☆朝ドラ「なつぞら」ヒロインのモデル奥山玲子
日本のアニメが世界的評価を受けて絶賛されて久しいが、NHK朝ドラで現在放映中の「なつぞら」で、広瀬すず演じる奥原なつのモデル奥山玲子が今脚光を浴びている。
奥山自身は四年前に肺炎で亡くなってしまっているが、奥山の旦那である小田部羊一は宮崎駿や高畑勲らと長編アニメを手掛けたアニメーターだった。
東日本大震災直後に放映されたジブリと日本アニメのドキュメンタリー番組で小田部は宮崎との一際印象に残る仕事として「未来少年コナン」や海の描写で波を如何に表現するかに腐心した末、独自の画像を書いた思い出を話すインタビューに答えている。
実際には違うがなつの旦那役"一久さん"こと坂場一久は小田部羊一ではなく、あれは高畑勲がモデルだと言われている。
絵の書けない東大出の演出家、という設定からそう推察されている。
一方、女性社員は結婚したら退職を余儀無くされる東洋動画(東映動画がモデル)の方針に異を唱えて別会社(実際はAプロダクション)に移った同士、神っちこと神地航也は(染谷将太)宮崎駿だと言われている。
なつを新進気鋭のアニメーターとして駆け出し時代から認めて暖かく見守り続けた井浦新演じる仲努は宮崎駿や高畑勲らを育てた森康二がモデルと言われている。
又、ブラックな東洋動画を辞めてAプロを立ち上げるキッカケになったなつの同僚を演じた渡辺麻友演じた茜は本編では川島明と結婚したが、実際は宮崎駿夫人がモデルとされている。
こうした現実とのギャップを知るとドラマはより楽しく観れること請け合いだ。
さて、奥山玲子は東洋動画で女性アニメーターとしてはタイガーマスクや魔法使いサリーと言ったヒット作を手掛けた。
本日はこうした懐かしい玲子が手掛けたヒット作品のアニソンを聴いて頂く。
先ずはタイガーマスク。
♫タイガーマスクのうた は↑ココをタップする
小生は再放送世代だが兎に角よく見た「魔法使いサリー」は後に大瀧詠一のナイアガラプロジェクトの重要なコーラスチームとなるシンガーズスリーが歌っている。
キャラが立っていてトンチンカンの三兄弟トン吉、チンペイ、カンタと言う命名は奥山玲子が編み出した傑作の一つでサリーの親友よし子ちゃんの"オヤツ上げないわよ"はブームとなったし、この愛すべき兄弟の父親がタクシーの運転手で母親がいないと言う脇役の設定の細部まで拘る仕事は見事にドラマをより深淵なものに仕立て上げた。
♫魔法使いサリー は↑ココをタップする
アニメのイメージからしてこのアニメの原作者が赤塚不二夫というのが俄かに信じ難い。
op ed共に傑作、芸達者な小林亜星が作曲した。
edを歌うのは不思議姫 水森亜土❤️
勉強やれぃ💢
♫ひみつのアッコちゃんのうた ↑ココをタップする
♫ひみつのアッコちゃんed ↑ココをタップする
我々世代の男の子は全員憧れた！
オモチャの超合金と言う鉄製の人形はこのアニメで使用された用語がキッカケであった。
一人暮らしの20代の時、アパートの部屋でこの歌を口ずさんでいた。
…俺の声、水木アニキに結構似てるじゃん！
そんなことを思いながらかなり有頂天になった。
最後の局面になり、ハラリと腰に巻いていたバスタオルが落ちフリちんになってしまった。
その刹那… ♫マジンガーZ❣️ と絶叫した途端に近隣のオバさんと目が合ってしまった💦苦い思い出が頭をよぎる。
♫マジンガーZのうた は↑ココをタップする
敵方の悪魔の子が憑依してその敵と闘う、と言うコンセプトは少し早くに既に始まっていた仮面ライダーと同じで元は敵方の一味だったヒーローがその脅威から人間界を守る、と言う仮面ライダーと殆ど一緒であった。
「デビルマン」はアニメ化にあたっては子供用のテレビ漫画としてヒロイズムに改変された内容と、なっていたが永井豪の原作ではもっとアバンギャルドなストーリーでありラストの第5巻では凄惨な惨殺シーンやエロチシズムな画も挿入されて凡そテレビアニメとは別世界ではあった。
♫デビルマンのうた は↑ココをタップする
アニメーター奥山玲子の生涯は女性が社会進出するには高い壁が幾重にも立ち塞がり険しい人生だった事がネットでも紹介されている。
朝ドラのヒロイン奥山なつのストーリーにはそのエキスが滲んではいるものの、現実はもっと過酷だったようである。
子育てをしながらアニメーターを続ける困難な最中、ブラック企業に対する労組の闘争や奥山玲子の苦悩は朝ドラでは残念ながら描き切れていないが、彼女が繰り出したアニメで育った我々には彼女の功績を朝ドラで取り上げられてそこに光が当たったこと自体に喜びを感じるのも間違いない。