2015年
12月30日
ポルトガル
リスボン
ガチャッとドアの鍵が外れる音がして中へ入ると
目の前に上へと続く階段が現れる
階段の上からは明らかに
さっきまで寝ていたであろう寝ぼけ眼のヒゲが笑顔を覗かす
人の良さそうな感じが
おれ達の中でさらに申し訳なさを加速させる…
すまねぇ…叩き起こして
いろいろこの宿の説明を受ける
(宿代はオンリーキャッシュでカード不可だとか、朝食は8時半からだとか)
その後部屋へ案内される
よりによって最上階
4階だったか5階だったか忘れたが
とにかく急な階段をずっと登らされる
イベリコへろへろ
イベリコの荷物はフロントのヒゲのおっさんが担いでくれた
階段の途中、踊り場には愛嬌のあるブリキのオブジェが置いてあったり
※フェルナンド・ペソアの詩が壁に刻まれてたりする
意味はたぶん
旅をする最良の方法は感じること
そうだよな、おれみたいに写真ばっかとってないで
風景や出来事を心に刻み、感じる旅がしたい
つか、この階段なんとかしてくれ…
もうヒザかくかく…
ようやく最上階に到着
最上階のおれたちの部屋は屋根裏部屋
子供の頃憧れていたあの屋根裏部屋…
さすがにこの歳になると
そんなうれしくないかも…
背の低いイベリコでも頭をぶつけそう…
部屋は小綺麗にしてある
ふつうヨーロッパの宿には必ず付いている暖房器具
オイルヒーターがひとつもないところをみると
冬でもそんなに寒くないってことだろう
清潔なトイレバスも付いている
リスボンストーリーゲストハウス
ダブルルーム トイレバス付き 朝食付き 1泊60€(約7860円)
※1€≒131円(2015年12月時点のレートで計算)
「う~んやっぱ秘密基地みたいで好きかも…」
【補足】
フェルナンド・ペソア (1888-1935)
ポルトガルの国民的詩人、作家として著名
生前はほぼ無名のまま47歳の生涯を閉じる
没後、トランクいっぱいの膨大な遺稿が発見され
20世紀前半の代表的な詩人の1人として脚光を浴びる
約80もの異名を持つペソア
中でもアルベルト・カエイロ、リカルド・レイス、アルヴァロ・デ・カンポスは代表的な異名
それぞれ異なる人格と作風を持つ
この宿の壁に刻まれた詩はアルヴァロ・デ・カンポスの作品のようだ