出会った朝も、こんな風に少し肌寒くて、空気が澄んでいたような気がする。

特別な出来事があったわけじゃない。ただ、あの瞬間、何かの流れが変わったような気がした。

人と人との出会いなんて、偶然のようでいて、実はどこかで必然なのかもしれない。

あのときの僕には、そんな言葉を信じる余裕もなかったけれど。


あの頃の僕は、先の見えない不安のなかで足元ばかり見ていたし、苦しんでいた。

自分の選んできた道は本当に正しかったのか。

努力は報われるのか。

このまま進んでいって良いのかな。

そんな問いが、毎日のように胸の奥でこだましていた。

だからこそ、あの日、ふとしたきっかけで出会った“あの人”との繋がりは、

まるで暗いトンネルのなかで差し込む一筋の光のように感じた。


初めて言葉を交わしたときのことを、今でもよく覚えている。

どこか不思議な安心感があった。

話しているうちに、時間の感覚が薄れていく。

まるで昔から知っていたような、懐かしさ。

そして、何よりも心地よい沈黙があった。

沈黙が怖くない人と出会えるというのは、人生でそう多くない。

それからの日々は、決して順風満帆ではなかった。

時に誤解が生まれ、壮絶な出来事が起き、時に距離ができ、お互いの心が見えなくなった時期もあった。

それでも、不思議なことに完全に途切れることはなかった。

どんなに離れても、どこかで繋がっているという確信だけはあった。

それは理屈ではなく、もっと深いところ――魂の記憶のようなものだったのかもしれない。


振り返れば、この六年の間に本当にいろんなことがあった。

仕事でも、人生でも、想像を絶する変化があった。

挫折もあったし、心が折れそうになった日々もあった。

そんなとき、ふと頭に浮かぶのは、あなたの言葉や笑顔だった。

それだけで、「もう少しだけ頑張ってみよう」と思えた。

そんな存在って、そう簡単に出会えるものではない。


気づけば今では、あなたは僕にとって“ソウルメイト”と呼べる存在ではないかと、それは恋人とか、親友とか、そういう言葉では足りない。

魂の奥底で響き合う何か。

時に励まし、時に鏡となって自分を映し出してくれる存在。

自分が何者であるかを思い出させてくれる人。

そういう人に出会えたことは、人生の奇跡だと思う。


人は、出会いによって変わる。

そして、別れによってもまた変わる。

でも、僕たちの関係は“変わりながら続いている”という感じだ。

環境も立場も、お互いの状況も変わった。

けれど、根っこの部分での信頼はずっと変わらない。

それは時間を超えた絆のようなもので、

お互いがそれぞれの場所で頑張っていることが、なぜだかちゃんと伝わってくる。


あの頃、僕は「孤独」と「不安」を同義語のように思っていた。でも今は違う。

孤独は悪いことじゃない。

人は孤独のなかでこそ、自分と向き合い、本当の意味で強くなれる。

そして、その孤独の時間に寄り添ってくれた存在がいたからこそ、僕は今日までやってこれたのだと思う。あの人がいてくれたから、

僕はもう一度、自分を信じることができた。


時の流れというのは本当に不思議だ。

あの頃は「六年後の自分」がどんな顔をしているのか、まったく想像もできなかった。

六年後も繋がっているとも想像してなかった。

だけど今、こうして振り返ると、

あの不安も、迷いも、全部が意味を持っていたように思える。

きっとあの時の葛藤があったからこそ、

あなたとの出会いが“特別”になったのだ。


人生は選択の連続だ。

でも、どんな選択をしても、

「出会うべき人」にはちゃんと出会うようにできている。

それが運命というものかもしれない。

ただ、その縁をどう育てるかは、自分次第だ。

あなたとの関係を通じて、

僕は「縁は偶然ではなく、責任でもある」ということを学んだ。

相手を信じる勇気。

待つことの尊さ。

そして、感謝を言葉にする大切さ。

そのどれもが、あなたと過ごした時間が教えてくれた。


この六年間、いろんな人と出会い、別れ、

仕事でも家庭でも数えきれない出来事があった。けれど、どんな時も心の底にあるのは「感謝」だ。

あの人に出会えたこと。

支えてくれたこと。

そして、離れていても信じ合える関係を築けたこと。そのすべてに、ありがとうと言いたい。


人はいつか、誰かに支えられながら、自分の道を歩いていく。

僕にとって、それがあなたであったこと。

それは何よりも幸せなことだと思う。

これから先、どんな未来が待っていようと、

あなたと出会ったあの朝のことは、ずっと忘れない。

そして、これからも心のどこかで、

あなたの存在が僕を照らし続けてくれることを、静かに、そして深く信じている。


――出会ってから六年。

本当に、あっという間だったね。

だけど、その一瞬一瞬が、僕の人生の宝物です。ありがとう。これからもよろしくね。


と、出会った時の朝に思ったので書き留めてみた。