☆龍馬の遺言  /  NHK総合     2017


   昨年1月の小稿で紹介したNHK総合で放映された「龍馬 最後の30日」。


   このドラマはその前年11月19日に放映されたものだが、その年の年末12月29日に再放送された時は「龍馬の遺言」とタイトルを変えて放映されたが、本放送時に大幅にカットされた龍馬暗殺後の後日談が追加されて放送時間も90分に拡大されたものだった。

   昨年1月の小稿を書いた時点で後から放送されたディレクターズカット版を小生は観ていず、このストーリーの本質をよく掴んでいなかった。

   小生はその後昨年2月の再放送で漸くそのディレクターズカットを観て、やっと腑に落ちたのだった。

   というのは60分版の方では結局誰が龍馬を暗殺したのかが、分かりにくく描かれているからだ。

   その辺がディレクターズカット版では後日談としてはっきり演出されていて、明確に示されている。

   演出は大河ドラマ「新撰組!」(三谷幸喜:脚本)の演出を手掛けた清水一彦で脚本は相沢友子、先日終了したフジの月9ドラマ「トレース〜科捜研の男」の脚本もこの人だった。

   

   龍馬暗殺の謎は現在でも決定的な証拠がなく、未だにWho's Whoなのだが、一昨年に発見された龍馬から福井藩主松平慶永の腹心中根雪江に宛てて出された書状に中根の書いた付箋紙に但し書きが付されており、その書状に基づいてこのドラマは最大限の想像を膨らませて作られた。

   中根雪江はこのドラマの中では石原軍団として名を馳せた刈谷俊介が演じている。

   このストーリーはその中根が書いた付箋から始まる…


   坂本先生遭難直前の書状につき他見を憚かるものなり


   龍馬暗殺説には、

①新撰組による暗殺

   龍馬暗殺の前年、京都寺田屋で伏見奉行の捕り方に襲われた龍馬が高杉晋作からもらった拳銃で応戦して捕り方2名を射殺した事から、龍馬暗殺の有力説として暗殺直後から有力視されている説。

②紀州藩による私怨説

   龍馬暗殺の年4月に起こった船舶衝突事故で龍馬が主催していた海援隊が伊予国大洲藩から借用していた船、いろは丸が瀬戸内海 備中 六島沖で紀州藩の明光丸と衝突、賠償交渉で龍馬は紀州藩から8万両を勝ち取った。

   この事案に紀州藩内部から龍馬は怨みを買っていた。

③京都見廻組説

   明治時代になって隊士今井信郎の自供により有力とされた。

   動機は新撰組と同じである。

   自供によるとこの暗殺には、江戸一の橋で清河八郎を刺殺した隊長 佐々木只三郎も加わっていた事になっている。

④薩長陰謀説

   国家建設にあたり旧幕府側に柔軟な態度を取っていた龍馬に対し、皇室擁立派の岩倉、西郷、桂らが龍馬が疎ましい存在となってきたことから巧妙に仕組まれ実行されたとする説。


   以上が通説として浮上している暗殺説である。

   勿論、これら以外にも諸説芬芬、キリがない。

   このドラマでは、以上の説を活かしつつも全くの別論を提起している。

   映像はディレクターズカット版で追加された部分のみをアップしてある。

   1️⃣はドラマのオープニングで明治16年に龍馬の同士であった岡本健三郎が松平春嶽(慶永)と再会した場面で元の本編が始まる所で一旦終わる。

   2️⃣は龍馬暗殺直後から始まるディレクターズカット版として元の本編では放送されなかった部分で40分ほどある。

   今となっては逮捕されてしまった新井浩文の貴重な龍馬役であるが、そのままアップした。


   一番真相に近い答えは貼り付けた映像でご確認のほどを。


https://youtu.be/8RuZnwGkJ1M


龍馬の遺言1️⃣は↑ココをタップする


https://youtu.be/xRJs_QWQyxU


龍馬の遺言2️⃣は↑ココをタップする