「浮気されたくなかったら、胃袋を掴め」
母は昭和ひとけた生れの女性なので、(私の)異性との関わり方については厳しかったように思います。ところが、将来結婚するであろう相手に対する心構えについて、小学生位からあれこれ言われた記憶があるのです。たとえば、タイトルのようなことです。「旦那さんは、家でおいしくないものを食べさせられると思ったら、だんだん帰りが遅くなってくる。飲みに行ったり遊びに行ったりするようになってね。」「そうしたら、そこから浮気が始まったりする。浮気されたくなかったら、おいしい料理を作ること。生命あるものはね、おいしいものを食べさせてくれる人を裏切れないものよ。」私はそこで不謹慎にも「ああ、だからうちのマル(当時飼っていた犬)はエサをくれる母親に一番なついているのか。私がどんなに可愛がっても。」と、妙に諒解したのです。しかしながら、果たしてこれは小学生に言うことだったのか?と未だに苦笑してしまいます。異性関係にカタブツな母が放つ、唐突な結婚の心得語録は、まだまだ続きます。ちなみに、母はとても料理上手で、調理も手早かったです。父はいつも母の料理を「美味しい、美味しい」と言って食べていました。むしろ母は、「たまには外で食べて来てくれれば助かるのに。」とボヤいていましたが。浮気はされないかもしれないけれど、父が毎夕食必ずいるということは母にとって、料理上手は諸刃の剣だったのかもしれません(笑)。