近所のスーパーで、このあいだ、なぜか刺繍糸が安売りしていた(なぜだろう。仕入れすぎたのかな)ので、マルチカラーのと、あと何色か、買ってきました。
灰原、刺繍に憧れがあります……。
なぜなら、嶽本のばら先生の『下妻物語』を読んだから!!!
『下妻物語』は、ほんとにいいですよね! 映画も原作も傑作です。
原作小説は、なにしろ文章のひとつひとつにキレがあるし、お話も面白くてシーンのひとつひとつが鮮やかに決まっていて、最高に笑えて泣けます。けしてその場かぎりの笑いだったり泣きだったりしなくて、あとから思い返しても、何度も「ああ、いいお話を読めて幸せだったなあ~」と思えるような、一粒で三度も四度も美味しいお薦めの小説です。教科書にのせて三色ボールペンでラインを引きながら日本中の中学生に声に出して読んで欲しいです。マジです。総理大臣に手紙を出して嘆願してみようかな。
そんな『下妻物語』の主人公の桃子の特技が『刺繍』なのです。あくせく働くことがキライでのらくらロココな精神全開で生活する桃子ですが、こと刺繍に挑むと人格が豹変、眠る間も惜しんで、というか眠りも忘れて作業に没頭します。
物語の中で桃子の作り出す刺繍のイメージは、素晴らしく鮮やかです。桃子が作り出すような、ゴージャスな刺繍のついたお洋服が着てみたい、と思うのももちろんなのですが、「自分も桃子みたいに作ってみたい!」と思わせられるのです。
なにごとにも影響されやすい灰原は、『下妻物語』読了後、さっそく刺繍にチャレンジしてみました。結果は……残念ながら、惨憺たるものでした。
そりゃそうですよ。学校を卒業してから、ろくに針も持ったことがないよーな灰原が、ハナから素敵な刺繍を作れるはずないですよね。
とはいえ、自分の作品の不細工さにさすがにヘコんだ灰原に、手芸好きの友だちが、不器用でもできる刺繍糸を使ったお洋服のカスタマイズの方法を教えてくれました。
それがホントに簡単で、好きな刺繍糸で、シャツのボタンを縫い付けなおすだけ、なんです。いくらなんでもボタンつけくらいは不器用な灰原でもできますから(嘘じゃないですよ!)、さっそくチャレンジしてみました。
ずいぶんまえに買って飽きちゃった、グレーの無地のシャツのボタンを、モスグリーンの糸で付け直してみたんですね。
そうしたら、まー不思議! なんだかいきなり、シャツが生き生きしちゃいましたよ。刺繍糸の効果ってスゴい!
着飽きたシャツとか、ボタンと糸を変えるだけで結構リフォームできるよ、と友人談。ボタンごとに交互に糸を替えても面白いそうです。それも今度やってみよう。
……そんな感じで、いちおう手作り欲求は満足したのですが、やっぱりロココでゴージャスな刺繍への憧れも捨て切れなかったりして。
いらない端布で、今日もとりあえずバックステッチの練習とかしてみました。いつかは私もバラかなんか刺繍してみたいなあ!