1996年
3月
インド
ニューデリー
3月
インド
ニューデリー
親切な日本人の彼に背中を押されて
とある旅行会社の中へ入ると
そこには3人のインド人がいた
1人は巨人族で、突っ立ったままおれをジッと見ていた
奥の机には、目の座ったボスっぽい男が座っていて
親切な彼が、このボスっぽい男に
聞き取れない英語で何やら話すと
とある旅行会社の中へ入ると
そこには3人のインド人がいた
1人は巨人族で、突っ立ったままおれをジッと見ていた
奥の机には、目の座ったボスっぽい男が座っていて
親切な彼が、このボスっぽい男に
聞き取れない英語で何やら話すと
急に目の笑っていない笑顔になって
「プリーズ、シッダウン(座りたまえ)」などと言う
そして、ここまで案内してくれた親切な彼は
「時刻表あるって!よかったね!」
そう言って、ニコニコしながら出て行った
巨人族が扉を閉める……ビビる
なんか、もうすでに怪しいニオイがプンプンしているが…
とりあえず「時刻表はいくらですか?」と訊(たず)ねる
するとボスッポは机の引き出しから、使い古した時刻表をおもむろに取り出し
「時刻表なら、ここにあるが?」と言う
「いくらですか?」
「待て待て…それより、お前はどこへ行きたいのだ?
行きたい場所を言え
そうすれば、私たちがその場所までコーディネイトしてやる」
「いや、自分自身で手配するから時刻表だけ売ってくれればいい」
と拙(つたな)い英語で言い返すと
バカにしたように顔をナナメにして
「ホワィ(なぜ)?」
「とにかく時刻表だけ必要なんだ!」
「なぜ?私たちが手配してやると言っているではないか?」
この繰り返しが何度も続く
途中で巨人族ともう1人のインド人も加わり
横から
「お前のような外国人に
列車のチケットを買うことは無理だ!」
とか
「デラックスバスで移動した方が快適だ!バスにしろ!」
とか、よってたかって
インド英語特有のわかりづらい発音で
まくしたてられ
軽いパニック状態になる
顔が熱くなり、顔や身体中から汗が流れ出るのがわかる……
「プリーズ、シッダウン(座りたまえ)」などと言う
そして、ここまで案内してくれた親切な彼は
「時刻表あるって!よかったね!」
そう言って、ニコニコしながら出て行った
巨人族が扉を閉める……ビビる
なんか、もうすでに怪しいニオイがプンプンしているが…
とりあえず「時刻表はいくらですか?」と訊(たず)ねる
するとボスッポは机の引き出しから、使い古した時刻表をおもむろに取り出し
「時刻表なら、ここにあるが?」と言う
「いくらですか?」
「待て待て…それより、お前はどこへ行きたいのだ?
行きたい場所を言え
そうすれば、私たちがその場所までコーディネイトしてやる」
「いや、自分自身で手配するから時刻表だけ売ってくれればいい」
と拙(つたな)い英語で言い返すと
バカにしたように顔をナナメにして
「ホワィ(なぜ)?」
「とにかく時刻表だけ必要なんだ!」
「なぜ?私たちが手配してやると言っているではないか?」
この繰り返しが何度も続く
途中で巨人族ともう1人のインド人も加わり
横から
「お前のような外国人に
列車のチケットを買うことは無理だ!」
とか
「デラックスバスで移動した方が快適だ!バスにしろ!」
とか、よってたかって
インド英語特有のわかりづらい発音で
まくしたてられ
軽いパニック状態になる
顔が熱くなり、顔や身体中から汗が流れ出るのがわかる……
ぶちっ!
パニックから怒りへ切り替わる…
パニックから怒りへ切り替わる…