「J POPは このままでいいのか?」 | はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

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国語教師は生徒に国語を教えるだけではいけない。教えた国語が通用する社会づくりをしなければ無責任。そう考える「はぐれ国語教師純情派」の私は、今日もおかしな日本語に立ち向かうのだ。

 最近の「若者受け」している邦楽の歌詞に目を向けると、やたらに意味もなく「Yeah」とか「wow」とか「hey」とか「baby」とかで間が繋がれていることに気が付きます。

 「yeah・yea(イェイ・ヤー)」は強く共感した時や返事をする時に「yes」と同じ意味で使われる英語ですよね。「wow(ウォウ)」は、多くの場合は、相手がとてもいいことをして、それに自分が驚いたり、感動したり、感嘆した利したときに使います。「驚き」、「感嘆」を表すのですね。「Hey(ヘイ)」は「へー!」、「おや!」、「まあ!」「やあ!」「おい!」っといった感じで、「Hi」や「Hello」よりカジュアルな感じの表現です。「Baby(ベイビー)」は、多くの場合は「赤ちゃん」ではなくて、非常に魅力的、誘惑的に見える女性のことを指す言葉ですね。

 いくつか例を引いてみるとしましょう。

 

「A・RA・ShI」:はじけりゃ yea!

「愛を歌おう」:Hey! 今 思いのままに Hey! 愛を歌おう

「愛を叫べ」:なってくれなきゃ困るぜ ベイベー きっとこれだろ泣けるぜ ベイベー

「ナナナナビゲーション」:どこまでも行こうwow

 

 歌詞全体は掲載しませんが、おそらくみなさんが知っている曲なのではないでしょうか? こんな風に、「合いの手」的であったり、「サビ」としてであったりですが、突然に英語表現が日本語の歌詞の合間に入ってくる歌詞の楽曲なら、際限なくいくらでも探せてしまいます。

 よくよく歌詞を吟味してみると、文脈の中でまあまあ正しく「Yeah」、「wow」、「hey」、「baby」が用いられているものもあるのですが、実に稚拙に、脈絡なく使われているものもあります。果たして、英語圏の方は、J POPにおけるこうした現象をどのようにお感じになっておいでなのでしょうか? 私なら、何となく恥ずかしくてネイティブの方の前では、こうした曲は歌いたくない気がします。

 また、どうして英語でないといけないんでしょうね? ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語や韓国語ではいけないのでしょうか?

 提案があります。こうしたJ POPにおける「Yeah」、「wow」、「hey」、「baby」の代わりに、日本における古式ゆかしい合いの手、「やっしょうまかしょ」とか「ちょいなちょいな」とか「あ~こりゃこりゃ」とかを入れてみてはいかがでしょう? 案外斬新かもしれません。