モモです。
今日は久々に出かけてみようと思い立ち、世田谷文学館で催されている
星 新一展 に行ってきました。
http://www.setabun.or.jp/exhibition/hoshi/
私は小学生から中学生にかけて、図書館の棚の端から
本を借りては読む、という本の虫だったのですが、
その中でも星新一のショート・ショートは装丁が素敵だったのと
短編で読みやすかったこともあって、かなりの数を読みました。
詳しいストーリーまでは覚えていのですが、近未来の世界が
皮肉まじりに描写されていたことは頭の片隅に残っていました。
それが最近になってITとか最先端医療とかいう言葉を
TVや新聞で目にするたびに、私の心のどこかで
「そんなもの、本当に人類のためになるの?」 とか
「そういうことばかり追いかけていると、いつかしっぺ返しくらうんじゃない?」
といった、どこかひねくれた気持ちを持つのは、子供のころに
星新一の本を読んだ影響があるんじゃないかとも思っていて
それを確認したいという気持ちもありました。
意外だったのは、この展覧会には、星新一のお父さんの資料も
かなり多く展示されていたことでした。
新一の父、星一(はじめ)は、明治時代に星製薬という製薬会社を
創業した人で、日本で初めて、モルヒネを製品化したり、
さらに興味深かったのは、マラリアの治療薬、硫酸キニーネを
製造販売していたそうです。
ここでも何かが繋がっていますねー。不思議です。
その製薬会社は、新一が継いだあと、様々な理由で経営不振になり
廃業していますが、その後、作家として星新一が書くストーリーの中には
医療や薬に関するものが多く出てきます。
そして、生命についてのストーリーも少なくない。
私のうっすらとした記憶の中には、永遠の命を得るために、何か大事な
ものを失うといったお話しもあります。
彼の書いた文章はどれも短すぎるほどなのですが、それだけに本質的な
ことが、ぎゅーっと凝縮されているので、どれを読んでも笑いつつ
同時に、胸の一部がきゅっとつねられるような、かすかな痛みを感じたりして。
それが、Mな私にはなんとも言えない魅力だったのかもしれません。
全てを観終わって帰ろうとしたとき、売店に並んでいる本たちが、
私に向かっておいでおいでと手まねきを・・・
もちろん、それを無視できなかった私は3冊も購入してしまいました。
う~ん、しまった課題図書が読みかけなのに、どうしよう。。。