目覚めたインドの旅行市場 サイト各社が覇権争い 
2017/6/29 1:24 日本経済新聞 電子版

インドでオンラインの旅行予約サイトが急成長している。メーク・マイ・トリップ(MMT)など地元大手3社はインドで多い独立系ホテルなどを幅広く網羅。急速に普及するスマートフォン(スマホ)向けなどに低料金で多様なプランを提示した。旅行の楽しみに目覚めた人口13億人の巨大市場で覇権をつかもうと、M&A(合併・買収)や民泊の仲介といった新サービス投入の動きも活発だ。


 インド西岸の人気ビーチリゾート、ゴア。5月下旬、妻と訪れたエンジニアのカナンさん(35)はホテルを「goibibo(ゴーアイビボ)」で予約した。ゴーアイビボはオンライン旅行予約、MMT傘下のサイトだ。「一通りの予約アプリをスマホに入れ、似たような設備で最も安いところを選ぶ」という。

 インド随一の観光名所、タージマハルを訪れた男性公務員(26)もスマホでホテルを予約するのにMMTを愛用する。「アプリなら空いた時間で予約できるし、選択肢が多いからね」と話す。

■全国展開の壁、ネットで越える
 インドの旅行市場は全国展開する旅行代理店が少なく、2万店ともいわれる個人経営の代理店がもっぱら市民の窓口になっている。海外も含めた企画や大規模な販促などは難しい。また、独立系のホテルが主流で、インド全土に展開するホテルチェーンは見当たらない。代理店は独立系ホテルを地道に開拓していく必要があることが、市場拡大の壁になっていた。

 そうした壁を打ち破ったのが地元のオンライン旅行予約サイト(OTA)だ。スマホの予約アプリを使えばいつでもどこでもホテルなどを検索し、予約できる。最大手のMMTは契約するホテルを4万件に拡大し、うち9割が独立系という。2位のヤトラはさらに6万4000件まで契約ホテルを増やしている。
 旅行予約サイトの登場に加え、経済成長もあり、インドの旅行市場は急拡大する。米調査会社フォーカスライトによると、旅行市場規模は2016年に前年比9%増の280億ドル(約3兆1000億円)、うちオンライン予約は同15%増の102億ドル。航空会社のサイトでの直接予約を除いたOTAの市場規模は44億ドルと同20%増。20年には80億ドルと4年で2倍弱まで拡大する見通しだ。
■格安航空の予約で成長
 成長市場を取り込もうと各社は独自の戦略に磨きをかける。市場シェア47%を占める最大手のMMTは旅行代理店が手数料収入の多い従来型の航空会社を薦めていたなかで、格安航空会社(LCC)の予約を受け付けて成長した。創業者でグループ最高経営責任者(CEO)のディープ・カーラ氏は「透明性と選択肢(の多さ)、適正価格が受けた」と説明する。



 16年1月には中国最大手の旅行予約サイト「携程旅行網」(シートリップ)から1億8千万ドルの出資を受けた。互いの契約するホテルを双方のサイトで予約可能にするなど連携を進めた。また、シートリップの幹部が「シェアをとるには(値引きに)資金を使うより、買収した方がいいと教えてくれた」(カーラCEO)ことから、今年1月にインド同業大手ゴーアイビボを合併した。
 旅行市場のさらなる発展をにらみ、昨年10月に民泊仲介の「ホームステイ」を始めた。ゴアなら2人1部屋で1泊1千~3千ルピー(1700~5100円)といったホテルの半額程度の部屋を用意する。予算重視の消費者を取り込み、ホテルの少ない小都市での宿泊先の確保も狙っている。
 MMTを追う2位ヤトラはヒンディー語で「旅」を意味する。英語のサイト名にしないのは「インドの中間層を狙っているため」と共同創業者でCEOのドゥルブ・シュリンギ氏は話す。スマホやクレジットカードを持たない人も取り込もうと1万6千超の旅行代理店と契約し、予約システムを提供。代理店に行けばヤトラのサイトにある航空券やホテルを予約し、現金で決済できる。
■遊び提案も誘客の入り口
10分間のパラセーリング625ルピー(約1千円)――。ヤトラに次ぐ3位のクリアトリップはレジャーを提案するサービスサイト「ローカル」を運営し、週末に何をしようか悩んでいる若者の支持を集める。最高執行責任者(COO)のサミュクス・スリダラン氏は「ローカルを使い始めて半年後には旅行サイト『クリアトリップ』を使って航空券やホテルを予約するようになる」と話す。
 インドの旅行予約市場には将来性を見越し、世界最大手の米エクスペディアなども進出した。だが、多くの独立系ホテルを網羅することに時間がかかり、インド人に合ったきめ細かなサポート体制を持たず、シェアは伸び悩んでいる。当面は地元大手3社を中心に市場拡大が続きそうだ。
(東京=松本史、ニューデリー=ヌプール・シャウ)
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肌で感じるインド人の生活の変化

私は2006年から毎年インドをに出かけていて、はやいものでもう12年もインドを訪問しているのだ。ただ、2006年に西ベンガル州のコルカタ(イギリス時代はカルカッタ)からダージリンとシッキムを旅して、2007年以降はヒマーチャル・プランディシュ州のダラムサラに通うことになった。ハリヤーナ州とパンジャビ州を通り、デリーからいつも北に向かう。2007年と2008年は列車に乗ってパタンコットまで往き、タクシーでダラムサラに移動した。2009年からはデリーからタクシーを使っている。確かに列車の方が安いと思うけど、デリーからダラムサラまで、言ってみれば東京から大阪までの距離を、20000円程度で走る。4人で負担すれば安全で確実だ。

2009年は、在る組織の汲んだツアーで30万円もかかったものが、その半額で2週間も、1か月もインドにいることができようになった。

最初は12日間、デリーから車を借り切って、ダラムサラに行った。東京のインド人の旅行会社に手配してもらって出かけたのだが、一度言って事情が分かって、その次からダラムサラのBEDIツアー会社のタクシーに依頼している。それでももう9年になる。

そんなわけで、物価の面で見れば、1万円が5600ルピー前後、円高の時は6200ルピーにもなった。大体1るぴー=2円で計算する。2006年の時は1Rc=3円だった。

確かに2006年に、世界遺産となったダージリンヒマラヤ鉄道に乗りたくて出かけたのだが、あの頃でも、観光にその列車に乗っていたインド人の家族と列車の中で話をした。旅をするインド人がいたのも確かだが、あれから10年が過ぎて、振り返ると物価は確かにゆっくりと上昇し、ゲストハウスの料金が600Rcがこの4年ほど700Rcになっている。町を走るリキシャや小型タクシーも値上げされた。

私がいつも買って帰る果物と野菜のシリアル1kgが、20010年には360Rcだったのが、2017年では500Rcになっていた。いつも3つ買って帰る。

それで、私が訪ねるダラムサラと言う町、特にマックロード村はダライラマ法王のパレスがあるところで、瞑想センターなどもあり、以前から外国人観光客の多い場所であった。