一見すると、有名な万里の長城か、とも思う。
ハドリアヌス防壁
ローマの歴史は、侵略するされないの戦いの歴史。
ローマに限らず、いろんな部族が密集している所ではいつも戦いが起こっている。
なので、こんな防壁を作って蛮族の侵入を防いだりもしている。
ローマは、領土を広げようとして戦争ばかりしていたのではなく、
侵略を受けてはそれに勝ったりしながら、(当然ほとんど負けて国を乗っ取られそうになったこともある)
自然発生的に領土が広がっていった。
ご覧のとおり、西以外はすべて囲まれている。
東・・・アジアの蛮族→中近東ではもっとも豊かだった「パルティア」を狙った。
パルティアの場所。
ローマはパルティアを仮想敵国としていつも警備していたが、パルティアを滅ぼそうとはしなかった。
その理由はパルティアが健在であれば、蛮族とローマの間に位置するパルティアがクッション材として蛮族を防いでくれたから。
南・・・南アフリカの蛮族は、砂漠があるので、それを越えてくるような組織力は彼らにはなかったので安心。
北・・・問題は、ヨーロッパの北から攻めてくる蛮族だった。
ライン川が天然の防衛線でもあった。
ライン川と合わせての某沿線、それがリメス・ゲルマニクスでの防衛の壁。
<リメス(防衛線)>
・リメスはラテン語で境界を意味し、英語のLimitの語源でもある。
・リメスは英語rimとも同源で、部隊の出動拠点(駐屯地)を中心として防衛範囲(rim:輪)をもつ部隊配置をさす。
・最も広義にはローマ帝国の国境全域を表し、「ハドリアヌスの長城」もリメスの一種となる。
なお、狭義ではドイツの長城跡(リメス・ゲルマニクス)を指す。
・リメスの建設は、1世紀末頃から始まり、目的としては、ゲルマン民族の侵入からライン川・マイン川流域の
肥沃な土地と通商路を守るためであった。
・攻めて来られる前に、事前に防衛体制を完璧にしておくことで蛮族の侵入を抑止する。
・リメスは、イギリスのハドリアヌスの長城が拡張される形で、世界遺産に登録された。
こんな物見やぐらも作られている。見張りのため。
そして、ブリタニア(現在のイギリス)の「ハドリアヌス防壁」。
一番上の写真。
違う写真も(似たようなものだけど)
これにより、ハドリアヌス防壁の北に住むカレドニア(現在のスコットランド)やスカンディナヴィア諸国からのローマ侵入を防いだ。
地図上での場所はここ。今のイギリス(昔のブリタニア)
<参考>
今の国の地図
ライン川とエベレ川等
マルクス・アウレリウス時代の蛮族との攻防。