福島の発電所以外のところでは、全く問題ない、

むしろ低線量被爆は身体の調子を良くする。

農産物も返って元気になるだろうから、どんどん食べて大丈夫。

捨てるなんてもってのほか


という主張をされている東大医学系大学院の研究者の講演をYoutubeで見た。



稲恭宏氏のおっしゃる英語論文を要約のみざっと見た。



彼の言う、低線量被曝は、やはり「照射」、外部被曝のことだった。

ねずみの疾患がその照射によって改善した。あるいは、免疫力が

高まった、という実験結果を得られたようだ。


講演中、癌が低線量放射線の照射で治癒した方もおられるということだった。


しかし、いずれも、外部被曝(照射)のことであって、内部被曝のことではない。


子供達のことを心配しているのは、むしろ、内部被曝のことだ。

空中の放射性ヨウ素や、食物中のセシウムが体内で及ぼす影響だ。


あれだけ断言なさるので、そのような実験結果が当然あるのだろう、

あるはずだと思った。戸惑った。なぜなら、これまでの知見と違ったから。


しかし

内部被曝が無害であるどころか、有益であるという

実験結果があるわけではなかった。(当たり前か・・・)


チェルノブイリの際の、ベラルーシやウクライナへの影響の結果でさえ、

もう20年経っていても、未だ確定的なことは言えないようだ。

               ↓

http://www.youtube.com/watch?v=PHeq8TfSRBM&feature=related



だから、少なくとも、汚染地域だと指定された所に住んでも

汚染野菜を食べても安全ですなどと、断言できる状態ではない。


講演では、汚染におびえる人たちを救いたい、丹精込めた農作物を

捨てねばならない人達を救いたいという気持ちは十分すぎるほど伝わった。


でも、もうそんな気休めは、被災地の人は誰も望んでいないだろう。

政府発表や、原子力安全保安院、東電発表で、もう十分だろう。


信頼に足る事実をしっかり聞きたい。

それがどのような内容であっても

そして、その中から可能な選択肢を探り

次の行動を決めたい


それだけだろう。



参考までに、下記URLを挙げておきます。


       
稲恭宏氏の講演の模様


http://www.youtube.com/watch?v=PQcgw9CDYO8


稲恭宏公式サイト
http://yasuhiro-ina-dmsc.jp/profile.html



稲氏の論文



Enhancement of bio-protective functions by low dose/dose-rate radiation.
Sakai K, Nomura T, Ina Y.
Dose Response. 2006 Sep 23;4(4):327-32.



Activation of immunological network by chronic low-dose-rate irradiation in wild-type mouse strains: analysis of immune cell populations and surface molecules.
Ina Y, Sakai K.
Int J Radiat Biol. 2005 Oct;81(10):721-9.

Further study of prolongation of life span associated with immunological modification by chronic low-dose-rate irradiation in MRL-lpr/lpr mice: effects of whole-life irradiation.
Ina Y, Sakai K.
Radiat Res. 2005 Apr;163(4):418-23.

Suppression of thymic lymphoma induction by life-long low-dose-rate irradiation accompanied by immune activation in C57BL/6 mice.
Ina Y, Tanooka H, Yamada T, Sakai K.
Radiat Res. 2005 Feb;163(2):153-8.