生産は一進一退 | 経済あらかると

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 経済産業省が本日公表した8月の「生産出荷在庫速報」によると、8月の生産は前月比3.3%減と、前月の3.1%増から反落しました。このところ月毎にプラスとマイナスが交互にきていて、一進一退の状況です。四半期でみても、予測指数からみると、7-9月はまた前期比マイナスが見込まれ、こちらも四半期ごとにプラスとマイナスが交互に来ています。

 

 8月の生産が落ち込んだ裏には、自動車の大幅減産(10.6%減)があり、これだけで生産全体を1.4%押し下げています。このほか、電気情報通信機械が6.2%減、生産機械が4.6%減で、この2つで1%近く押し下げています。

 

 8月は当初計画から大きく下振れし、実現率はマイナス5.6%となっています。中でも大きかったのが輸送機械のマイナス9.0%、生産用機械のマイナス8.9%、汎用機械のマイナス7.1%となっています。これらはその分、9月の生産増でカバーしようとしています。

 

 例えば、9月の予測指数は2.0%増ですが、輸送機械は9.2%増、汎用機械は8.0%増を計画、10月の予測指数も全体で6.1%増見込みですが、このうち生産用機械が33.4%の大幅増、輸送機械が5.9%増となっていて、この2つだけで全体を約5%押し上げる計画です。

 

 予測指数から7-9月を計算すると、企業の予想ベースで前期比0.2%減、当局の補正(9月は2.0%ではなく0.3%と補正しています)後で0.8%減と、いずれにしてもまた減少が見込まれています。

 

 また景気動向指数の一致CIに採用されている生産関連指標は、いずれも大きなマイナスで、8月の一致CIは大幅なマイナスが予想されます。