辛子と唐辛子 | はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

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国語教師は生徒に国語を教えるだけではいけない。教えた国語が通用する社会づくりをしなければ無責任。そう考える「はぐれ国語教師純情派」の私は、今日もおかしな日本語に立ち向かうのだ。

A おでん、シュウマイ、ところてん

B 焼き鳥、豚汁、味噌ラーメン

 

 さあ、みなさん。いきなりですが、AグループとBグループの違いは何でしょう?

 正解は、Aグループは辛子(カラシ)をつけて食べる食べ物のグループで、Bグループは七味唐辛子(好みによっては一味唐辛子)を振りかけて食べる食べ物のグループだというわけです。

 ここで私が言いたいのは、「辛子」と「唐辛子」は明確に違うということです。そもそも、原料からして違いますよね。色も違います。辛子はその名の通り「からし菜」の種子を原料として作られます。一方、「唐辛子」の原料は、ナス科トウガラシ属の果実です。それに薬味や香辛料を調合した調味料が「七味唐辛子」です。「辛子」と「唐辛子」は全く違った調味料なわけです。

 それならば、です。あの「辛子明太子」という食品のネーミングって、おかしくありませんか? 名前からすれば、ここはあの黄色い「辛子」が使われていそうなネーミングではありませんか。でも、実際は赤い「唐辛子」を使った食品なんですよね。おかしくありません? なぜ、「辛子明太子」ではなく「唐辛子明太子」という正しいネーミングにしなかったのでしょう? 専門家の方、ご教示願います。

 

  (まあ、中には「唐辛子明太子」としてこだわって販売されていらっしゃる方もおいでなのは存じ上げております。でも、それって一般的な認識のされ方には至っていませんよね? なぜ?)