「雪女」をタロットリーディング✨

季節外れですが。

日本の怪奇譚代表🎌



日本の怪談っていうと、
じめっ、とした感じもしますが、
せつないような儚いような、
何かとらえどころのないお話が多いですね。
(カニバリズム華やかなりし西洋童話に比べると(^^;)



それというのも、
日本の風土的に、

元々、特定の宗教のようなものでなく、
アニミズム的な、
自然とか動物とか
周囲にあるもの、みんな神様、

といった感覚が根付いているので、
物質的などろどろ感のようなものは薄いのかな、
とも思います。




では

さっそく出たカードから発表していくと…

8番「力」

最近は、意外なカートが出た方が読みやすいことがわかってきたので、
ひるまずいってみましょう。

「力」のカードは、
精神的な強さ、女性的な強さ=愛の力、
といった意味のカードです。

自分の中にある弱さや本能的な荒ぶる心などを、力付くで強制的に制御するのでなく、
母親のような暖かく大きな愛の力で優しく受け止めてなだめる、といったカードです。

自制心の強さ、ともいえます。

感情を理性で抑える、という意味もありますね。




そんなカードが、「雪女」のストーリーを読み解く上ででたわけですが、

「雪女」は怪談として書かれていますが、
どちらかというと、悲哀といったイメージを持たれるかたの方が多いのではないでしょうか。

はじめて雪山で雪女と巳之吉がであったとき、
雪女は父親の命は奪ったけど、巳之吉の方は見逃しました。

決して口外するな、という約束だけして。

雪女は妖怪として描かれていますが、
前述の、日本のアニミズム的な考え方からすれば、
恐らく雪の化身、雪が持つ自然の脅威そのもののような存在ではないかと思います。



自然は良くも悪くも平等です。

自我がないので、この人だけ特別、といった考えはないかとは思いますので、
雪山で巳之吉だけを助ける、というのは雪女の、自我=エゴのようなものなのかな、とも思います。

つまりはこの時点で巳之吉に対する愛が生まれていたのではないかと。

そして、そ知らぬ顔で数年後、
彼の前に姿を表し、夫婦になり、たくさんの子も作っていく。




きっと、自然の世界のルールのようなものがあれば、
特定の人間を特別扱いすること自体が自然の摂理をねじ曲げることにあたるのではないでしょうか。



だからせめて他言を禁じる約束をして、その事実を内密に保っていたのに、
巳之吉は約束を破ってしまった。

それがたとえ、口外したのが雪女本人であったとしても、約束は約束でそれを破ってしまったら、もうこれ以上どうしようもなかった。



でもここでも、また雪女は禁を破っています。



本来なら巳之吉の命を取らねばならないのに、
子供たちがいるから、という口実で、またしても彼を見逃し、自分が消えていく。

(人魚姫もそうですが、妖怪の方が義理堅く愛情深い気がします)

自然の摂理に従うことが「理性」なら、
自らの愛を貫くのは「感情」ですね。



雪女はその性質とは裏腹に、
とっても愛情深い情熱的な心の持ち主だったのではないでしょうか。

「力」のカードでいうと、逆位置で出た感じでしょうか。

でも最後は、自分が身を引くことで自然界にもちゃんと義理を果たしています。
ちゃんと「力」のカードの要素は間違いなくでています。

雪女は、理性より、自分の心に真っ直ぐに生きた(?)存在だったので、
悲しいけど、それなりに満足されているのではないでしょうか。

恋に落ちるって素晴らしい。
それがたとえ、周りからみたらどんな無理芸に見えたとしても。