灰原お気に入りアスリートのひとり、ジュスティーヌ・エナン・アーデンが、全米オープンテニス女子シングルスファイナルにてシャラポワに敗戦いたしました。悲しい。
しょんぼりしつつ、ふだんは見ないエナンの公式ホームページ(英語とフランス語とオランダ語しかないからあんまり読めない…)に出かけていったら、ベスト4進出についての記事がありました。
これです。


原文
The Belgian lioness once again triumphed in New York City defeating the great American Lindsay Davenport 6-4 6-4 in 88 minutes to book a place for Friday against surprise semi-finalist Serbia's Jelena Jankovic.


The Belgian lioness……べるぎーのめすらいおん。
公式ホームページなのに、メスライオンってどうなんでしょう……かわいくない……。
エナン・アーデンって、166センチしかない小柄な体で、全身をバネのように使った激しいプレイをする選手ではありますが……。
まあたしかに、妖精とかいうキャラクターではありませんね。必殺技は、驚異的な高速スイングから繰り出される片手バックハンド。かっこいい。


灰原がエナン・アーデンをはじめて意識したのは、2001年全仏セミファイナルのキム・クライシュテルス戦でした。
ベルギーテニス協会が英才教育した、天才少女どうしのガチンコ対決! 年齢もひとつしか違わないエナンとクライシュテルスは、幼いころから大会のたびに顔を合わせてきたライバル同士で、2001年当時は、ひとつ年下のクライシュテルスがランキングでも知名度でもリードしていました。
この試合も、勝ったのはクライシュテルスなんですけどね。
小柄な身体をいっぱいに使ったバックハンド、往年のクリス・エバートを思わせる、コート上でのクールな表情。そんなエナンは、勝ったクライシュテルス以上に印象的でした。
面白い選手だなあ、これから大きなタイトルをとるかもしれないなあ、と思いました。
エナンのビッグタイトルへの挑戦は、灰原の予想よりずいぶん早く訪れました。
赤土のローラン・ギャロスでの敗戦からほんの1か月後、緑のウィンブルドン。
齢19歳のエナンは、決勝戦のセンターコートで、当時バリバリのランキング女王だったヴィーナス・ウィリアムズに戦いを挑みました。
結果はまたしても敗戦、だったけど、男子並みのスピードサーブを武器とするヴィーナス・ウィリアムズ(サーブ最高速度205キロ。ビッグサーバーじゃないふつうの男子プロと同じくらいの速さですね…恐るべしウィリアムズ姉妹)に、小柄なエナンが敢然と挑みかかるさまは、少年勇者のようで。
試合中のポーカーフェイスのせいかなあ。なんだか、少年めいた凛々しさがあるんですよ、エナン・アーデンって!
女子高にいたら、後輩のアイドルになっていたと思います。


今回は妖精シャラポワも絶好調だったようで。ストレート負けしちゃって、ちょっと残念ですけど、いやいやエナンも若い選手ですから! まだまだ来年もあります。
来年の全米女王を目指すのも勿論ですけど、そのまえにまずは緑なすウィンブルドンで、シャラポワに今回のフラッシング・メドウズでのお返しをしてもらいたいものです。
ウィンブルドン以前に、エナンと相性のいい全豪も全仏もありますし。来年こそWTP1位奪取目指して、小柄だけれど、頑張れエナン!


ところで今回の全米で、マルティナ・ナブラチロワが二度目の引退だそうです。
ダブルスで復帰してからもグランドスラムタイトルを獲得した、元祖『芝の女王』マルティナ。なんと49歳まで現役!
全盛期のナブラチロワは、空恐ろしいほどに強かった。テレビで見てた試合で、マヌエラ・マレーバ(なつかしい)にナブラチロワが負けたのを見たときには、あまりの意外さに身体の震えが止まらなかったことを覚えています。
ダブルスでツアーに復帰してから、楽しげにプレイする姿が印象的でした。
いっそつぎはシュテフィ・グラフあたり、ダブルスに復帰してくれないかなあ。せっかくダンナさんがおうちにいるようになるんだし、いいと思うんですけど。夫アガシを応援してるときの猛烈な闘志溢れる表情とか見ると、まだ勝負師魂が残ってるように見受けられるんですよね。
ダベンポートとかと組んだら、あっというまにダブルスランキングのトップを取れちゃうんじゃないかなあ。