保育士さんへ
新入園児を迎えるため、母親との面談、説明会も始まっているようですね。
そこで、保育士のみなさまに、いくつかお願いがあります。
現在、母乳育児率はかなり高くなっており、
母乳のみで育てている方は(離乳食は食べています)
半年〜1才までで50%を越えており、
1才〜1才半まで35%
1才半〜2才まで23%
となっています。
Pigeonにっこり授乳期研究会より
ということは、新入園児の0才児クラスの半分、1才児クラスの30%は母乳で育ってきており、今なお継続中ということになります。
そこで、すでに面談や説明会があった母親からたくさんの相談を受けています。
もちろん、すべての保育所ではないのですが、保育所からこんなことを言われたが、どうすればいいでしょうか、と。
「哺乳瓶の練習してきてくださいね」
「ミルクを飲めるようにしてきてくださいね」
「おっぱいなしてお昼寝できるようになってきてくださいね」
「できれば、おっぱい止めてきてくださいね」
なぜですか?
母乳だけで育ったあかちゃんは、母親から哺乳瓶で授乳されても、飲むことがとても難しいのです。
中身が母乳であっても、ミルクであってもです。
練習しても練習しても、無理なものは無理なのです。
だけど、保育所では、母親がいないから、どうしてもお腹が空けばなんとか哺乳瓶でも飲めるようになりますよね。
どうしても、哺乳瓶が無理なら、保育士さんの手を煩わすことになりますが、ストローやスプーン、コップなどでの代用品で飲ませることもできますよね。
母乳を望んでいる母親には、ミルクではなく冷凍母乳を扱ってもらいたいです。
母親がそこにいるのに、おっぱいなしで寝かせる練習をすることはとても難しいですが、
保育所では母親がいないから、おっぱいなくてもお昼寝できるようになりますよね。
おっぱいをやめることで、「保育所の生活に早く慣れるから」と言われたそうです。
それは本当に親子のためを思ってですか?
保育所に慣れれば、なんなくできることばかりです。
それなのに、保育所に入る前に無理難題言うのはやめてほしいのです。
べったり一緒にいられる最後の1ヶ月、飲めもしない哺乳瓶の練習で親子を苦しめないで欲しいのです。
(実際にそのために、卒乳となったケース、乳腺炎になったケースもあります)
おっぱいを続けたいと思っている母親を悩ませないで欲しいのです。
「なんとかなりますよ」
「すぐ慣れますよ」
「任せてくださいね」
「一緒にいれる時はたっぷりおっぱいあげてくださいね」
「おっぱいを続けられるように応援しますよ」
と言って安心させてあげてほしいのです。
どの親子も出産直後から、今日まで一生懸命おっぱいを頑張ってきました。
はじめは上手くいかないことばかりで、くじけそうになりながらも、必死でおっぱいをあげ続けてくれました。
不安で不安でたまらない時期を乗り越えて、今があります。
その母親の気持ちをどうか理解してほしいのです。
簡単におっぱいについて、あれこれ言ってほしくないのです。
簡単に言った言葉の裏側で、苦闘している親子がいることを知ってほしいのです。
WHOユニセフは母乳育児を2年以上続けることを推奨しています。
保育所もそれを応援してあげてください。
これだけ母乳育児率が高い今、子どもの専門家として、母乳育児の専門家になってください。
保育所はもちろん子どもが第一だとは思いますが、母乳育児に限らず、母親に優しい保育所、保育士さんが増えることを願っています。