンを、クーリックとプルシェンコを、重ねる気持ちはなかったでしょうか。……なんてね。つい勘繰っちゃうんですよね。灰原ってドラマ好きだから。
ちなみにですけど、プルシェンコ選手のミーシンコーチと、タラソワコーチは、同じくソ連のペア選手で、選手時代にライバルだったそうです。……なんなんでしょう、この、思わずフローチャートを描きたくなるくらいにきれいな対立構造は!
ヤグディン選手は素晴らしいスケーターであり、モロゾフ氏は尊敬をこめて彼のためのプログラム作成を補佐します。驚いたことに、タチアナ・タラソワコーチは、振付師としてはまったくキャリアのないモロゾフ氏の振付を、かなり採用したそうです。
もしかしたら、驚くにはあたらないのかもしれませんね。天才指導者タラソワ氏は、モロゾフ氏の振付師としての天才を、見抜いていたのかもしれない。だからこそ、アシスタントコーチとして残したのかもしれない。
決戦の2002年ソルトレイク五輪、モロゾフ氏の振付とタラソワ氏のコーチングを受けたヤグディン選手は、観客からの圧倒的な支持を受けてプルシェンコ選手を撃破、金メダルを獲得します。
ヤグディン選手のステップワークの素晴らしさを極限まで活かしたSP『Winter』、演劇的才能を引き出したFS『仮面の男』、いずれも、いま見ても震えがくるほどの奇跡的な傑作です。男子シングルスケートは、いまだに、誰も、ソルトレイクのヤクディンを越えてはいない。思い出の浄化作用のせいだけではなくて……そう、灰原は断言します。
このまま、ヤグディン・タラソワ・モロゾフのトロイカ体勢(なつかしー)が続くかと思いきや……ヤグディン選手は、2003年にプロ転向。モロゾフ氏とタラソワ氏との関係にも変化が訪れます。
サーシャ・コーエン選手のコーチについた恩師タラソワ氏の意に背いて、コーエン選手のライバルであった「ミス・パーフェクト」ミシェル・クワン選手の振付を担当したモロゾフ氏。タラソワ氏は彼の「裏切り」を許さず、ふたりは決裂します。

モロゾフ氏本人的には、それは裏切りではなかった、とインタビューで語っていますね。サーシャ・コーエン選手は、当時、他のコリオグラファーに振付を頼んでいて、コーエン選手とタラソワチームとの関係においては、モロゾフ氏は振付師としての才能を必要とされなかった。だから、自分のクリエイションのためにクワン選手と結んだのであって、よく非難されるようにお金のためではなかったと。そう、モロゾフ氏は言っています。
タラソワ氏のもとを離れると同時に、モロゾフ氏はカナダのアイスダンサーだったシェーリーン・ボーン選手と結婚。以降、モロゾフ氏は、若くして世界的なフィギュアスケートコーチとして、多くの教え子を世界の舞台に送り込むようになっていきます。
そのまま冷戦状態か、と思われたタラソワ氏とモロゾフ氏のあいだに、もうひとつの変化が現れたのは、トリノ五輪直前。
当時タラソワ門下だった荒川静香選手が、モロゾフ氏のもとに移ったときです。
当初荒川選手は、タラソワコーチの教えを受けながら、振付のみ、モロゾフ氏のアレンジを受けたいと望んだのだそうです。しかし、タラソワ氏はそれを許さなかった。不義理をすることになるタラソワコーチに対して、荒川選手は、スケート協会を通さず、みずから詫びて詫びて、ニコライ・モロゾフ氏のもとに旅立ちます。
そこから、トリノ五輪での金メダル獲得へと続く荒川選手の物語は……あまりにも有名ですよね。(余談ですが、裏切り者のもとへと離反していく教え子・荒川選手に、別れ際にタラソワコーチは「フリップを練習しなさい」と言ったという逸話を聞いたことがあります。荒川選手はフリップジャンプを不得意としていたためです。ほんとうかどうかわかりませんが、ほんとうだとしたら、これまたたいへんドラマティックなエピソードです。タラソワコーチ、月影先生みたい……)
キス&クライで、安藤美姫ちゃんの隣に、高橋大輔くんの隣に、座っている、人のよさそうなベラルーシの紳士は、このような経歴を持つ人です(かなり灰原の脚色入っちゃってるけど)。
ドラマティックですよね。彼の人生には、友情、コンプレックス、挫折、復活、勝利、裏切、ライバル、対立、そして和解。すべてが揃っている。
アスリートの人生はたいがいドラマティックなものですが、ここまでの人はなかなかいないと思う。
だからこそ、彼の産みだすステップは、あんなにドラマティックなのかもしれませんね。


参考にしたサイト

☆ニコライ・モロゾフ wiki(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Nikolai_Morozov_%28figure_skater%29

☆ニコライ・モロゾフインタビュー(英語)
http://p100.ezboard.com/falexeidiscussiongroupfrm24.showMessage?topicID=453.topic

☆ニコライ・モロゾフ特集記事(英語)
http://www.skatetoday.com/articles0405/121904_2.htm





ただいま日本中を震撼させているノロウィルスですが、灰原の周囲にも忍び寄っているかも……。
先日は友人から、ノロウィルスのせいで3日ほど寝込んだとメールがありました。シークレットガーデンの中にも、家族が順繰りに感染してしまい、本人の闘病と家族の看護で、けっこう大変なことになっているスタッフもいます。
ノロウィルス、という名も、聞きなれてきた今日この頃、こんどは「マイコプラズマ肺炎流行のきざし」のニュースが。
マイコプラズマって、灰原もやったことあるんですけど、ほんとうに唐突に超高熱が出るんですよ。しかも、熱が下がっても、じつは肺炎じたいはなかなか治らなかったりするの。
うがい、手洗い励行とは、冬にはよく言われることですが、今年はとりわけ手洗いを怠らず。気をつけなければいけませんね。





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