序幕は「矢の根」、初芝居にピッタリな十八番。 幕が上がると、お馴染み「寿曾我対面」の工藤祐経邸よりかなりこじんまりした五郎の館。 

工藤邸と同じ市松模様の蔀(「一抹の蔀」と言うらしい)があがり、目出度い富士山を背景に、蝶模様の豪華な衣装に身を包んだ五郎が一生懸命矢の根を研いでいる。一幅の錦絵のようだ。 これで祐経を射ようというわけね。

 

 五郎の芝居が当たって大薩摩の太夫も繁盛、御礼に宝船の絵を置いていく。初夢の例に倣い、宝船を絵を敷いて暫し居眠り、だが、腕を中空にあげたままの姿勢は辛そうね。

 

夢の中に助けを呼ぶ兄、十郎が現れる。こちらは勇壮な五郎に比べ、はんなりした色男。保名のような優しい色調の衣装で、コントラストが引き立つ。

 

 兄の急を知って、モラルはとにかく、丁度やって来た大根売りの馬を奪い、大根を鞭にして引っ込んでいく。 新之助は声変わり前で、いかにも前髪立ちの少年に相応しい。

 

 

第二幕 児雷也豪傑譚話

話が端折られ過ぎて爆睡。ゴメンナサイ。

 

第三幕 春興鏡獅子

若いころに比べると、女形も大分馴染んできた團十郎。弥生の可憐さが増してきた。

後ジテの獅子は、正に市川家の新歌舞伎十八番、毎回毛振りに圧倒されるが、今回は胡蝶にぼたん、新之助が挑み、親としてのプライドも加わって、さらに勢いが増した感じ。拍手が鳴りやまない。